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発明の名称 選挙端末装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−180708
公開日 平成6年(1994)6月28日
出願番号 特願平4−331951
出願日 平成4年(1992)12月11日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 宮川 隆義 / 上田 国生 / 石川 勝敏 / 土田 孝行 / 下島 尚子 / 三浦 佳之
要約 目的
投票所の受付け業務を自動化できるようにし、受付け業務の効率化を図る。

構成
投票所入場券100に記された有権者名等の情報が入場券読取り装置1によって読み取られ、その読み取り結果が計算機本体4によって有権者データベース記憶装置6の有権者名簿と照合されることによって有権者の正当性の有無が自動判別される。そして、照合によって正当な有権者であると判別されると、投票用紙発行機8から投票用紙200が、あるいは投票端末操作用IDカード発行機9からIDカード300が発行される。このため、従来のような人手による有権者名簿の検索作業や、投票カードを有権者に手渡す作業が不要になり、受付け業務の自動化を図ることができる。さらに、不適格な有権者については投票カードが発行されないので、不正投票を防止することも可能となる。
特許請求の範囲
【請求項1】 投票所入場葉書に記された有権者情報を読み取る読み取り手段と、有権者名簿を記憶する記憶手段と、前記読み取り手段の読み取り結果と前記記憶手段の有権者名簿とを照合して前記投票所入場葉書に記された有権者の正当性の有無を判別する照合手段と、この照合手段によって正当な有権者であることが判別された際、投票カードを発行する投票カード発行手段とを具備することを特徴とする選挙端末装置。
【請求項2】 前記読み取り手段は、前記投票所入場葉書に記された有権者氏名または有権者識別番号を示す文字を光学的に読み取る光学的文字認識装置を含むことを特徴とする請求項1記載の選挙端末装置。
【請求項3】 前記読み取り手段は、前記投票所入場葉書に記された有権者氏名または有権者識別番号を示すバーコードを光学的に読み取るバーコード読取り装置を含むことを特徴とする請求項1記載の選挙端末装置。
【請求項4】 前記有権者名簿情報には、各有権者名毎に投票済みか否かを示す識別情報が含まれていることを特徴とする請求項1記載の選挙端末装置。
【請求項5】 前記照合手段は、前記有権者名簿情報を検索して前記読取り結果と一致する有権者名を検出する手段と、この検出した有権者名に対応した前記識別情報を投票済みに書き替える手段とを具備することを特徴とする請求項4記載の選挙端末装置。
【請求項6】 前記投票カードは、有権者が立候補者名を記入するための投票用紙であることを特徴とする請求項1記載の選挙端末装置。
【請求項7】 前記投票カードは、有権者が立候補者名をデータ入力する投票端末装置を操作するためのトークンであることを特徴とする請求項1記載の選挙端末装置。
【請求項8】 キー操作によって有権者氏名または有権者識別番号を入力するキー入力手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の選挙端末装置。
【請求項9】 選挙端末本体と、この選挙端末本体に設けられた葉書挿入口および投票カード発行口と、前記葉書挿入口に挿入された投票所入場葉書を入力し、その投票所入場葉書に記された有権者情報を読み取る読み取り手段と、有権者名簿を記憶する記憶手段と、前記読み取り手段の読み取り結果と前記記憶手段の有権者名簿とを照合して、前記投票所入場葉書に記された有権者の正当性の有無を判別する照合手段と、この照合手段によって正当な有権者であることが判別された際、投票カードを前記投票カード発行口から外部に排出する投票カード発行手段とを具備することを特徴とする選挙端末装置。
