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これだけの作品を作れるローリー・ニコル(カナダ)。それは、彼女がきちんと勉強をしているから。時間があればカナダ国内のみならず、ニューヨークまで出かけて行ってバレエや演劇を見る。そして吸収した舞台芸術のエッセンスをうまく取り入れ、氷の上に乗せることができる。
それほど奇をてらった作品は多くなく、振付師たちの中では正統派に分類されるだろうが、ただの正統派ではない。どこにでもある既製品ではなく、オートクチュール、ただエモーショナルなだけではなく、滑るスケーターは気持ちをひとつ高いところで表現できる…そんな作品を作ってしまうのだ。
私はカナダ・トロントにて、何度も彼女が選手たちを振付けているところを見てきたが、教えている姿を見るだけでも、「この人は違う!」と思わせてくれる女性だった。
作品のカラーの上で、やはり正統派に分けられるもう一人のビッグネームは、リーアン・ミラー(米国)だろう。彼女も古くから活躍している振付師で、2002、03年と世界選手権を2年連続で制したシェン&ツァオ組(中国)の「トゥーランドット」などが高く評価されている。
日本選手との縁も深く、本田武史、高橋大輔、恩田美栄、安藤美姫、浅田真央と、たくさんの選手が彼女の指導を受け、作品を提供されている。昨季は安藤の「クレオパトラ」が話題になったし、4回転ジャンプを跳んだ03―04年の名作「火の鳥」もリーアンの振付けだ。
振付けの特徴は、正統派で、比較的どんな選手でも滑りこなしやすいスタンダードなプログラムを作れること。滑りこなすことがそれほど難しくはない、むしろとっつきやすいのだが、作品のセンスが高いため、まだ踊ることが苦手な若い選手を送り込むには最適な振付師だ。
特に女子選手向けのプログラムには当たり外れがなく、誰でもかわいらしく仕上げてくれる…。そんな手腕を持っている。やはり彼女も振付師として研究熱心なところがあり、しっかりと自分のスケート観を持っている振付師なのだ。
だから日本の選手でも、「初めて海外で振り付けてもらったのはリーアン」というスケーターがとても多い。リーアンのところでまずは学んで、そこからさらに味わい深さを身につけるため、ローリー・ニコルのところへ、デイビッド・ウィルソン(カナダ)の元へ。そんな道のりを歩むことが、最近の日本選手によく見られる傾向だ。(続く)
(2010年7月13日14時30分 スポーツ報知)
1946年7月4日、東京都生まれ。立大卒。選手時代はシングルとアイスダンスで活躍し、全日本選手権ダンス部門2連覇。現役引退後は日本スケート連盟で選手強化を手掛け、長野五輪からトリノ五輪までフィギュア強化部長を歴任。また、国際審判員とレフェリー資格を持ち、五輪をはじめ多くの国際試合でレフェリー&ジャッジも務める。
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