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五輪などでフィギュアスケートを見て、このスポーツでは「振付師」という職業がずいぶん大きな役割を果たしている…。そんなことに気づかれた方も多いのではないだろうか。
女子チャンピオンの金妍兒(キム・ヨナ)は、カナダ人のデビッド・ウィルソンが振り付けた衝撃的な「007」で大きく人目を引いた。また男子のチャンピオン、エヴァン・ライサチェク(米国)を4回転なしでの優勝に導いたのも、彼の魅力をプログラムで存分に引き出したローリー・ニコルだ。この2人のカナダ人に加え、安藤美姫や織田信成を手掛けたニコライ・モロゾフ(ロシア)、高橋大輔の「道」を作り上げたパスカーレ・カメレンゴ(イタリア)などが現在、注目を浴びている。
しかし、彼らが登場する以前からも、多くのコリオグラファーが氷の上を鮮やかに彩ってきた。長野五輪前後から活躍が目立ってきた彼らのなかから、私が心打たれた名振付師たちのことを、振り返ってみたい。
まずは元祖として知られているサンドラ・ベジック(カナダ)。彼女は1988年のカルガリー五輪でブライアン・ボイタノ、92年リレハンメル五輪でクリスティ・ヤマグチのプログラムを手掛け、98年長野五輪のころには北米のほとんどのトップ選手が彼女に依頼する、という超売れっ子だった。米国のトップをほとんど振付けている今のローリー・ニコルとちょうど同じような状況で、サンドラに振付けをしてもらう順番を待つのが大変…というほど。
そんな彼女の作品で私が忘れられないのが、長野五輪でタラ・リピンスキーを優勝させたプログラムだ。あの小さな身体の少女を、いかに大きな会場で映えさせるか、いかにいっぱいのお客さんにアピールするか―。リピンスキーの良さをめいっぱい引き出したフリー「レインボー」を思い出す人も多いだろう。
当時、長野のホワイトリングで会ったサンドラは、人間的にもとても魅力的な人だったことをよく覚えている。そのころの彼女は裕福な男性と結婚し、かわいい子どもにも恵まれ、自分のスタジオのように自由に使えるリンクも手に入れ、テレビなどの華やかな仕事も多く…と、人生の一番幸せな時期だったと聞く。
そんな時代に作ったのがリピンスキーのための作品であり、彼女の見せるスケートは明るい幸福感に満ち溢れていた。当時の彼女は、日本チームにとっては夢の振付師。なんとかして日本選手にもプログラムを作ってもらいたいと画策し、「来年はぜひ本田武史に!」などとお願いしたりもしたのだが、サンドラのスケジュールはどんどん忙しくなるばかりだった。
(続く)
(2010年6月8日14時05分 スポーツ報知)
1946年7月4日、東京都生まれ。立大卒。選手時代はシングルとアイスダンスで活躍し、全日本選手権ダンス部門2連覇。現役引退後は日本スケート連盟で選手強化を手掛け、長野五輪からトリノ五輪までフィギュア強化部長を歴任。また、国際審判員とレフェリー資格を持ち、五輪をはじめ多くの国際試合でレフェリー&ジャッジも務める。
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