【請求項10】 有権者情報を保持する選挙用カードと、この選挙用カードにアクセスして有権者情報を読み取るカードアクセス手段と、有権者名簿を記憶する記憶手段と、前記カードアクセス手段の読取り結果と前記記憶手段の有権者名簿を照合して前記選挙用カードに保持された有権者の正当性の有無を判別する照合手段と、この照合手段によって正当な有権者であることが判別された際、投票カードを発行する投票カード発行手段とを具備することを特徴とする選挙端末装置。
【請求項11】 前記有権者情報には、その有権者が受付済みか否かを示す識別情報が含まれていることを特徴とする請求項10記載の選挙端末装置。
【請求項12】 前記照合手段は、前記記憶手段に記憶された前記有権者名簿を検索して前記読取り結果と一致する有権者を検出する手段と、この検出した有権者に対応した前記有権者名簿および前記選挙用カードに対して受付済みを示す識別情報を書き込む手段とを具備することを特徴とする請求項11記載の選挙端末装置。
【請求項13】 前記投票カードは、有権者が立候補者名を記入するための投票用紙であることを特徴とする請求項10記載の選挙端末装置。
【請求項14】 前記投票カードは、有権者が立候補者名をデータ入力する投票端末装置を操作するためのトークンであることを特徴とする請求項10記載の選挙端末装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は選挙の投票に使用される選挙端末装置に関し、特に投票所の受付け業務の自動化に適した選挙端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、国会議員、都道府県の知事、同議員、市町村長、及び同議員等の選挙では、公職選挙法に基づき、地方自治体から有権者に投票所入場券となる葉書が郵送され、有権者は投票所にそれを持参し、選挙人名簿との照合により本人であることの確認を受ける。そして、投票用紙が渡されると、その投票用紙に立候補者の氏名を記入して、投票箱に投函して投票が行われる。同時に複数の選挙が行われる際には複数の投票用紙が配られ、立候補者の氏名を記入して、それぞれの投票箱に投函して投票が行われる。その後、投票箱は体育館等の施設に集められ、人海戦術により開票作業が行われ、投票結果が集計されていた。
【0003】このように、従来の選挙投票では、受付け業務、投票行為、集計作業等においてOA化が進んでおらず集計に時間が費やされていた。特に、投票所の受付け業務においては、人手によって次のような繁雑な作業が必要とされた。
【0004】すなわち、投票所の受付けにおいては、有権者が持参した投票所入場葉書を係員に渡し、その葉書に書かれた有権者の住所、氏名等を下に有権者名簿からその有権者が記載されているページを係員が人力によって検索し、受付け完了を示すチェックをいれ、投票用紙を渡していた。
【0005】従来では、このような受付け業務は、投票所入場葉書を読み上げる係員、有権者名簿を検索する係員、さらには投票用紙を手渡す係員等を含む多くの係員によって行われていた。
【0006】この場合、特に有権者名簿の検索などに時間がかかると共に、係員のチェックミスが発生する危険性も高かった。さらに、有権者数の多い投票所においては、有権者名簿を複数に分割して複数の係員が対応するため、人員の確保や人件費の面でも問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来では、投票所の受付け業務、投票行為、集計作業等においてOA化が進んでおらず、特に受付け業務における有権者の正当性チェックに多くの人手と時間が要される欠点があった。
【0008】この発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、投票所の受付け業務を自動化できるようにして受付け業務の効率化を図ると共に、十分に信頼性の高い受付け業務を行なうことができる選挙端末装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】この発明による選挙端末装置は、投票所入場葉書に記された有権者情報を読み取る読み取り手段と、有権者名簿を記憶する記憶手段と、前記読み取り手段の読み取り結果と前記記憶手段の有権者名簿とを照合して前記投票所入場葉書に記された有権者の正当性の有無を判別する照合手段と、この照合手段によって正当な有権者であることが判別された際、投票カードを発行する投票カード発行手段とを具備することを特徴とする。
