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[20344] 【短編連作集】 やばいマルス様と百合な私 【FE転生】
Name: uyr yama◆157cb198 ID:63b9f4b1
Date: 2010/08/04 17:44


 ストレス解消作の詰め合わせw

 基本的に作品間の繋がりはないです。




 こんな一生もあるでしょう 【リリカル転生TS鬱話】

 理不尽にして暗い話です。
 苦手な方はスルーすること。
 全3部作の予定の第一話。
 適当作w




 どうしてこうなった……? 【ネギま!転生】
 どうしてこうなった……? 風雲!エヴァンジェリン編【ネギま!転生】

 プロット無しで書いたやっぱり適当作w






 やばいマルス様と百合な私 【FE転生】

 こんな一生もあるでしょうの転生オリ主母の転生モノ。



 



[20344] こんな一生もあるでしょう 【リリカル転生TS鬱話】
Name: uyr yama◆157cb198 ID:63b9f4b1
Date: 2010/07/23 16:21






 「ほんと、気持ち悪い……」

 心の底からの本気の言葉。
 自分が産んだ息子に向かって言う台詞じゃあ、決してないと思う。
 だからそれを聞いた周囲の人達が、ギョッとした目で私を見ても仕方ないのかもしれない。

 そうして口々に言うのだ。

 母親として失格だと。

 だけども、仕方ないじゃないか。
 今の自分と同じ境遇に墜とされたら、誰でも同じコトを言うと思うぞ?

 余程のマゾでも無い限りさ……









 私は、前世の記憶を持っていた。
 残念な事に、強くてニューゲームって訳では無い。
 私が12才の時、初潮のショックで前世が男だったことを思い出しちゃったってだけ。

 今思えば、そこからが不幸の始まりだった気がする。

 16の時、幼馴染にレイプされた。

 私は前世の記憶の影響からか、男には一切興味が無く、むしろ百合的な意味で女の子が好きだった。
 小さい頃から一緒に過ごした隣家の男の子から、熱いアプローチは受けていたけれど、当たり前の様にそれをスッパリ振ったのだ。

 だけどもそんなある日、両親が出かけて一人で留守番だった夜のこと、家に入り込まれ一晩中犯された。
 泣き叫ぶ私に愛してると言いながら犯し続けたその男は、今では私の夫である。
 憎くて恨めしい男なのに、何故? と思うかも知れないけど、世の中そんなモノなのだ。

 レイプされた私は、しっかり妊娠してしまい、それを知った両親が激怒。
 間違うな、レイプした男ではなく、私に激怒したのだ。
 隠れてこそこそ淫蕩に耽っている馬鹿娘だとでも思ったのだろう。

 違う、隣の馬鹿に犯されたんだ!って言っても嘘をつくなと頬を叩かれる。
 子供を堕ろしたいって言ったら私を犯したバカが、私を愛してる、結婚を許してくれなどと言いやがり、
 もとより幼なじみって事は小さい頃からの付き合いな訳で、両親も、向こうの親もそれを勝手に決めやがった。

 自分を無理矢理レイプした男と結婚するのは嫌だと、何度も何度も訴えた。

 でもだ、聞きやしないのだ。
 レイプ魔が言う耳に優しい言葉を信じ、私の訴えを一切耳に通さない。
 この時、私は少し壊れてしまったのだろう。
 それ以来、両親や周囲への感情は冷めた。

 徐々に大きくなる腹の中身に恐怖して、周りを気にする余裕がもうなかったとも言うけれど。
 堕ろしたくても許されず、気がつけば最早手遅れな所まで追い詰められて。

 男は、出産の衝撃には耐えられない。

 そんな俗説もあり、前世が男であった私は、怖くて、怖くて、怖くて……
 泣いて喚いてヒスって暴れて、それを優しく宥めようとするレイプ魔に同情的な視線が集まり、逆に私には冷たい視線。
 両親からはレイプ魔を褒め称える言葉を終始聞かされ、精神的に限界が達したときに、出産した。

 陣痛、破水、そして、スルリと異物が私の中から出ていく快感。
 あれ程の快感、前世も含めて感じたことはなかった。
 まあ、それから先の不快感を考えれば、そんなの何の慰めにもなりはしないけど。

 私の胸にシャブリつき、お乳を嬉しそうに吸いまくる乳児を見て、私はとってもイヤ~な確信をしてしまったから。


 このガキ、転生者じゃん。


 産まれてまだ間もなく、目も殆ど見えず、耳も殆ど聞こえない筈の乳児が、その小さな目をギョロギョロさせる光景はあまりにキモイ。
 周囲の有象無象共の言葉に一々反応してみせて、特に海鳴と言う単語で喜びの雄叫びを上げやがった。

 ああ、こいつ唯の転生者じゃない、オリ主だ……

 この時の私の絶望が解るだろうか?

