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読売新聞、朝日新聞の報道について (3)

まず冒頭のホメオパシーの紹介文からして、
記者が巧みに配している「毒」が感じられます。

「気が遠くなるほど薄めた『毒』を飲むことで病気を治す」
という導入です。
抗議するほどの誤謬ではありませんが、
ホメオパシーの本質を適切に現している表現ではなく、
ホメオパシーに対して反感を持つように誘導しようとする
意図的表現であると感じられます。

「気が遠くなるほど」という表現で、
嘘くさいというニュアンスを醸し出そうとしていますし、
「毒を飲む」という言葉を入れることによって、
常識人には理解不能というニュアンスを出そうと「工夫」していて、
「まじめに考える必要のない
いかがわしいもの」というニュアンスを出すことに、
腐心しています。


さて、それでは辞典にはどのように書いてあるのでしょうか。

homeopathy 【医】 類似[同毒]療法,
ホメオパシー《治療対象とする疾患と
同様な症状を健康人に起こさせる薬物を
ごく少量投与する治療法; [株式会社研究社 リーダーズ英和辞典第2版]

homeopathy 【名】ホメオパシー、
同種{どうしゅ}[類似{るいじ}]療法{りょうほう}、
同毒療法◆
「健康な人に投与するとある症状を引き起こす薬を、
その症状がでている患者に極少量、投与して治療する」という治療法。
例えば、健康な人が飲むと熱を出す薬を、
熱が出ている患者に極少量、
投与すると治癒する(熱が引く)という現象を利用した治療法。
◆【対】allopathy [英辞郎 on the WEB]


当然ながら、辞書はホメオパシーを「誉めている」わけではなく、
単に中立的な記述をしているわけですが、
「ひょろっとしたのっぽ」と「すらりとした長身」
の違いくらい
異なった記述の仕方です。


最初のたった一行のことをしつこく書いているようですが、
ホメオパシーをどのように紹介するかは、
記者がホメオパシーをどう捉えているかを端的に表すところであり、
記事全体の「通奏低音」になるところですから、
非常に重要です。

************************

書きかけはまだまだありますが、ここまでにしておきましょう。


つづく

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2010年08月04日 01:13に投稿されたエントリーのページです。

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