野口宇宙飛行士:水のありがたさを実感 帰還後初の会見で

2010年6月9日 23時34分 更新:6月10日 3時41分

地球に帰還後初の会見で、長期宇宙滞在の感想を語る野口聡一宇宙飛行士=米テキサス州ヒューストンのJAXA事務所で2010年6月9日、吉富裕倫撮影
地球に帰還後初の会見で、長期宇宙滞在の感想を語る野口聡一宇宙飛行士=米テキサス州ヒューストンのJAXA事務所で2010年6月9日、吉富裕倫撮影

 日本人最長となる163日間の宇宙滞在を終え、今月2日に国際宇宙ステーション(ISS)から帰還した野口聡一宇宙飛行士(45)が9日、自宅のある米テキサス州ヒューストンで帰還後初めて会見した。

 会見はヒューストンと東京の宇宙航空研究開発機構(JAXA)を結んで開かれた。野口さんは中継用のカメラに笑顔で手を振りながら登場。「川のせせらぎ、飲む水、浴びる水、流れる水のありがたさを実感する」と語る一方「明日起きたら(無重力で)浮いているんじゃないかと思う」と「宇宙気分」が残っている生活をユーモラスに語った。

 野口さんは現在、重力に慣れるためリハビリの日々で「毎日、部活の新人のようにしごかれて大変です」。夜は自宅に戻り、冷たいビールと手巻きずしを食べるなど、家族水いらずの時間を過ごしているという。

 野口さんは09年12月21日、ロシアのソユーズ宇宙船で打ち上げられた。ISSでは実験などに取り組み、スケジュールの合間に撮影した地球の写真などを「ツイッター」(簡易ブログ)で発信。世界各国の約25万人が愛読した。「『自分も行ける』と思えるよう、皆さんの目の代わりになった。携帯電話で宇宙と交信できる、SFを超えた夢の世界」と意義を語り、「今後も情報を出し続けたい」と話した。【山田大輔、ヒューストン(米テキサス州)吉富裕倫】

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