【0010】この選挙端末装置においては、投票所入場葉書の有権者情報が読み取り手段によって読み取られ、その読み取り結果が有権者名簿情報と照合されることによって有権者の正当性の有無が自動判別される。そして、照合によって正当な有権者であると判別されると、投票カード発行手段によって自動的に投票カードが発行される。このため、従来のような人手による有権者名簿の検索作業や、投票カードを有権者に手渡す作業が不要になり、受付け業務の自動化を図ることができる。さらに、不適格な有権者については投票カードが発行されないので、不正投票を防止することも可能となる。したがって、この選挙端末装置を利用することによって、有権者本人が選挙端末装置に投票所入場葉書を入力し、その選挙端末装置から発行された投票カードを有権者本人が受けとるという投票所受付けの無人化機構を実現することが可能となる。
【0011】また、読取り手段としては、バーコード読取装置や光学的文字認識装置を使用することができる。光学的文字認識装置を使用した場合には、投票所入場葉書にバーコード等の特別な識別コードを付与しなくても既存の投票所入場葉書をそのまま利用することができる。さらに、葉書の汚れ等によってこれら読取装置による読取りが不能な場合には、キー入力手段を用いて有権者名をキー入力することも可能である。
【0012】また、この発明による選挙端末装置は、有権者情報を保持する選挙用カードと、この選挙用カードにアクセスして有権者情報を読み取るカードアクセス手段と、有権者名簿を記憶する記憶手段と、前記カードアクセス手段の読取り結果と前記記憶手段の有権者名簿を照合して前記選挙用カードに保持された有権者の正当性の有無を判別する照合手段と、この照合手段によって正当な有権者であることが判別された際、投票カードを発行する投票カード発行手段とを具備することを第2の特徴とする。
【0013】この選挙端末装置においては、選挙用カードの有権者情報をカードアクセス手段によって読取り、その読取り結果を有権者名簿情報と照合することによって有権者の正当性の有無が自動判別される。そして、照合によって正当な有権者であると判別されると、投票カード発行手段によって自動的に投票カードが発行される。さらに、受付を済ませると受付済みの識別情報が、選挙用カードおよび有権者名簿に登録されるので、二重投票などの不正投票を行なおうとしても、受付時点で容易に発見でき不正投票を未然に防止することができる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
【0015】図1にはこの発明の一実施例に係わる選挙端末装置の構成が示されている。この選挙端末装置は、投票所の受付端末として利用されるものであり、投票所入場券の読み取り、有権者名簿との照合、投票カードの発行といった一連の投票所の受付処理を自動実行するように構成されている。ここで、投票所入場券とは、投票所入場ハガキ、あるいはICカードや磁気カード等のIDカードである。
【0016】この選挙端末装置は、投票所入場券読取り装置1、入場券回収箱2、読取り不能入場券回収箱3、計算機本体4、表示パネル5、有権者データベース記憶装置6、監視用端末7、投票用紙発行機8、および投票端末操作用IDカード発行器9から構成されている。
【0017】入場券読取り装置1は、投票所入場券100に書かれた有権者氏名、住所、有権者識別番号等の有権者情報を読み取るためのものである。投票所入場券100としてハガキを用いる場合には、入場券読取り装置1は光学的文字認識装置(OCR)やバコードリーダ等から構成され、投票所入場ハガキに書かれた有権者氏名や有権者識別番号等の文字は文字認識装置(OCR)によって読取り、また投票所入場ハガキ100に付与された有権者識別番号等を示すバーコードはバーコードリーダによって読み取る。また、投票所入場券100としてIDカードを用いる場合には、入場券読取り装置1はカードリーダ等によって構成される。
【0018】入場券読取り装置1の読取り結果は、有権者コードとして計算機本体4に送られる。
【0019】入場券回収箱2は、読み取り済みの投票所入場券100を回収するためのものである。読取り不能入場券回収箱3は、入場券読取り装置1によって読み取ることができなかった投票所入場券100を回収するためのものである。このような読取り不能は、例えば、投票所入場券100の汚れやキズ等によって発生する。
