(32)「イスラエルの核開発解読セミナー」(2010年開始)
(1)主催 桜井淳水戸事務所(代表 桜井 淳)
(2)実施概要 本論に入る前に、まず、イスラエルについての基礎的問題から入ります。
「イスラエル」という語は、「旧約聖書」に由来し、ヤコブがある者から授かった「神の勝者」の意味を有します(旧約聖書」の「創世記」32章24-29節「ペヌエルの格闘」)。語源はヘブライ語の「イシャラー(勝者)」と「エル(神)」からの合成語に由来しています。後に建国されたイスラエル王国(紀元前926年にイスラエル王国がイスラエル北王国とイスラエル南王国に分裂)に引き継がれ、1948年に建国されたイスラエル(現在、面積2万平方km、人口700万人、公用語ヘブライ語・アラブ語、宗教はユダヤ教76.1%・イスラム教16.2%・キリスト教2.1%)の国名の由来になっています。
(旧約聖書」の「創世記」32章24-29節「ペヌエルの格闘」。皆を導いて川を渡らせ、持ち物を渡してしまうと、ヤコブは独り後に残った。そのとき、何物かが夜明けまでヤコブと格闘した。ところが、その人はヤコブに勝てないとみて、ヤコブの腿の関節を打ったので、格闘しているうちに腿の関節がはずれた。「もう去らせてくれ。夜が明けてしまうから」とその人は言ったが、ヤコブは答えた。「いいえ、祝福してくださるまでは離しません。」「お前の名は何というのか」とその人が尋ね「ヤコブです」と答えると、その人は言った。「お前の名はもうヤコブではなく、これからはイスラエルと呼ばれる。お前は神と人と闘って勝ったのだから。」)
今日のパレスチナ問題は、アラブ人を中心としたパレスチナ人が住んでいた所にユダヤ人が入ってきたことに起因する政治問題です。世界のユダヤ人と米国がイスラエルを支援し、イスラム教圏内のエジプト・イラク・レバノン・サウジアラビア・シリア・ヨルダン等がパレスチナを支援しています。
パレスチナ問題の根源は英国国際政治に起因しています。と言うのは、歴史的に見れば、ローマ帝国からオスマントルコ帝国へ、その後、英国は、第一次世界大戦でオスマントルコ帝国からパレスチナを奪ったことにより、パレスチナは、英国の統括領だったためです。英国は、第一次世界大戦に勝利したら国家を持っていないユダヤ人の新国家を承認すると宣言したため、世界に散っていたユダヤ人は、パレスチナの土地を購入しました。
「旧約聖書」の「出エジプト記」に拠れば、ユダヤ人は、神との契約により、永遠の約束の地であるカナン(古代パレスチナの一部)を手にし、紆余曲折後、戦後、世界に散っていた人々が再びパレスチナの地に入りました。しかし、その問題をアラブ人からなるパレスチナ側から見れば、自身の住み慣れた母屋(パレスチナ)に他人が入り込んできて、かつての住人に対して、裏庭の小屋(ヨルダン川西岸とガザ地区)に出て行けと言われているに等しいのです。いまのイスラエル・パレスチナ問題は、歴史的には、「「出エジプト記」(正確にはモーセ五書「創世記」「出エジプト記」「レビ記」「民数記」「申命記」)まで遡らなければならない大変複雑な問題です。
ここから本論に入ります。
イスラエルの核生産施設はイスラエル南部に位置するネゲブ砂漠の中のディモナにあります。ディモナの仏国技術により建設された熱出力24MWプルトニウム生産炉(重水減速型重水冷却炉、天然ウラン燃料)は、1963年に運転を開始し、1977年から本格的なプルトニウム生産に入った。
あえて分類すれば、インドのヒンドゥー教の核、パキスタンのイスラームの核、イスラエルのユダヤ教の核、(もし実現すればイランのイスラーム教の核)となります。イスラエルとイランの核の位置づけが重大な意味を持ちます。神は自衛のための核を選択したのかという問題が浮上してきます。「旧約聖書」等の各聖典から生存と自衛の考え方の考察を行います。
イスラエルは、核を保有している強みから、自国の安全保障のために、1981年、F16戦闘機(MK-84爆弾2発搭載)からなる8機編成により、ヨルダンとサウジアラビアの領域侵犯してイラク西部から、イラクのバクダッド郊外に仏国技術によって建設中の完成真近のオシラク原子炉(仏語のオリシスとイラクの合成語、プルトニウム生産炉)を空爆破壊しました(「バビロン作戦」と命名、計16発の投下MK-84爆弾のうち14発が原子炉建屋に命中)。さらに、2007年にも北朝鮮技術によると推定されていたシリアの建設中の原子炉を空爆破壊しました(建物構造の類似性から北朝鮮との関係が疑われていただけで、決定的な証拠は見出されていませんでした)。それに対して、イラクとシリアは、核による報復攻撃を恐れ(桜井推定)、反撃しませんでした。
