米連邦債務:残高がGDP比62%にも 最悪水準に

2010年7月1日 10時34分 更新:7月1日 12時6分

 【ワシントン斉藤信宏】米議会予算局(CBO)は30日、10会計年度(09年10月~10年9月)末の米連邦政府の公的債務残高が国内総生産(GDP)比62%に達し、第二次世界大戦直後の財政危機以来、最悪水準になるとの見通しを発表した。CBOは、連邦債務拡大の要因として、08年秋のリーマン・ショック以降の急激な景気落ち込みによる税収の大幅減と景気刺激策に伴う巨額の財政出動をあげた。

 CBOは、米景気回復による税収増や景気刺激策の終了で、数年後には単年度の財政赤字は縮小に向かうと分析。しかし、長期的にはベビーブーマー世代の退職で医療や社会保障関連の歳出が急増し、財政赤字が再び拡大すると警告、連邦債務は35年にはGDP比で80%前後に達するとの見通しを示した。今春に成立した医療保険制度改革法案が実施されれば、債務はさらに膨らむ可能性があると指摘、財政再建の取り組みの重要性を強調した。

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