ここから本文です
[PR]

山教組投票依頼 “人事権”盾に強制 「見せしめ怖い」

8月4日7時56分配信 産経新聞

 山梨県教職員組合(山教組)の「輿石氏必勝」と記載した機関紙による“選挙運動”を産経新聞が報じた際、県教委は「直接的な投票依頼ではない」として問題視しなかったが、今度は「直接的な投票依頼」が発覚した。組合員である現役教員による携帯メールでの投票依頼。問われるべきは、“人事権”を盾に教員たちに選挙運動を半ば強制する山教組の体質と指摘する声が出ている。

 「名前だけ貸してくだされば有り難い」

 県南にある町立中学校に勤務する40代の男性教員が知人の男性会社員に送信したメールでは、民主党の輿石東参院議員会長(74)への投票依頼とともに、輿石氏の支持者カードに名前を記載することへの協力も呼びかけていた。

 これは「個票集め」と呼ばれる山教組教員の主要な選挙活動の一つとされる。輿石氏の支持者カードに名前を記入してもらい、それを基に有権者名簿を作成。教員が当番制で電話による投票依頼を展開するというものだ。

 ≪厳しいノルマ≫

元教員によると、6年前の参院選では、1人当たり80票ものノルマが現役教員らに課せられた。今回も減ったとはいえ20票程度のノルマが与えられたという。

 6年前の参院選では、山教組は輿石氏支援のため、ボーナス時などに教員や教頭、校長から2万〜5万円を徴収。山教組などで構成する政治団体が、1千万円余りを政治資金収支報告書に記載しなかったとして、山教組幹部らが略式起訴され、罰金刑を受けた。

 こうした選挙のたびに貴重な「金」と「時間」を奪われる選挙活動に対し、不満を持つ教員も少なくないという。輿石氏が6年前の参院選をめぐる事件当時、「政治団体がやったことで、自分とは直接関係ない」と責任逃れに終始したことも「誰のためにやったと思っているのか」と教員たちの怒りを買った。

 ≪「1万円なら」≫

 しかし、それでも教員たちは山教組幹部から言われるがまま、選挙活動せざるを得ないのだという。その理由について、別の元教員は「山教組による人事上の制裁が怖いからだ」と証言する。「金と個票を出さないと管理職になれないし、管理職になりたくなくても、僻地(へきち)に異動させられるという“見せしめ人事”が行われる」

 山教組の加入率は現在95%超と全国でも突出しており、人事を担当する県教委や市教委幹部も大半が山教組出身者。元教員は「人事権による支配が山教組の強さ。ほかの都道府県で選挙で1万円も徴収するとなったら大騒ぎになるが、山梨では『1万円で見せしめ人事をやられないなら安いもの』と考える」と、その独特の風潮を語っている。

【関連記事】
山教組の教員、メールで投票依頼 参院選直前、公選法など抵触か
山教組の選挙活動に「重大な関心」、自民・大島幹事長
山梨県教組 国揺らぐ「違法行為」放置
変わらぬ山教組の「教員総動員」教委も内容確認せず不問
山教組教員、機関紙使い“選挙運動” 参院選「輿石氏必勝」数百人に配布
地上デジタル完全移行まで、残り1年を切った。その現状は…

最終更新:8月4日7時56分

産経新聞

 

主なニュースサイトで 2010年参院選 の記事を読む

PR

carview愛車無料査定
PR
ブログパーツ

国内トピックス

注目の情報


主要メディア6紙の過去記事2年分を瞬時に検索。
全国紙の社説を比較する毎日新聞の企画「社説ウオッチング」。産経新聞の「社説検証」とあわせてチェック(本文有料)。

PR

注目の商品・サービス

  • プロが使う「情報収集ツール」の活用法
PR