核保有国で核実験していないのはイスラエルだけです。イスラエルの核設計技術からすれば、核実験していなくても兵器としての信頼性に疑問が投げかけられるほどではありませんが、厳密な議論はできない状況であって、「未知の領域の核」と定義しておきましょう。
10:00-11:00 産業技術力
11:00-12:00 熱出力24MWプルトニウム生産炉(仏国から導入した重水炉)・再処理工場(仏国から導入した技術、年間プルトニウム抽出量約40kg、年間ウラン処理量推定十数t)
昼休みには偕楽園公園散歩
13:00-14:00 ディモナにあるプルトニウム生産炉で1977年からエンジニアとして働いていたモルガディ・バヌヌ氏(1988年にイスラエル国家機密漏洩罪で18年の懲役刑を言い渡された)による1986年にロンドンの「サンデー・タイムズ」に公表した証言内容
14:00-15:00 核設計能力及び核保有数(モルガディ・バヌヌ氏の証言に拠れば200個、核実験回数0回)
15:00-16:00 核搭載ミサイル配備数80機(「朝日新聞」2009.7.28付朝刊)
(米国2702機(1030回、初実験1945年)、ロシア4834機(715回、1949年)、英国160機(45回、年1952)、仏国300機(210回、1960年)、中国186機(45回、年1964)、インド60-70機(6回、1974年)、パキスタン60機(6回、1998年))(「朝日新聞」2009.7.28付朝刊、ただし初実験年は桜井が補足)
16:00-16:30 自由討論
(3)担当者 桜井 淳(物理学者、日本ユダヤ学会会員)
(4)配布資料 ①桜井「核設計メモ」(200字原稿用紙50枚相当)
(5)応募資格 イスラエルの核開発に興味を持っている者(原則としてM1以上、大学院生歓迎)
(6)定員 20名
(7)参加費 10000円(セミナー開催後、1ヵ月以内に指定口座に振り込み)
(33)「北朝鮮の核開発解読セミナー」(2010年開始)
(1)主催 桜井淳水戸事務所(代表 桜井 淳)
(2)実施概要 北朝鮮の原子力研究施設・性能、プルトニウム生産炉・再処理施設、核設計技術力、独自設計の商業用原子力発電所(黒鉛減速型炭酸ガス冷却炉、建設中段中)、核保有数の根拠について分析します。ヒラリー・クリントン国務長官は、2010年3月に開催された米国内での講演において、「米政府は何でも把握している、北朝鮮の核保有数が1-6個であることも」と示唆していましたが、桜井の炉物理理論と炉物理実験を基にした推定では5-6個です(2008年に韓国政府が発表した10個という数字は、安全保障上の保守的な評価結果と推定されます)。個数の相違は1個当たりのプルトニウム239量(正確な数字は未公表)を現実的にどのくらいに見積もるかに起因しています。
核の小型化の意味は、爆発力を小さくすることではなく、できるだけ大きな爆発力を維持して、ミサイル搭載条件の1t以下に軽量化することを意味しています。初期のごく普通の爆発力の場合、総重量は、プルトニウムの量(推定約8kg)で左右されるのではなくて、鉄容器や火薬の重量(推定約数t)で決まります。よって、軽量化とは、鉄容器や火薬の重量をミサイル搭載条件の1t以下にすることです。
北朝鮮の核についての確実な証拠は米国でも把握していません。日本での議論の内容は、マンハッタン計画時代の情報を基に、核の一般論に過ぎません。その意味では推定のレベルです。日本の議論では非常に基礎的な小型化の意味さえ理解できていません。
根拠は明確にされていませんが、核保有国とは、200個以上の核を保有している国のことです。そのため、北朝鮮は、国際的には正式に核保有国扱いされていません。
10:00-11:00 原子力研究施設・性能(臨界実験装置・熱出力5MWスイミングプール型研究炉等)
