2010年6月7日 21時17分 更新:6月7日 21時29分
毎日新聞が4、5日に実施した緊急世論調査で菅直人首相に「期待する」との回答が63%に上るなど、各種世論調査で新首相がおおむね好意的に評価されたことで、もともと「風」が頼りの新党は自民党以上にダメージを受けている。「第三極」として先行するみんなの党は支持率に頭打ち感が漂い、新党改革は「菅民主党」に秋波さえ送り始めた。【中田卓二、木下訓明】
みんなの党の渡辺喜美代表は7日、国会内で記者団に「『みんなの党でないとだめ』という人はまったく微動だにしてない」と強気に語った。だが、同党の支持率は、民主、自民両党に不満を持つ層が押し上げてきた側面は否めない。
実際、昨年11月以降順調に伸びた同党の支持率は今回8%で、5月調査の9%からわずかに後退。参院選比例代表の投票先としては10%の支持で、前回より4ポイント低下した。第三極を目指す他党と比べると依然高いものの、民主党復調のあおりを受けたのは明らかだ。
6日投開票された横浜市議泉区補選(改選数1)では、有力視された同党候補が民主党候補に約3500票差で敗れた。選挙中は渡辺氏も応援に入ったが、「首相交代の影響がなかったとは言えない」と認めざるを得なかった。
たちあがれ日本と新党改革は参院選の公認辞退者が出るなど選挙準備が難航。たちあがれ日本幹部は「今まで通り地道にやっていくしかない」と苦悩をにじませた。対照的に新党改革の舛添要一代表は民主党批判一辺倒を転換し、「政界再編の第一歩を踏む菅内閣にしてほしい。私の最大の戦う相手は小沢一郎(民主党前幹事長)さんだ」と「脱小沢」路線の菅首相にエールを送った。
一方、自民党を離党し無所属で活動する鳩山邦夫元総務相は7日昼、国民新党の亀井静香代表と東京都内の中華料理店で意見交換した。会合には鳩山氏に近い自民党の河井克行衆院議員も同席。鳩山氏は記者団に「(河井氏には)早く自民党を出ろと言っている。もう時期かもしれませんよ」と思わせぶりに語った。