寿命:100歳以上生きられる?…遺伝子の特徴発見

2010年7月2日 11時4分 更新:7月2日 12時0分

 100歳以上の人に共通する遺伝子の特徴を米ボストン大の研究チームが発見した。寿命は生活習慣や環境にも影響されるが、こうした特徴を調べることで、1世紀にわたって生きられるかどうかの可能性を予測する道が開かれたとしている。1日付の米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。【斎藤広子】

 ◇77%の確率で予測成功…米ボストン大チーム

 研究チームは、米東海岸に住む95~119歳の白人801人の遺伝子を解析し、データベースにあった一般の926人と比較した。

 その結果、両者の遺伝子の塩基配列に多くの違いがあることを発見。このうち150カ所を目印に100歳以上まで長生きするかどうかを、別の集団のデータベースで検証すると、77%の精度で見分けることができたという。

 一方、認知症や心疾患などになりやすいとされる遺伝子の特徴では、100歳以上とそれ以下の人で目立った差はなかった。研究チームは「長寿遺伝子には、寿命を縮める要因を抑える働きがあるのかもしれない」としている。

 ◇「人種により特徴異なる」

 日本人の長寿遺伝子を研究している小島俊男・浜松医大准教授は「人種によって遺伝子の特徴が異なるので、この結果をそのまま日本人に当てはめられない。しかし、長寿の人にはがんやアルツハイマー病などの発症を抑える働きが備わっている可能性が示され、健康を維持する戦略を考える上で役立つのではないか」と話す。

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