11:00-12:00 熱出力5MWプルトニウム生産炉(年間プルトニウム生産量約30kg)・再処理施設(年間ウラン処理能力約10t)
昼休みには偕楽園公園散歩
13:00-14:00 核設計技術力
14:00-15:00 独自設計の商業用原子力発電所(黒鉛減速型炭酸ガス冷却炉、建設中断中)
15:00-16:00 核保有数5-6個の推定根拠
16:00-16:30 自由討論
(3)担当者 桜井 淳(物理学者)
(4)配布資料 ①桜井「核設計メモ」(200字原稿用紙50枚相当)
(5)応募資格 北朝鮮の核開発に興味を持っている者(原則としてM1以上、大学院生歓迎)
(6)定員 20名
(7)参加費 10000円(セミナー開催後、1ヵ月以内に指定口座に振り込み)
(34)「イランの核開発解読セミナー」(2010年開始)
(1)主催 桜井淳水戸事務所(代表 桜井 淳)
(2)実施概要 イランは、米国や国際原子力機関の警告を無視して、濃縮ウラン型の核を開発中です。その技術力を解読します。
10:00-11:00 原子力研究施設
11:00-12:00 商業用ブシェール原子力発電所(ロシア型100万kW級加圧水型軽水炉VVER-1000、1基運転中、1基建設中)
昼休みには偕楽園公園散歩
13:00-14:00 遠心分離機約5000台による濃縮ウラン生産能力(日本原燃六ヶ所村ウラン濃縮施設の遠心分離機約25000台による微濃縮ウラン生産能力1050swut)
14:00-15:00 核設計技術力
15:00-16:00 ミサイル設計技術力(北朝鮮のノドンミサイルを基に設計、標的は核搭載ミサイルを80機配備しているイスラエルとされています)
16:00-16:30 自由討論
(3)担当者 桜井 淳(物理学者)
(4)配布資料 ①桜井「核設計メモ」(200字原稿用紙50枚相当)
(5)応募資格 イランの核開発に興味を持っている者(原則としてM1以上、大学院生歓迎)
(6)定員 20名
(7)参加費 10000円(セミナー開催後、1ヵ月以内に指定口座に振り込み)
(35)「鉄道事故・故障分析セミナー」(2010年開始)
(1)主催 桜井淳水戸事務所(代表 桜井 淳)
(2)実施概要
日本には学術的根拠を示した鉄道事故・故障分析の方法と分析結果はありません。主観的方法を排除し、工学理論と技術基準を基に、客観的な方法と分析結果(学会論文誌査読基準)を提示します。
これまでに聞き取り調査・討論した専門家(1988-、桜井淳の2冊の著書参照)
1)野村秋博(当時、JR東海取締役)
2)佐野守彦(当時、JR東海新幹線鉄道事業本部副本部長)
3)磯浦克敏(当時、JR東海新幹線鉄道事業本部施設部長)
4)副島広海(当時、JR東海取締役・新幹線鉄道事業本部長)
5)松田和久(当時、JR東海取締役・総合企画本部)
6)木俣政孝(当時、JR東海技術本部主管)
7)森村勉(当時、JR東海新幹線鉄道事業本部車両部長)
8)その他(当時、JR東海技術系社員・JR東日本技術系社員十数名)
これまで調査した施設等(1988-)
1)1992年にJR東日本上越新幹線の上野駅発-越後湯沢駅着の運転席での運転士の操作の観察(運転課長同席)
(前を走行する新幹線との閉塞区間数で決定される速度信号により自動的に速度変更され(速度を上げる信号の時もあれば、下げる場合も)、運転士はつぎの駅で停車する際、自動ブレーキを解除して所定乗降口の停車位置まで手動で低速微調整運転をしますが、その時の自動運転と手動運転の距離差は、わずか、30mくらいです。新幹線は、途中で特に異常事象でも発生しない限り、ふたつの駅の間では、自動運転に近い条件で運行されており、運転士はほとんど何もしていませんでした。)
2)1993年にJR東日本東北新幹線の仙台駅-郡山駅間での深夜の新型新幹線STAR21の往復試験運転同乗(各車両内試験・運転席操作等の観察)
3)JR東日本新幹線車両所
4)JR東日本仙台新幹線基地
5)JR東海及びJR東日本の新幹線の各地域運転所
6)欧米ロ中の鉄道
7)その他
最近の日本の在来線・地下鉄の主な事故
1)営団地下鉄日比谷線脱線事故(2000)
2)JR西日本尼崎脱線転覆事故(2005)
3)JR東日本羽越線脱線転覆事故(2005)