【0020】計算機本体4は、例えばノートブックタイプのポータブルコンピュータによって実現されるものであり、有権者データべ−スの検索処理や、投票カードの発行制御等を実行する。また、計算機本体4は、各種操作ガイダンスを表示パネル5に表示する。操作ガイダンスには、有権者に対して投票所入場券の挿入や投票カードの受け取りを指示するメッセージや、操作員の呼び出しを指示するメッセーシ等がある。
【0021】有権者データベース記憶装置6は例えば磁気ディスク装置等の記憶装置であり、この有権者データベース記憶装置6には、有権者名簿がデータベース化されて記憶されている。有権者名簿には、該当する選挙区の各有権者の個人情報(住所、氏名、生年月日など)の他、投票済みであるか否かを各有権者毎に表す識別情報が含まれている。
【0022】監視用端末7は投票所の係員等によって操作されるものであり、この受付端末装置の動作監視を行なう。この監視用端末7にはディスプレイやキーボードが設けられており、そのディスプレイには受付端末装置の動作状況を示す各種メッセージが表示される。また、監視用端末7のキーボードは、係員がコマンドやデータなどを入力する際に使用する。入場券の読取り不能等が発生した場合には、このキーボードを使って有権者名等を入力することができる。
【0023】投票用紙発行機8は、投票所入場券100に記された有権者名が適格であることが計算機本体4によって判別された際に、その計算機本体4の制御の下に投票用紙200を発行する。この投票用紙200は、従来の選挙同様、有権者本人が立候補者名を記入するための用紙として使用されるものである。
【0024】投票端末操作用IDカード発行機9は、投票所入場ハガキ100に記された有権者名が適格であることが計算機本体4によって判別された際に、その計算機本体4の制御の下にIDカード300を発行する。このIDカード300は、投票端末装置を使用して投票を行なう場合に、その投票端末装置の操作を許可するためのトークンであり、例えば、磁気ストライプカード、無線カード等を利用することができる。また、投票端末装置としては、例えばペン入力型のポータブルコンピュータを利用することが好ましい。
【0025】投票用紙発行機8と投票端末操作用IDカード発行機9は、投票端末装置を使用するか否かによって択一的に使用されるものである。
【0026】このように構成された受付端末装置においては、投票所入場券100の有権者名等の情報が入場券読取り装置1によって読み取られ、その読み取り結果が計算機本体4によって有権者データベース記憶装置6の有権者名簿と照合されることによって有権者の正当性の有無が自動判別される。そして、照合によって正当な有権者であると判別されると、投票用紙発行機8から投票用紙200が、あるいは投票端末操作用IDカード発行機9からIDカード300が発行される。
【0027】このため、従来のような人手による有権者名簿の検索作業や、投票カードを有権者に手渡す作業が不要になり、受付け業務の自動化を図ることができる。さらに、不適格な有権者については投票カードが発行されないので、不正投票を防止することも可能となる。したがって、この受付端末装置を利用することによって、有権者本人が選挙端末装置に投票所入場券100を入力し、その受付端末装置から発行された投票用紙200またはIDカード400を有権者本人が受けとるという投票所受付けの無人化機構を実現することが可能となる。
【0028】また、入場券100として投票所入場ハガキを使用した場合は、入場券読取り装置1としてはバーコード読取装置や光学的文字認識装置によって構成されるが、光学的文字認識装置を使用すると、投票所入場ハガキ100にバーコード等の特別な識別コードを付与しなくても既存の投票所入場葉書をそのまま利用することができる。さらに、ハガキの汚れ等によって読取不能な場合には、監視端末7のキーボードから有権者名等を入力し、それを読取り結果の代用として照合処理に利用することができる。
【0029】次に、図2乃至図3を参照して、図1の受付端末を実現するための具体的な構造の一例を説明する。ここでは、第1実施例として、入場券100が投票所入場ハガキである場合を例示する。
