2010年6月9日 10時16分
【ワシントン斉藤信宏】8日の米ニューヨーク・マーカンタイル取引所の金先物相場は、欧州の財政不安に伴い世界経済が減速するとの懸念から、投資家のリスク回避の姿勢が強まり急伸。指標となる8月渡しは、前日終値比4.80ドル高の1オンス=1245.60ドルまで上昇して取引を終えた。5月中旬以来約1カ月ぶりの高値更新で、取引時間中にも一時、1254.50ドルをつけて取引途中の最高値を更新した。
市場では、欧州の財政危機がギリシャなどの南欧諸国から東欧諸国に拡大するとの観測が依然として強く、外国為替市場でユーロが売り込まれ、リスク資産からの資金流出が継続、安全資産の代表格である金先物が買われた。欧州情勢に好転の兆しが見られないため金相場の先高感が一段と強まっている。