2010年7月3日 20時58分 更新:7月3日 23時29分
東京地裁で20日から始まる強盗致傷事件の裁判員裁判に絡み、一部の起訴内容を否認している専門学校生、細貝賢太郎被告(21)について、最高裁第2小法廷(須藤正彦裁判長)は2日付で、保釈に反対した検察側の特別抗告を棄却する決定を出した。保釈が確定した。裁判員裁判では各地の地裁が初公判前に保釈を許可するケースが増えており、否認事件でも保釈を認める流れが強まる可能性がある。
検察側は「保釈された被告が目撃者や被害者に、自分に不利な証言をしないよう圧力をかける恐れがある」と主張した。小法廷は「検察側が指摘するような問題点もないわけではない」と述べたものの「決定を破棄しなければならないとまでは言えない」と判断した。裁判員裁判の保釈許可を巡って最高裁が検察側の不服申し立てを退けたのは初めて。
細貝被告は、女性のバッグをつかんで刃物で胸を刺し、けがをさせたとされる強盗致傷事件など4事件で起訴された。強盗致傷事件については「自分は犯人ではない」と否認している。【伊藤一郎】