 レイプ魔の親戚で、丁度同じように出産した忌まわしい原作キャラの桃子に何度も窘められながら、私は生きる気力を根こそぎ奪われた。
 この子が長じるに従い、天才だ! 神児だ! などと褒め称える言葉を右から左へと聞き流し、うつ病でノイローゼ気味の私は完全に育児放棄。
 なのにこのガキ、自分でメシを作って隣家に住むなのはに振舞ったりしやがる。

 10歳にもならないガキが、なんでこんな凄いメシ作れるんだよオカシイだろお前らなんで疑問にもたないんだよ死ねバカ。


 「ホント、アナタは何であんな良い子に、そんな酷いことを言うのかしらね……?」


 イヤミったらしく言うのは、レイプ魔の母親。
 いわば私の姑だ。
 それに対して桃子がさり気なく庇ったりはしてくるけど、私の心は冷たいまんま。


 「酷いかな? レイプ魔の息子を愛せって言われても、どうしたら愛せるのか分からない」


 姑の目は、嫌悪のまま私をギンと睨みつけた。
 ここで初めて桃子が私に驚きの視線を向けたのだ。


 「どう言うこと……?」


 彼女が驚きに目を見開いたまま私にそう問いかけるが、もう遅い。
 私は姑に手を引っ張られ、自宅へと連れ込まれる。
 そのままバタンと扉が閉まり、私は諦めきった溜息を吐きながら部屋へと帰るのだ。
 ベッドに身体を横たえながら、私は世界を呪詛し続ける。

 滅びてしまえ、こんな世界。

 ジュエルシードでも闇の書でもなんでもいい。
 私ごと、すべてを滅ぼしてしまえ。

 窓の外から見える隣家の庭で、私の子供の皮を被ったナニかが楽しげな歓声を上げた。

 ハーレムだの、魔王だの、フェイトそんだの、はやてたんだのヴォルケンハーレーマーだの馬鹿なことばっかり言う、一応は私の息子。

 ホント、少し痛い目をみたらいいのに。

 それとも私にだけ厳しい世界なのだろうか?

 少なくても、私にどんな目で見られても気にも止めない気づきもしないこの子にとって、優しい世界であることは確かだろう。
 ほんの少しだけ『息子』に優しい目を向けた私は、だけども次の瞬間には何も写さない伽藍洞。

 昼は姑の嫌みを聞き、夜はレイプ魔に犯されて、朝は異常者な息子を学校へと送り出す。

 延々と、延々とその繰り返し。

 早く、終わればいいのにな……

 この、魔法少女リリカルなのはの世界が、終わればいいのにな……











 それから半年も経たないある日の事、彼女は衰弱した状態で発見された。
 彼女の息子や、隣家の娘はどうしてそうなったのか知ってはいたが、堅く口を閉ざす。

 生きる気力が欠片もない彼女は、徐々に、徐々に……

 そうして年も改まり、祝いに満ちた世界の中で、彼女は26年の生涯を閉じた。

















 





 


















 後書き

 スランプ対策に何か適当に書いてみた。



[20344] どうしてこうなった……? 【ネギま!転生話】
Name: uyr yama◆157cb198 ID:63b9f4b1
Date: 2010/07/25 17:13


 「はぁ、はぁ、はぁ……あと、少しだよ、マギ」


 全身を化け物の血で赤黒く染める幼児。
 その幼児の背中には、足をちょびっとすりむいてる、同じ顔の幼児。

 もしもこの場にナギ・スプリングフィールドを知っている者が居れば、この少年達を見てこう思ったろう。

 血は水よりも濃し、ぶっちゃけ超そっくりだと。

 特に兄のネギは、弟のマギを背負ってひた走っていた。
 とても幼児とは思えない力と脚力で、炎に彩られている村を駆け抜けていたのだ。
 まさにナギの息子ならではと言った所だろう。

