口蹄疫:宮崎県都城市で牛3頭が「疑い」 同市では初

2010年6月9日 21時51分 更新:6月10日 1時30分

宮崎県都城市の位置
宮崎県都城市の位置

 農林水産省と宮崎県は9日、都城市高崎町の肥育農家で、家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)特有の症状を示している牛3頭を確認し、感染疑いが強いと発表した。川南町など県央部を中心に2市(えびの市は既に終息)5町で確認されていた口蹄疫は、日本最大級の畜産地帯に飛び火した可能性が大きくなり、県は10日未明、肉牛250頭の全頭殺処分に着手した。

 9日、肉牛250頭を飼育している農家を診察した獣医師から、よだれを垂らしている牛がいると県に届け出があり、県が立ち入り検査。3頭に発熱や舌のただれなど口蹄疫特有の症状がみられ、農水省も写真で確認し、感染疑いが強いと判断した。県は検体を同日午後、動物衛生研究所(東京)に送った。遺伝子検査の結果は10日に判明する。

 また、発生地から半径10キロの移動制限、同10~20キロの搬出制限区域を設定する。

 4日施行された口蹄疫対策特措法は、まん延防止のため知事が必要と判断すれば一定地域での強制殺処分が可能。県は適用について、周辺に感染の広がりがないか確認した上で判断するとみられる。

 発生が集中している県央部の川南町から都城市高崎町までは直線距離で約60キロ。

 農水省の畜産統計(07年)によると、都城市は牛7万6010頭(飼養農家2676戸)▽豚37万6100頭(同194戸)と、県内の豚の約40%、牛の約25%が集中し、国内でも最大級の畜産都市。また、06年の肉用牛と豚の飼養頭数、飼養戸数が市町村別で全国トップだった。子牛は松阪牛(三重県)など銘柄牛の素牛として全国に出荷されている。【石田宗久】

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 山田正彦農相は「埋却地を確保できている。迅速な対応ができれば、えびの市のように清浄化できる」と述べた。【佐藤浩】

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