【0030】この受付端末は、図1の構成を1つの筐体Aに収容した構造を持ち、その表面側には図2に示されているように第1の表示手段30、入場券投入口50、および投票カード排出口70が配設されている。また、筐体Aの裏面側には、図3に示されているように第2の表示手段80、および入力手段90が配設されている。
【0031】第1の表示手段30は図1の表示パネル4に対応するものであり、例えばLCDによって実現されている。この第1の表示手段30は、有権者に対して種々のメッセージを提示する役割を持つ。入場券投入口50には、有権者が持参した投票所入場ハガキが挿入される。投票カード排出口70からは、入場券投入口50から挿入した投票所入場ハガキに記されている有権者が正規の有権者であると確認された場合に投票カードが排出される。この投票カードは、投票用紙、またはIDカードである。このIDカードは、この受付け端末とは別に投票所内に設けられている投票端末を起動し、投票行為を行なう際に必要となるトークンである。
【0032】第2の表示手段80は図1の監視用端末7に設けられているディスプレイに対応するものであり、例えばLCDによって実現されている。この第2の表示手段80は、第1の表示手段30と異なり、主に係員向けのメッセージなどを表示する役割を持つ。入力手段90は図1の監視用端末7に設けられているキーボードに対応するものであり、係員がコマンドやデータなどを入力する際に使用する。
【0033】図3には、この受付端末装置の筐体A内の内部構造が示されている。
【0034】制御手段10は、図1の計算機本体4の主要部に対応するものであり、CPUやメモリ、周辺回路などから構成されている。この制御手段10は、筐体A内の他の周辺装置の制御や、前述した有権者照合処理を初めとするソフトウェアの実行などを行なう。
【0035】記憶手段20は図1の有権者データベース記憶装置6に相当するものであり、例えばハードディスクによって実現されている。この記憶手段20の内部には、種々のデータやソフトウェアが記憶されており、その中には有権者名簿データベース21を含む。有権者名簿データベース21は、前述したように有権者名簿を検索しやすいようにデータベース化したものであり、有権者の各種個人情報(住所、氏名、生年月日など)の他、投票済みであるか否かを表すフラグなどを持つ。
【0036】光学読取り手段40はOCRやバーコード等の光学的読取り装置であり、図1の入場券読取装置1に相当する。この光学読取り手段40は、有権者の持参したハガキに記載されている有権者情報を、光学的に読み取る際に使用する。
【0037】ローラ51は、挿入された読取り不能ハガキを外部に再排出したり、読取り済みのハガキを入場券回収箱53に回収したりする際に使用される。入場券回収箱53は図1の入場券回収箱2に相当するものであるが、入場券回収箱53の領域を2分して、図1の読取り不能入場券回収箱3の機能を持たせることもできる。この場合には、ローラ51は、読取り不能入場券を外部に再排出することなく、それを入場券回収箱53の読取り不能入場券回収用領域に搬入する。このローラ51の制御は、制御手段10の制御の下でローラコントローラ52によって行なわれる。
【0038】磁気ライタ60は、投票カードとして投票端末操作用の磁気ストライプカード等を使用する際に、そのカードを外部に排出する前に、必要に応じてそのカード上に種々のデータを書き込むために使用される。これにより、例えば、投票カード保管箱73には全く情報の書き込まれてない生の磁気ストライプカードをいれておき、カード発行時に磁気ライタ60でこれが投票カードである旨の情報を書き込むことにより、初めて投票カードとして使用できるようにする、などといった運用を実現することができる。
【0039】ローラ71は投票カード保管箱73に保管されている投票カードを投票カード排出口70から外部に排出するためのものであり、このローラ71は、制御手段10からのコマンドを受けたローラコントローラ72によって動作制御される。投票カード保管箱73は、複数の投票カードをスタックしておくためのものである。