 そんなネギが必死に駆ける村からは、僅かな怒号と沢山の悲鳴、何より耳を塞ぎたくなるような断末魔の叫び。

 ネギは唇をキツク噛みしめ、それらの叫びを聞こえてない風を装う。
 今のネギには力がなかった。

 それもその筈、ようやく3才になったばかりのネギに、この状況をどうにか出来る筈などないのだ。
 背負う弟を守りきれるかどうかさえ怪しいというのに、他人、しかも大人達の身を案じる余裕などあるはずもない。
 とは言っても、普通の3歳児ならば、ただ泣き叫ぶだけしか出来ないはず。
 なのにネギは弟、しかも殆ど体格も能力の違いも無いはずの双子の弟を背負い、必死に頭を回転させていた。

 どうすれば良いのか、どうすれば助かるのか、そもそも、どうしてこんな事になったのか……?


 「もう、いいよ、お兄ちゃん。僕をおいて逃げて……」


 黙り込んで考えていたネギに、不安そうに、でも決意のこもった響きでマギはネギにそう言った。

 マギは思ったのだ。

 自分という足手まといが居なければ、兄はこの地獄から脱出するなぞ容易いことだろう。
 なにせ、自分に襲い掛かってきた化け物を、魔力がこもった拳の一撃で殲滅したのだから。

 でも、


 「マギのバカっ! 僕は絶対に見捨てたりなんかしないからな! だって、僕とマギは、たった2人きりの家族じゃないか……」


 ネギだって強くなんかはない。

 化け物を殺したのだって、無我夢中でどうやったのかのかなんて分からない。
 もう一度やれ!って言われても、間違いなく出来ないだろう。
 何より、ネギがさっき言った通り、ネギにとってマギはたった一人の家族。
 親はいない。親戚はあれど、何故か自分と弟は2人切りの空間での生活を余儀なくされて。
 大人に甘えたい。でも、大人は2人の幼い兄弟が本当に欲しかった愛情を与えることは無かった。

 父を英雄だと褒め称える一方で、決して、決して……

 だからネギは思うのだ。

 もしも弟が居なければ、自分は寂しくて死んでしまう。
 この、魔力の欠片も持たないで産まれてきた弟の存在が無ければ。

 父が英雄? だからどうした!
 それよか母は一体ダレなんだよ!
 誰か教えろよ、この糞呆け共が!!

 最初の方で言ったように、血は水よりも濃かった。

 本当だったら母親似の、真面目でイギリス紳士(笑)に育つ筈だったのだが……


 「ごめん……お兄ちゃん……」

 「分かったんならいいよ。ごめんね、キツイ言い方しちゃってさ」


 その時、マギがチラリと見たネギの横顔はとても凛々しく、誇りに充ち満ちていた。
 汗と血に濡れ、それでも輝きを失わない瞳に、マギは憧れと尊敬の念を強くする。

 英雄と呼ばれる父でなく、双子の兄であるネギを。


















 「だったんだけどなー」


 頬を引き攣らせ、マギはボソリと呟いた。
 所謂、現実逃避をしていたのだ。
 目の前の光景が、あまりにもあんまりだったんで。



 「ふははははーっ! 父さん如きに封印されて、しかもまだその封印が解けてないなんちゃって幼女如きに、この僕が倒せるとでも思っていたのかい?」

 「むぎぎぎぎ……っ!!」


 幼女を踏みつけて勝ち誇る少年ネギ。
 幼女、エヴァンジェリン・A・K・マグダウェルは、マギが知る原作知識によれば、闇の福音などと呼ばれ恐れられている化け物だったはず。
 それを、例え封印されて本来の力が出せないとはいえ、あっさりと返り討ちにするこの兄貴。

 近くには四肢を魔法で吹き飛ばされて、ダルマのようになってしまった茶々丸まで……


 マギはあの6年前の悲劇の日の最後、父ナギ・スプリングフィールドの超絶魔法を見た瞬間、前世の記憶を取り戻した。
 とは言っても、あくまでも主格は今世の自分であり、前世の記憶は記録みたいなものだったけど。
 ただ、その前世の記憶の中には、この世界の出来事が漫画になっている記憶があって、でもそんなの全く関係ねー。
 だって、前世の記憶にある『魔法先生ネギま!』の主人公であるネギは、少なくてもこんな傍若無人ではなかった。


