民主、異様な閉鎖性 輿石氏、参院会長4選
7月23日8時32分配信 産経新聞
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民主・輿石氏(写真:産経新聞) |
[フォト]日教組の全国教研集会
22日午後、民主党参院幹部が使用する国会の控室を突然、菅直人首相が訪問し、輿石氏の議員会長4選を言祝(ことほ)いだ。衆参ねじれとなり、輿石氏との連携強化は不可欠だと判断したのだ。
輿石氏は11分間の首相との会談内容について口をつぐんだが、「面会は首相から求めたのか」と記者団に問われると「おれの方は用がねえもの…」とさりげなく自らの優越を誇示した。
首相が党幹部と面会する場合、首相の要請であっても党幹部が出向くのが旧自民党政権では常識だった。今回の会談は首相と輿石氏の今後を暗示する。
首相は参院選中の3日にも輿石氏の地元・甲府市で「輿石氏の力が今の政権を生み出した。私にとって人生の師匠で先生だ」と遊説し、輿石氏を持ち上げた。
だが、民主党内での影響力と裏腹に輿石氏の世間の人気は決して高くない。先の参院選では、自民党の女性候補にわずか3745票差で勝ち、薄氷を踏む思いを味わった。
輿石氏は参院選中、参院議員会長にもかかわらず、選挙応援で山梨県外に出たのは2回だけ。あとは地元で自らの選挙運動を続けており、「参院のドン」の責務を果たしたとは言い難い。
このため、民主党の石井一副代表は「輿石氏4選に異論や反対の気持ちはないが、参院選で壊滅的ダメージを受けた。執行部を追認する形があっていいのか」と無投票での4選に疑問を呈した。とはいえ、このような声はごく一部に限られる。あるベテラン議員は「参院議員会長選告示日が決まる前から輿石氏周辺は多数派工作に動き、告示までにすべてが終わっていた」と打ち明ける。
輿石氏の4選は参院民主党の異様なまでの閉鎖性を改めて印象づけた。衆院は本会議前の代議士会をすべて公開しているが、輿石氏が主催する参院議員総会は非公開のままだ。今後、輿石氏は地下茎でつながった参院自民、公明両党の重鎮らと水面下で接触を図ることは間違いない。参院から時代遅れの「密室政治」が消えるのはいつになるのか。(原川貴郎)
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最終更新:7月23日10時1分
- 輿石東(こしいしあずま)
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- 所属院 選挙区 政党:
- 参議院 山梨県 民主党
- プロフィール:
- 1936年5月14日生 初当選/1998年 当選回数/5回
- (写真提供:時事通信社)