【0040】磁気ライタ60、ローラ71、および投票カード保管箱73は、図1の投票端末操作用IDカード発行機9を実現するためのものであるが、同様にして、図1の投票用紙発行機8を実現することもできる。この場合、投票カード保管箱73には投票用紙となる紙をスタックすると共に、磁気ライタ60の代わりにプリンタ等を設け、投票用紙発行時に必要な情報をそのプリンタによって印刷するといった形態を実現できる。もちろん、予め印刷された投票用紙をスタックしておき、それをそのまま排出しても良い。
【0041】次に、この受付端末装置の動作を説明する。
【0042】図5は、受付端末装置の全体の動作処理の流れを示すフローチャートである。
【0043】受付け処理は、図示のように、投票所入場券チェック処理(ステップS1)、有権者データベースチェック処理(ステップS2)、および終了処理(ステップS3)から構成される。以下、これら3つの処理それぞれの詳細を図6〜図8を参照して説明する。
【0044】図6は、図5のステップS1に対応する投票所入場券チェック処理の動作を示すフローチャートである。
【0045】この投票所入場券チェック処理においては、まず、図9(a)に示されているように、「投票入場券を投入口にお入れ下さい。」のメッセージ画面Aが、第1の表示手段30に表示される(ステップS11)。来場した有権者は、第1の表示手段30に示されたメッセージに従い、持参した投票所入場ハガキ100を入場券投入口50より挿入する。
【0046】投票所入場ハガキ100には、通常の文字や数字などのキャラクタ、あるいはバーコードにより、その有権者を特定できる有権者情報(有権者氏名、住所、有権者識別(整理)番号など)が予め記載されている。この投票所入場ハガキ100が入場券投入口50より挿入されると、ローラ51によってそのハガキ100が光学読取り手段40によって読取り可能な位置に搬入される(ステップS11)。
【0047】次いで、光学読取り手段40によって投票所入場ハガキ100上の有権者情報が読み取られ(ステップS13)、読取りに成功すると(ステップS14)、有権者データベースチェック処理に移行する。
【0048】一方、例えば正規のハガキでない、あるいはハガキが汚れている等の理由で読み取り試行が失敗すると(ステップS14)、そのハガキがローラ51によって入場券投入口50から再排出されると共に、図9(b)に示されているように、「入場券が読み取れません。係員をお呼び下さい。」のメッセージ画面Bが、第1の表示手段30に表示される(ステップS15)。また、この時、第2の表示手段80には、係員に有権者情報をキーボード90から入力することを促すために、図9(c)に示されているように、「有権者情報の読取りに失敗しました。キーボードから有権者の氏名を入力してください。」のメッセージと有権者名入力ウンドを含む画面Cが表示される(ステップS16)。
【0049】係員は、排出されたハガキに記載されている氏名、住所等を有権者本人に確認した後、キーボード90から有権者氏名や有権者識別番号等の有権者情報を入力する(ステップS17)。そして、有権者データベースチェック処理に移行する。
【0050】図7は、図5のステップS2に対応する有権者データベースチェック処理の動作を示すフローチャートである。
【0051】この有権者データベースチェック処理においては、まず、制御手段10は、入力された有権者情報を、有権者データベース21の中から検索する(ステップS21)。該当する有権者情報が有権者データベース21の中から発見できない場合には、有権者として登録されてないことを通知するために、図9(d)に示されているように、「この入場券の有権者名(または、有権者識別番号)は名簿に登録されておりません。係員をお呼び下さい。」のメッセージ画面Dが、第1の表示手段30に表示される(ステップS23)。そして、そのハガキがローラ51によって入場券投入口50から再排出されて有権者に返却され他の後に処理が終了される(ステップS24)。
【0052】一方、該当する有権者情報が有権者データベース21の中から発見できた場合には(ステップS22)、その有権者が未投票であるか否かが有権者データベース21のチェック用フラグを参照することによって判断される(ステップS25)。もし、未投票であれば、有権者データベース21のチェック用フラグを投票済みに書き替え(ステップS28)、次の終了処理に移行する。