 ネギはあの日、自分達を助けるために現れたナギを、

「遅い! それでも父親なんですか!」

 と言いながらぶん殴ったのを皮切りに、弟であるマギを守り育てる為なら何でもするブラコンになってしまったのだ。
 今、目の前で悔しそうにするエヴァンジェリンも、マギを襲ってこんなんなった。
 マギは前世の記憶を取り戻してからも、ネギを変わらず尊敬してはいるが、前世の記憶が持っているが故に、こう思ってしまう。


 「どうしてこうなった……」


 この学園都市の初等部に通うマギは、中等部で教師をやって自分を養う兄の姿に冷や汗を流す毎日である。

 あきらかに原作から剥離してるよね!?

 どこか遠い目のマギの耳に、


 「この低能!血吸い蟲の分際でマギに手を出すなんて死ぬの?バカなの?ハゲなの?だいたいさ、僕に勝てる訳ないのに何偉そうにふんぞり返ってたの?
  呆れるよね、もう死んでよ、ホントさー。600歳だかなんだか知らんけど、それだけ生きたらもう十分でしょ?ほら、ホラホラホラ…………………!!!」


 楽しそうに言葉攻めするネギの終わらない罵倒。



 「ほんと、どうしてこうなった……」


 マギの2度目の呟きが、むなしく夜の麻帆良に響き、消えた。
















 後書き

 スランプ対策で適当に書いた第2弾。




[20344] どうしてこうなった……? 風雲!エヴァンジェリン編【ネギま!転生】
Name: uyr yama◆157cb198 ID:afcdcf20
Date: 2010/07/30 23:58






 「ふふふ……フハハハハ……ようやくだ。ようやくこの日が来たか……ッ!」


 金髪に紅眼、何より目を見張るような美少女。

 いいや、むしろ美幼女?

 腰どころか、膝を超える長くサラサラとした髪を煩わしげに払い、怒りが篭った言葉を吐き出す。
 目はギラギラと憎しみで血走り、少女の従者である機械で出来た乙女である彼女もまた、その拙い感情を怒りで染めていた。

 それもそのはず。

 彼女、絡繰茶々丸は、眼前で主であるエヴァンジェリン・A・K・マグダウェルを屈辱的に踏みつけられ、自身の四肢をも魔法で破壊されたのだから。

 『不死の魔法使い』『闇の福音』『人形使い』などの二つ名持ちの元賞金首であるエヴァンジェリン。
 学園都市全体のメンテナンスがある今日、彼女の絶大なる力を封じ込めている結界をこの機に乗じて一時的に無効化し、復讐の狼煙をあげるのだ。


 「あのクソガキの驚く顔が目に浮かぶわ……ククククク……ハハハハハ……アーハッハッハッハッハッハッ────────」

 
 実に禍々しく嗤う。

 こんな彼女を見れば、魔法世界でナマハゲ扱いされているのも分かると言うものだ。
 なんせ『女子供は殺らない』などと言った悪としての誇りを、今宵彼女は鼻歌混じりで破る気まんまんである。

 ソレ程の屈辱、ソレ程の憎悪……!

 本来優しい性格の茶々丸でさえ、無言でその行為を肯定しているのだから、彼女達の怒りの程が知れよう。


 「待っていろ! ネギ・スプリングフィールド!! 驕り昂ぶった貴様など、今夜の作戦で満月を待たずにケチョンケチョンだ!!」

 「ハイ、ケチョンケチョンです」

 「そうしてキサマの目の前で、キサマの大事な弟の体液を思う存分啜り、我が下僕としてくれるわっ!」

 「私の後輩として未来永劫可愛がってあげましょう」

 「そうだ! 下僕だ!! その上で絶望したキサマの血という血を一滴残らず吸い尽くしてやるっ!!」

 「ええ、絶望したネギ先生の目の前で、マギ・スプリングフィールドを愛で尽くしてあげます。
 具体的には、私のネジを巻かせながら性的なご奉仕などさせてみてはどうでしょうか……?」