世界の通常走行時新幹線脱線事故例6例(日本1例)
1)独新幹線ICE車輪損傷による脱線転覆事故(1998、死者101名、直線軌道)
2)JR東日本上越新幹線新潟県中越地震による脱線事故(2004、死者なし、直線軌道)
3)台湾新幹線地震による脱線事故(2010、死者なし、直線軌道)
4)仏新幹線脱線事故3回(1992年車輪トラブル、1993年降雨による軌道陥没、2000年部品落下による台車破損、死者なし、直線軌道)
(上例からは、曲線軌道でのデータが得られないため、いかなる場合でも、致命的な事故につながらないと結論づけることはできませんでした。東海道新幹線は、高い確率で近い将来発生が予測されている東海地震において、世界で最も深刻な安全問題を抱えています。特に、曲線軌道を走行中であれば、地震対策システムによる送電停止・緊急ブレーキでもガードレールの効かない横転型脱線転覆の可能性があります。)
初級コース(1日目、鉄道技術基礎論。事実関係は主に聞き取り調査と国鉄技術研究所編「(学術論文集)高速鉄道の研究」、住田正人「鉄路に夢を乗せて」(東洋経済新報社)、柳田邦男「新幹線事故」(中公新書)、桜井「崩壊する巨大システム」(時事通信社)、桜井「新幹線「安全神話」が壊れる日」(講談社)、桜井「新幹線が危ない!」(健友社)、安田浩一「レールが危ない」(桜井分担執筆)(金曜日)を基に独自分析)
10:00-11:00 世界の鉄道網及び高速化(新規新幹線計画含む)
11:00-12:00 鉄道事故故障率・安全性国際比較
昼休みには偕楽園公園散歩
13:00-14:00 車両(構造設計、電力変換系、動力伝達系)
14:00-15:00 軌道(バラスト、スラブ)、架線(たとえば、東海道新幹線は60Hzで25000V)(点検・保守の技術基準含む)
15:00-16:00 ATS(Automatic Train Stop)、ATC(Automatic Train Control)、CTC(Centralized Traffic Control)、ATO(Automatic Train Operation)システム
16:00-16:30 自由討論
中級コース(2日目、日本の過去140年間(1872年9月12日以降)の事故・故障分析。住田正人「鉄路に夢を乗せて」(東洋経済新報社)、柳田邦男「新幹線事故」、桜井「新幹線「安全神話」が壊れる日」、桜井「新幹線が危ない!」、安田浩一「レールが危ない」(桜井分担執筆)の結果を参考に独自分析)
10:00-11:00 日本の過去140年間の事故故障分析Ⅰ (独自な方法と工学的解釈)
11:00-12:00 日本の過去140年間の事故故障分析Ⅱ(独自な方法と工学的解釈)
13:00-14:00 最近の事故故障分析Ⅰ(特に1988年以降の世界・日本の在来線・地下鉄)
14:00-15:00 最近の事故故障分析Ⅱ(特に1988年以降の日本の新幹線)
15:00-16:00 最近の事故故障分析Ⅲ(特に1988年以降の世界の新幹線)
16:00-16:30 自由討論
上級コース(3日目、鉄道技術の課題。桜井「新幹線「安全神話」が壊れる日」、桜井「新幹線が危ない!」)を基に論理化)
10:00-11:00 1988年以降22年間にわたるJR東海・JR西日本・JR東日本との安全論争の論点
11:00-12:00 高速化
13:00-14:00 軽量化(航空機のような車体構造設計STAR21の脆弱性)
(在来線を含め、一般論としての問題点は、鉄製車体をアルミニウム製やステンレススチール製にしたことではなく、重量を約半分にして、約20-25tにしたことによる構造設計上の脆弱性)
14:00-15:00 脱線対策(安全対策になっていない未熟な安全対策)
15:00-16:00 磁気浮上式鉄道の安全性と経済性(東海道新幹線よりも数百円から1000円高い原因)
16:00-16:30 自由討論
(3)担当者 桜井 淳(元原子力安全解析所副主任解析員)
(4)配布資料 桜井「鉄道事故・故障分析の方法」
(5)応募資格 鉄道安全性に興味を持っている者(原則としてM1以上、大学院生歓迎)
(6)定員 20名
(7)参加費 30000円(セミナー開催後、1ヵ月以内に指定口座に振り込み)