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芸術家的傾向がデイビッド・ウィルソン(カナダ)以上に強い振付師が、アレクサンドル・ズーリン(ロシア)、クリストファー・ディーン(英国)、カート・ブラウニング(カナダ)といった面々だ。
ディーンとズーリンは、ともにアイスダンスの世界チャンピオンであり、ディーンは1984年サラエボ五輪金メダリスト、ズーリンは94年リレハンメル五輪銀メダリスト。ディーンの最も著名な作品は彼自身が滑ったトービル&ディーン組(英国)の「ボレロ」だろうが、選手引退後もアニシナ&ペイゼラ組(フランス)などに振付け。現在は米国・コロラドスプリングスを拠点に活躍している。
ズーリンはコーチとしても、ナフカ&カスタマロフ組(ロシア)を06年トリノ五輪のチャンピオンに育て上げ、現在はフランスのペシャラ&ブルザ、ロシアの世界ジュニアチャンピオン、イリイヌィフ&カツァラポフらをコーチすると同時に、数々のプログラムを世に送り出している。数年前には日本の村主章枝もズーリンの振付けで「テイク・ファイブ」「イパネマの娘」などを滑っていた。
彼らの振り付けは、やはり世界チャンピオンが作るだけあって、とにかく難しい。突き詰めて芸術的であり、癖も強く、そして当たり外れも大きい。だから舞台芸術などを見慣れた玄人にはとても受けがいいが、万人向けとはちょっと言い難い側面もあるのだ。
滑る側も、発展途上中の選手にとってはかなり手ごわく、ある程度出来上がった、自分の個性をきちんと持っている選手でなければ、ズーリンらのところで何かを吸収してくるのは難しい。どうしても「勝つため」よりも、音楽や作品そのものの成立を第一に考えたプログラムになってしまうため、スケーターの側も滑りながら曲想に酔ってしまえるぐらい、盲目的に作品世界に入っていけるようなタイプが望まれるのかもしれない。
同じようにカート・ブラウニングも、89年から4度、男子の世界チャンピオンになった人物。彼もまたアーティストであり、天才であり、そして振付師としては気まぐれなタイプだ。彼の場合、作る時には本当にすごいものを作るけれど、ステップなどは難しすぎて、振りつけられたスケーターがとても踏めない…そんなことも多いという。なまじ、彼自身のステップのテクニックが凄まじいため、易しいステップで妥協することなど、我慢ならない。
天才肌のため性格の起伏が激しく、忍耐力もなく、プログラムの隅から隅まできっちり勝てるように計算して作ることもしない。だからやはり万人向けの作品にはならないし、プログラムを滑る人も選ぶのだ。(続く)
(2010年7月27日12時36分 スポーツ報知)
1946年7月4日、東京都生まれ。立大卒。選手時代はシングルとアイスダンスで活躍し、全日本選手権ダンス部門2連覇。現役引退後は日本スケート連盟で選手強化を手掛け、長野五輪からトリノ五輪までフィギュア強化部長を歴任。また、国際審判員とレフェリー資格を持ち、五輪をはじめ多くの国際試合でレフェリー&ジャッジも務める。
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