 「……茶々丸?」

 「ネギ先生にボコられた私を、優しく介抱してくれたあの子……、今の私なら、雪広あやかさんのいい友達になれる自信があります」

 「お、おい、ちょっと待て茶々丸!」

 「ご安心下さい、マスター。まずはマスターの足元にひれ伏させ、御身足に忠誠のキスをする所から始めさせますから」

 「いや、だからな……?」

 「ですが勘違いしてはいけません。私直々の調教が完了するまでは貸しませんよ? あの子の初めては私のモノです!」

 「……超め、修理をミスったか?」

 「ああ、そうですね。雪広あやか様に弟子入りして、幼子の愛で方を学んできた方が良いでしょうか? そうした方が、効率的に調教が出来ます」


 そう言うと、呆然と茶々丸を見るエヴァンジェリンをおいて、そそくさと彼女の目の前から居なくなった。
 言葉通り、雪広あやかの下へと行ったのだろう。
 エヴァンジェリンは、数回、ピクッピクッと頬を引き攣らせ、ボソリと呟いた。


 「どうしてこうなった……」


 彼女の虚しい呟きは、誰に聞かれるでもなく、部屋に吸い込まれた。




























 某県にある大型テーマパーク。

 そこに件のネギ・スプリングフィールドとマギ・スプリングフィールドが居た。
 学園都市全体のメンテナンスがある今日と明日の2日間、ネギの教師としての仕事はお休みである。
 そして同僚であるガンドルフィーニ一家と弐集院一家のご好意により、ここに連れて来て貰ったのだ。

 
 「わーっ、すごいや!」

 「う、うん! 凄いね、兄さん!」


 2人の幼い兄弟は、目をキラキラさせる。
 なんせ日本に来るまではウェールズの片田舎でひっそりと暮らしていて、こんな大型アミューズメントパークになんて来たことがなかったのだ。
 前世の記憶持ちであるマギは、それこそ前世では行った事があった。
 でも、それはあくまで記録的なものであり、やはりこうして来るのは初めてな感覚なのだ。

 いつもは兄として気を張ってるネギまで、だたの子供みたいにはしゃいでいる。


 「ねぎせんせー。まぎおにーちゃん。わたし、あそこのお城に行きたいなー」

 「あー! 私も行きたーい!」


 チラチラとコチラを伺うネギとマギに、ガンドルフィーニと弐集院がウンと大きく頷き、ソレを見た幼い兄弟はそれぞれ自分達の娘と手を繋ぎ、楽しそうにお城へと向う。

 そんな幼い兄弟と自分達の娘を見て、ガンドルフィーニと弐集院は柔らかく笑む。

 こんな光景を見る為に、今まで頑張ってきたのだと。
 そしてこれこそが、自分たちが守らねばならない光景なんだと。

 2人の笑みはとても誇りに満ちていて、傍らに同じように笑んでいた2人の妻たちが惚れ直すほどだ。


 「さあさ、アナタ達はホテルのチェックインを済ませて来てくださいな。私達はあの子達を追いかけますから」

 「おいおい、それは酷くないかい?」

 「何を言ってるんです? これこそ休日のパパの役目ですよ」


 やれやれ……と、揃って大きくオーバーアクションする2人は、休日のパパの役目を果たすため、肩を並べてホテルへと向って歩き去る。

 妻たちは顔を見合わせると、クスリと笑い合った。
 そうして女同士で妻同士、楽しく談笑しながら、子供達をゆっくり追いかける。

 日本全国どこでも見られるはずの幸せな家族の風景。

 でも、ネギとマギにとっては初めての暖かい体験。

 こうして2人は、この世界に生まれ落ちて初めてと言っていい程の楽しい休日を過ごすのだった。



























 そして夜になり……何事もなく朝になった。

 カァー、カァー……

 カラスの朝の挨拶が、麻帆良学園都市の空に響く。
 空は快晴! とても清々しい日曜の朝である。

 そんな清々しい空の下で、呆然と大口開けている幼女が一人。
 せっかく解けた封印も、その相手となるネギとマギの兄弟がいなければ意味がない。
 そうこうしている内に学園の結界が復活し、真祖の魔法使いからただの幼女へと逆戻り。
 呆然としてしまうのも仕方がないかも知れない。

 彼女の傍らには、無表情ながら無念さを隠し切れない茶々丸と、身動き一つ取れなくなっているエヴァンジェリンの最初の従者、チャチャゼロが地面に転がっていた。

 年に2回のメンテナンス。次のチャンスは半年後……

 残念無念、また明日。

 エヴァンジェリンは、ただただ呆然。


 「どうしてこうなった……」

 「……次回はキチンとマギ君の動向を調べてから行動してください」

 「ケケケ、役立タズノマスターヲ持ツト苦労スルナ、妹ヨ」

 「ええ、本当に……」


 何より、自分の従者達が妙に反抗的になったのはどうしてだ……?