【0053】また、既に投票済みのチェックがなされていれば、投票済みであることを有権者に通知するために、図9(e)に示されているように、「この入場券に記載の有権者は既に投票を済ませています。」のメッセージ画面Eが、第1の表示手段30に表示される(ステップS26)。そして、そのハガキがローラ51によってハガキ投入口50から再排出されて有権者に返却された後に処理が終了される(ステップS27)。
【0054】図8は、図5のステップS3に対応する終了処理の動作を示すフローチャートである。
【0055】有権者データベースチェック処理において有権者の正当性が確認されると、まず、ハガキがローラ51によって入場券回収箱53に回収される(ステップS31)。次に、投票端末操作用IDカード300を有権者に対して発行する(ステップS32)。IDカード300は、投票カード保管箱73の中に予め多数保管されている。制御手段10からのコマンドを受けたローラコントローラ72がローラ71を回転させることにより、1枚のIDカード300が投票カード排出口70から外部に排出される。また、必要に応じて、カード排出前に磁気ライタ60を用いてIDカード300上に種々の情報を磁気的に記録することもできる。
【0056】これにより、例えば、投票カード保管箱73には全く情報の書き込まれてない生の磁気ストライプカードをいれておき、カード発行時に磁気ライタ60でこれが投票カードである旨の情報を書き込むことにより、初めて投票カードとして使用できるようにする、などといった運用を実現することができる。
【0057】次いで、図9(f)に示されているように、「確認は終了しました。投票カードを取って投票端末へお進みください。」のメッセージ画面Fが、第1の表示手段30に表示され、処理を終了する(ステップS33)。
【0058】以上のように、この第1実施例の構造では、ハガキ読取り、有権者名簿との照合、投票カードの発行という一連の受付け処理が1つの筐体内で自動実行できるようになり、受付けの無人化を実現することができる。
【0059】次に、第2実施例として、入場券100がIDカードである場合の受付端末装置を説明する。
【0060】図10には、入場券100がIDカードである場合に対応した受付端末装置の筐体Aの内部構造が示されている。
【0061】この受付端末装置では、IDカード読取り・書き込み手段40´によってIDカードからの有権者情報の読み取り、およびIDカードへの受付済み情報を書き込みが行なわれ、受付済みのIDカードは回収されずに、ローラ51によってIDカード挿入口50´から排出されて有権者に返却される。
【0062】この第2実施例の受付端末装置を使用すると、次のような選挙形態を実現することができる。
【0063】例えば、ある期間内に行われている全ての選挙において共通に使用できる磁気カードやICカード等の有権者IDカードを予め全有権者に配布しておき、そのカード内に有権者情報を書き込んでおき、それを持って受付け処理を行なうことができる。受付け処理終了時には、投票カードと共にその有権者IDカードが有権者に返却される。
【0064】このように、有権者IDカードを受付処理に用いる場合には、投票済みという情報を有権者データベース21にのみ書き込むのではなく、前述したように、IDカード読取り・書き込み手段40´によって、有権者IDカード自体にも投票済み情報を書き込むことが好ましい。これにより、有権者IDカードと有権者データベース21の双方を利用した2重の再投票チェックが可能になり、不正防止に大きく寄与することができる。
【0065】なお、有権者IDカードは複数回の選挙に同じものを繰り返し使用することを前提としているので、投票済み情報を書き込める領域は、1枚のカードに複数確保しておく必要がある。この場合、IDカードは、ある期間内に行われている全ての選挙において共通に使用することができる。また、有権者IDカードを使用した場合には、有権者IDカードを、そのまま、投票端末操作用のトークンとして利用することも可能となる。
