菅首相:党首討論拒否 「1対8はつるし上げ」と反論

2010年7月2日 21時13分 更新:7月2日 23時27分

菅直人首相=藤井太郎撮影
菅直人首相=藤井太郎撮影

 菅直人首相は2日、参院選期間中のテレビでの与野党の党首討論に応じていないことを野党から批判されていることについて「いつでも1対1の真剣勝負なら応じるが、(政党の対立構図が)1対8は議論じゃない。下手をすればつるし上げだ」と反論した。消費増税に他の8党は批判を強めており、少数政党乱立もあって、首相サイドは「多勢に無勢」となることを警戒。首相は各党首そろっての党首討論であっても、一部番組には出演する予定だが、依然、慎重姿勢を崩していない。

 富山市内の街頭演説で語った。首相は福井市内の街頭演説でも「逃げたんじゃない」「つるし上げぐらい平気だが、議論にならないから」と述べた。

 仙谷由人官房長官も2日の記者会見で「1対8だと民主党批判一色という絵になる。実質的に平等なのか。議論にふさわしい(政党の)数はせいぜい六つぐらいだ」と述べ、9党で行うなら首相の反論時間を確保するなど、運営上の工夫が必要との認識を示した。

 首相は先月14日、記者団に対し「選挙になればテレビやいろんな場面でたくさん(議論の場は)ある。国民に十分判断していただけるよう、私も出なきゃいけない時には出ていく」と語っていた。しかし、日本記者クラブが主催した同月22日の9党党首討論で、消費増税論議を巡り、他の8党首から批判が相次ぎ、防戦に追われたことで、対応に変化が生じたようだ。

 テレビ討論は国政選挙のたびに行われているが、首相は今回、テレビの党首討論出演を一部にとどめ、枝野幸男民主党幹事長に代行させる方針だ。4日のフジテレビの討論番組などには出演する予定だ。

 自民党の谷垣禎一総裁は2日、富山市内で記者団に「集中砲火を浴びるのが嫌だと言って逃げているが、首相たるもの、野党党首がどんなに攻めてこようと、ばったばったと切り捨てるぐらいの覚悟がなくてどうするのか」と首相の対応を批判。公明党の山口那津男代表も同日、東京都内の街頭演説で「党首討論でつるし上げになるから出たくないというひ弱な首相は見たことがない。逃げて逃げまくる菅さんの態度にカン(菅)カン(菅)に怒っている」と述べるなど、他党から批判が相次いだ。【横田愛、青木純】

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