 「どうして……こうなったのだ……っ!!」


 カァー、カァー、カァー、アホォー……

 カラスの鳴き声にムカッときたのか、「なんだとーっ!」と青筋立てるエヴァンジェリン。


 「ああ、カラスの鳴き声に本気で怒る600歳ってどうなんでしょうか、姉さん……」

 「誇リ高キ悪ノ魔法使イモ、今ハ昔ダナ……」

 「煩いぞお前ら!黙れ黙れ黙れぇーっ!!」































 「兄さん! ハンバーガーの自動販売機なんてあるよ!」

 「これ、アスナさんへのお土産にしよっかな……?」

 「……それは、ちょっと酷くない?」

 「いいんだよ。どうせ味なんて分かんないんだから」


 お土産が自販機で買ったハンバーガー?

 アスナはヒクヒクと頬を引き攣らせたものの、文句ひとつ零さずに全部食べた。







[20344] やばいマルス様と百合な私 【FE転生】 NEW!
Name: uyr yama◆157cb198 ID:afcdcf20
Date: 2010/08/04 18:04





 「まったく、ニーナ様も見る目がない。そうは思わないか? ボクに任せておけば、アカネイアの復興なんて一瞬ですんだモノを。
 それにだよ? そうすればボクの野望の道程も何割か省略できたんだ。ったく、あんなターバンなんかのどこが……
 でもまぁ、一度壊滅に近い被害を喰らっても流石は大アカネイアの官僚機構。ボクの思惑通りに事を運べるようになるのは一手間だったかもね。
 そう考えると、こうして地道にアリティアから始める方が結果的には早くすむかも。
 えっ? 何がって? そんなの決まってるじゃないか?
 大陸制覇だよ、大陸制覇。まったく、しっかりしてよね、ボクのリアナ。
 ねぇ、シーダ。君もそう思うだろ?」


 アハハ、と私の右横で楽しそうに笑うシーダ様。

 そして一言。


 「マルス様? リアナは、わ・た・し・の! 恋人ですよ?」


 そう言って2人顔を見合わせ、あははと黒く笑い合った。


 私はそんな2人にただただ頬を引き攣らせるだけ。

 遠い遠い記憶の彼方。
 そこの記憶にあった2人の姿と全然違う。
 2人はとっても白いお方だった筈なのに……


 「ん? どうしたんだい、リアナ?」


 私の左横で寝そべっていたマルス様が、身体を起し心配そうに私の顔を覗きこむ。

 見える! 見える見える見えるって!?
 何がって? ナニがだよ!!
 身体を起したマルス様のナニが、ぶらーんぶらーんって揺れているのだ!
 前世の糞な夫の倍以上、前々世の私より大きいソレが……!!
 


 「本当にどうしたの、リアナ……?」


 今度は右隣で寝そべっていたシーダ様が、マルス様と同じように私の顔を心配そうに覗きこむ。
 少し控えめで、でもとても形の好い双丘が、私の目の前でプルンって揺れた。
 マルス様のナニと違って、とっても目の保養だ。
 私はシーダ様のおっぱいを見ることで、色んな意味でダメージ受けまくった心を癒す。
 すると彼女が急に、ハッと気づいたような顔をして「ごめんね、リアナ」と謝ってきた。


 「リアナはまだ慣れてないものね?」

 「ああ、そういう事か……ごめんね、リアナ」


 2人仲良く微笑みながら、私に労わりの視線を向けてきた。
 視線は私の目の位置から徐々に下がっていき、胸、腹、そして股間。
 血と精液に塗れて痛々しいアソコを、ジッと見つめてくる。


 「ちょっ?! どこ見てるんですかッッ!!」


 2人の意味深な視線から逃れようと、身体をくの字に屈ませ、自分の身体を覆い隠す。
 そんな私を実に楽しそうに見ながら、


 「どこって……ねぇ、シーダ?」

 「ねぇ、マルス様?」


 アハハ、ウフフと、とってもドス黒いお顔だ。

 ああ……なんでこんな事になっちゃったんだろ……?
 いや、分かってるんだよ? ぜ~んぶ自業自得だってさ。
 でも、前世でちょっとばかしイヤな思いしてたからさ、その、なんだ、少しはっちゃけちゃったんだよねー。

 ホント、後悔先に立たず……






















 私は前々世と前世の経験から、とても男が嫌いだ!
 前々世は男だったから、当然に女の子の方が大好きだ!

