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百貨店激戦区へ「いざ出陣」(1)JR西日本伊勢丹

8月2日15時57分配信 産経新聞

百貨店激戦区へ「いざ出陣」(1)JR西日本伊勢丹
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店作りを陣頭指揮する伊藤達哉・大阪店開業準備室長は着任以来、100回を超えるアンケートで関西の消費者心理を探った=大阪市北区(甘利慈撮影)(写真:産経新聞)
 【新・関西笑談】

 □ジェイアール西日本伊勢丹 大阪店開業準備室長伊藤達哉さん

 ■商圏のお客さまを知り店作り大阪っぽさ出していきたい。

 改修工事が進むJR大阪駅北側に、来春開業する百貨店「JR大阪三越伊勢丹」。三越と伊勢丹の経営統合により、両社の店名を冠した初の百貨店としても注目を集める。店作りの総責任者をつとめるジェイアール西日本伊勢丹専務、伊藤達哉・大阪店開業準備室長に、まだ見ぬ新店への思いと取り組みを聞いた。(聞き手 内田博文)

  [フォト]「次はあの店舗が危ない」百貨店閉鎖相次ぐ

 −−外観はだいぶ見えてきました。新店の概要は

 伊藤 今回の百貨店は、平成23年春に開業する大阪駅北側のノースゲートビルのキーテナントとして、地下2階から地上10階の12層、店舗面積は約5万平方メートルの百貨店になります。三越と伊勢丹が統合して初の新設百貨店になるので責任は重大。意義ある物にしていかないといけない、と思っています。

 −−伊勢丹が大阪に店を作るのは初めて。開業に向けて、何か特別な取り組みは

 伊藤 大阪になじみがないので、まずどんなお客さまが住んでいるのかを調べるところからスタートしましたね。100回を超えるアンケートを実施したり、社員が各エリアに出向き、家の大きさやどういう人が住んでいるのか、といったマーケティング調査を2年前からやりました。商圏のお客さまを知り、それをベースに店作りを考えました。

 −−大阪の消費者の特徴が見えましたか

 伊藤 東京はいろんな土地から人が集まってできた街ですが、大阪は地元や地域のコミュニケーションがしっかりしています。例えば、親御さんと同居している率が、他の街に比べても非常に高い。調べてみると、家を借りる敷金、礼金が日本で一番高いからなのですが、親や近所の目があるので、実はあまり派手な格好ができないという声が多い。一見、大阪のファッションは派手そうに思えますが、実際には割と周囲の人の目を意識して消費行動をとっています。この辺はちょっと意外でしたね。

 −−これを近所の人に見られたら、という目が

 伊藤 そういう人の目をかなり意識している部分があります。

 −−すると大阪の消費者の嗜好(しこう)に合わせた商品展開も、東京とは異なってくる

 伊藤 友人、知人と連れだって行動することが多いため、新しい物は取り入れますが、皆が知らないと話のネタになりません。ファッションでも、誰も知らない最新のものはダメで、ある程度、認知されていて、かつ、まだ大阪にはない、というようなものが求められています。『それ知ってる〜、どこで買ったの?』というのが重要ですね。

 −−新店には、そういう関西人の心理をくすぐる仕掛けが

 伊藤 東京発というところに期待しているお客さまは多いと思うので、東京から持ってきたものを大阪ナイズする一工夫は必要。例えば商品の見せ方でも、東京はすっきり見えるように陳列する量が決まっていますが、大阪のお客さまはたくさんの中から選びたいと。東京と同じでは少なく見えてしまうので、3枚じゃなくて5枚積むとか。多少のさじ加減で、大阪っぽさを出していこうと考えています。

【プロフィル】伊藤達哉

 いとう・たつや 昭和32年三重県四日市市生まれ。明治大学卒業後、55年伊勢丹入社。主に婦人服畑を歩み、平成9年に開業したジェイアール京都伊勢丹に開業直後から5年間勤務。伊勢丹吉祥寺店長、松戸店長などを経て20年4月から現職。52歳。

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最終更新:8月2日16時16分

産経新聞

 

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