【0066】尚、以上の説明においては、投票所入場ハガキに印刷された文字やバーコードなどを光学的に読み取る場合を想定したが、これは他の手法によって実現しても良い。例えば、ハガキに磁気的にデータを書き込んでおき、それを磁気カードリーダで読み取っても良い。また、ハガキにパンチ穴などを空けておき、それをパンチカードリーダで読み取っても良い。もちろん、これらの場合、光学読取り手段40は、その手法に合わせた手段で代替する必要がある。
【0067】また、ここでは、ハガキまたはIDカードによる有権者情報の入力に失敗した場合、係員がキーボード90で入力することを想定しているが、これは他の方法によっても良い。例えばマウスやトラックボールなどのポインティングデバイスを用いても良いし、タブレット等の座標検出装置と一体の表示装置を用いてスタイランペンによってペン入力しても良い。また、音声認識技術などを用いて、音声入力にしても良い。もちろんこれらの場合、キーボード90は、その手法にあった入力手段で代替する必要がある。
【0068】また、ハガキやIDカードに記載される有権者識別番号は、その人物を特定できる情報であれば良く、例えば、全ての有権者に割り振った固有の番号でも良いし、住所や氏名をコード化した番号であっても良い。
【0069】また、ここでは、まず有権者がハガキまたはIDカードを受付け端末内に挿入することによって全ての処理が起動されるようにしたが、その様な入場券を持参するのを忘れた有権者などに対応するために、他の起動手段を設けても良い。例えば、係員がキーボード90から特定のコマンドを入力することによって初めてハガキの読取りが開始されるようにすることができる。また、自動車運転免許証や保険証等の身分証明書をOCR等によって自動的に読み取る手段をさらに設けておいても良い。
【0070】有権者データベース21は、必ずしも受付端末内に持つ必要はない。有線または無線で何らかの通信手段さえ持たせれば、受付端末外部にデータベースが存在しても、アクセスは可能である。このような構成にすると、一つの有権者データベースを複数の受付端末からアクセスすることができ、種々の利点が生じる。例えば、同一投票所内に複数の受付端末を設置して受付け待ち時間を減らしたり、あるいは選挙区内の全ての有権者をカバーした有権者データベースを容易しておいて全てそこにアクセスが行くようにすれば、有権者は選挙区内のどの投票所でも受付けができるようになる。
【0071】また、この実施例では、投票端末を起動するための操作用トークンとして磁気ストライプカードを想定しているが、これは他の種類のトークンでも良い。例えば、これがトークンであるということが、光学的に識別できるようなパターンが印刷されているカードであっても良い。もちろんこの場合、磁気ライタ60は、そのトークンの性質にあった書き込み装置に代替する必要がある。
【0072】また、ここでは、日本における現行の選挙制度を意識して、予め全有権者に投票所入場ハガキを郵送することを想定しているが、これは必ずしもハガキである必要はない。例えば、有権者情報を書き込んだ単なる受付用カードを封書で送るなどの方法や、第2実施例のように、IDカードを配布しても良い。
【0073】また、図2および図3の受付端末の外観図では、係員用の表示手段80とキーボード90を端末に裏面に設けているが、これらは端末本体から離れた場所に独立して設けて、有線あるいは無線の通信手段で端末本体と結ばれるという構成にしても良い。このようにすると、係員は、離れた場所や別室などで表示手段80を見ながら待機することができる。なお、表示手段80のみを本体から独立させ、キーボード90は本体側に残しておいても良い。
【0074】また、ここでは、有権者データベースに投票済みというチェックを書き込むだけであったが、このとき、必要に応じて他の情報を書き込んでも構わない。例えば、受付け時刻などが考えられる。
【0075】また、ハガキとIDカードを併用できるように構成することもできる。この場合、ハガキ投入口とIDカード投入口の2つの入場券投入口を設けることが好ましい。
【0076】
【発明の効果】以上詳記したようにこの発明によれば、投票所の受付処理を自動化できるようになり、迅速でしかも十分に信頼性の高い受付け業務を実現できる。


 
 


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