 そして前世……

 隣の幼なじみのお兄さんに犯された挙句、妊娠。
 そして嫌がる私の意志を無視してそのまま結婚、後に出産。
 しかも産まれて来た子供がオリ主とか……
 だから男なんて嫌いだし、子供ももう産みたくはない。

 またオリ主が腹の中から出て来たら、私は今度こそ発狂する自信がある。




 そんな訳で、割と早い時期に2度目の生まれ変わりがファイアーエムブレムの世界だと知った私は、2度と男の汚い欲望に負けないように、只管に武力を身に着けた。

 上手い具合に祖父(流石におじいちゃんまでは嫌えなかった)がアリティアの騎士だったらしく、彼に修練をつけてもらったのだ。
 途中グラの裏切りによりアリティアが滅んだりもしたけれど、そんなの私には関係ねー。
 どうせスターロードマルス様がアリティアを解放して、この大陸をドルーアの魔の手から救い出すのだ。
 だから逸る祖父を宥め、修行をしながらアリティア解放の時をジッと待ち続ける。
 レトロゲーのくせに、やたらと完成度の高いこのゲームが大好きだったせいもあって、少しぐらいはストーリーを覚えていたから。
 そう、この後アリティアは解放され、そして再び落ちるのだ。
 マルスのかつての仲間、無敵モードのハーディンの手によって。
 でもだ、マルスはその名の通り軍神の化身。むかうところ敵なし!

 私は次の大戦でマルス様一行に加わり、沢山の功績をあげたいと思う。
 中世的なこの世界では、ぼーっとしてたら無理矢理結婚させられてしまうから。

 そうならない為にも、無敵で素敵な女騎士になるのだ!

 無理に結婚進めてくるバカを地位で蹴っ飛ばし、ついでに手にした武力で薙ぎ倒せる。

 一挙両得じゃない!! 


 そんな訳で暗黒戦争と呼ばれた動乱後、私はアリティア騎士を目指して城に入る。

 そして訪れる見習い騎士時代。
 この時、私はカタリナ言う名の一人の少女に出会ってしまった。
 私は彼女と百合的関係になり、調子にのって私の小隊に配属されたセシルとまでも関係を結んだ。

 可愛く!強く!とても聡明な女の子に囲まれた、とてもとても幸せな時間……

 他のムサイ3人の小隊員を意図的に無視しながら、私は副官のカタリナと、突撃隊員のセシルとで、無敵の部隊を作り上げた。
 しかもこの2人、私の知る原作知識には『たぶん』いない。いや、居たとしても記憶に残らない程度の端役だろう。
 そんな所も私のお気に入りの理由である。







 でも、新人騎士にしては超優秀な私達第7小隊は、マルス様の目に止まってしまい、そこからハードな訓練をさせられる事となる。
 特に暗黒戦争を潜り抜けた無敵のアリティア騎士団との模擬戦は、本気でシャレにならん。

 聖騎士カイン、ジェネラル・ドーガ、スナイパー・ゴードンの、私が良く知る3人の騎士。
 そして聞いたことがなかった、それでも無敵に強いアリティア騎士達の群れ。

 なんせこいつら、私達のクリティカルな攻撃をカィーンって弾くのよ!

 どんなに隙をついてもカィーン、カィーンって……

 来る日も来る日も、そんな化け物共にフルボッコされる毎日。
 私達3人は女の子なのに……なんて嘆く暇もない。

 疲れきってボロボロになるのが当たり前になったある日、天から天女が舞い降りた。


 「今日の訓練の相手は、私がしますね」


 なんか角の生えたペガサスに乗ったお美しい王女様。
 マルス様の婚約者にして、暗黒戦争時、敵方の将兵を寝返らせまくった勧誘の達人。
 訓練後、私は彼女と親しく話をし、そこから少しづつ、少しづつ仲良くなっていった。
 女同士と言う気安さもあってなのか、彼女はとても無防備で、思わず、そのなんだ、手を出しちゃった。

 私は知らなかったのだ。

 敵を寝返らせまくるこの人が、心清いだけのお姫様なんかじゃないって。
 そして私の主君、スターロードマルス様が、とてもとてもドス黒いお方だったなんてことを。







 「回想は終わったかい、リアナ」

 「うふふ、リアナって本当に可愛い! ね、そう思いません、マルス様!」

 「ああ、ボクもそう思うよ」


 2人は和気藹々としながら、再び私の肢体を撫で回してきた。
 喉から甘い声が漏れだし、私は淫靡で快楽に満ちたこの現実を受け入れる。

 前世と違って、完全に自業自得だし。

 なにより、前世の夫の印象があまりに悪かったせいか、マルス様には嫌悪感を感じなかったのだ。

 男は嫌い。でも、シーダ様と一緒で、マルス様って限定だったら、まあ、いっか……

 それに、後のアカネイア連合王国のトップの愛人って、この先の生活の保障としては申し分ない。
 正妻であるシーダ様との仲も良好だし、このままいっちゃった方が良いのでは……?
 問題は私と百合的関係にあるカタリナとセシルなんだけど……なるようになれっ!


 「さ、2回戦にいこうか」

 「マルス様、明日はリアナの騎士叙勲式ですよ? 疲れを残したら大変です! するならその後の方が……」

 「ハハハ、大丈夫だよ。キチンと加減はするさ」


 そう言うと、私の身体にズシンと乗ってくる。


 「リアナ、キツクなったら言ってね? すぐにこの下半身バカを蹴っ飛ばしますから」

 「あ、はは……お願い、します……」

 「いくよ、ボクのリアナ。ボクの……軍師。これからは、ボクの為だけにその特異な知識を使うんだ。いいね……」

 「は、い……」


 力なく返事をする私は、でも感じるのは前世のような絶望ではない。

 下半身のピリピリとした痛みと、それを越える凄まじい快感の波に浚われながら、私はこの世界の住人に本当の意味でなった気がした。

















 後にアリティア皇国を建国し、アカネイアの名を大陸から完全に消し去った初代皇王マルスに仕えた影の英雄。

 彼女のストッパー的な意味での英雄伝説は、この日始まったらしい。 
 

 


































 キャラデータ


 マルス  むしろ魔王

 Lv 8 

 HP イデ力

 攻撃 必殺 必殺 常時
 命中 必中 回避 黒G
 移動  9  射程  1

 力  バーサーcar
 魔力 果てしなくゼロ
 技  華麗
 速さ 音速丸
 幸運 常時ラッキーマン
 守備 バーン様
 魔防 はぐれメタル


 E ファルシオン
   レイピア
   大地のオーブ


 シーダ  ファルコンナイト

 Lv 4

 HP 40

 攻撃 35 必殺 28
 命中135 回避 37
 移動 10 射程  1

 力  23
 魔力  1
 技  28
 速さ 25
 幸運 25
 守備 20
 魔防  9


 E ウイングスピア
 E 手槍


 リアナ  剣士

 Lv 7

 HP 38

 攻撃 23 必殺 18
 命中118 回避 18
 移動  7 射程  1

 力  14
 魔力 30
 技  16
 速さ 16
 幸運  5
 守備  7
 魔防  1


 E セシルの剣 
   鉄の剣





 その他アリティアの原作騎士達

 全員上級職&ALLパラメータ20以上&銀装備






 暗黒戦争終了後のレベルドレインはありませんw
 暗黒戦争は、アリティア騎士団+シーダ+チキでクリア
























 






 後書き

 主人公の原作知識はSFC版の『ファイアーエムブレム 紋章の謎』です。

 で、この話はDS版ですww

 主人公の魔力が高いのは前世からの引継ぎです。
 オリ主の母としてSランクオーバーな魔力持ち。
 で、ヴォルケンに襲われて衰弱→そのまま生きる気力ナッシングで死亡しました。
 ちなみに主人公は、自分が高魔力持ちだとは知りません。ですので宝の持ち腐れw
 あと、周りの正騎士やマルス(笑)があまりに強いため、自分が十分オリ主でチートだとも気づいてません。


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