PAUL GILBERT(ポール・ギルバート) in 高田馬場
Paul Gilbert in Takadanobaba
最新インスト・アルバム『Fuzz Universe (WHD Entertainment)』を引っ提げてのプロモーション来日。先日マーブロでレポートした通り、ギターという楽器の魅力が満載した充実の仕上がりとなっている。最高にゴキゲンなギター・アルバムだ。
だから早くもその雄姿を拝めるとあってラッキー!
やっぱり出来のいい作品を聴くと本物が見たくなるもんね。
レコ発イベントは東京・大阪・名古屋の3エリアで開催された。
マーブロは3回開催された東京公演のもようをすべてレポートする。
第1日目の会場はESP学園の12号館ホール。
さっそくCDをゲットしたファンが多数駆けつけてくれた。
VintageModernの登場以来もうすっかりマーシャル・アーティストのイメージが定着したポール。今回はJMD:1を従えての登板となった。イヤ、実はポールははじめJMD:1についてその存在すら知らないようであった。
事前のメールでの打ち合わせでJMD:1を紹介すると、さっそくノース・ハリウッドの楽器店にチェックに赴いてくれた。いい人だ~!
すると、すぐにメールが来て「いいね!15番が気に入ったよ」と結果を伝えてきてくれた。ホントにいい人だ~!!
足元のようす。
ポールはパラレルボックスを持参。当初はJMD:1と他のバルブ・アンプをミックスして鳴らすつもりだった。でも、リハーサルでハリウッドの楽器店で試した時よりもJMD:1の実力があることを実感し、結局JMD501を2台パラレルで使うことになった。
50Wのコンポをわざわざ2台並べるなんて面倒な!と思うかも知れない。何ならJMD100と1960で済ませればいいじゃん!っと思うのが人情だ。でも、彼は小ワッテージのコンボをフル稼働させて出すサウンドがお好みなのだ。
また、ギター人生のほとんどをハムバッキングのギターですごしてきた彼は最近シングルコイルのサウンドにすっかりご執心で、それにガッチリとマッチするという理由もあって2266Cを愛用してきた。
それが例え一時的にしろスンナリとJMD:1にスライドできたということは、JMD:1がそれだけのパフォーマンスを実現しているということになる。
JMD:1がどれだけ気に入ったかは2日目の本番前にポールのJMD:1に関するコメントをビデオに収めさせてもらったので、是非それをチェックしてもらいたい。近日公開する予定だ。
さて、肝心のステージ。実際のステージではやはりお気に入りの15番を終始使用していた。これがまたビックリするほど絶妙なギター・ボリュームのコントロール。プリアンプ15番のモデルはDSL100+BluesbreakerIIなので、もちろんゲインを上げ目にセットしてギターのボリュームをフルアップしてやると盛大に歪んでくれる。
マーシャルのオール・バルブアンプであれば、ギター・ボリュームを下げてやればその歪み音が図太いクランチやクリーントーンになるワケで、またこれがいいアンプの証のひとつだったりするワケなのだが、ポールはプリアンプがデジタル回路のJMD:1でもこれができることを既に見抜いていて、15番ひとつとギター・ボリュームだけで千変万化のサウンドをクリエイトしていた。このギター・ボリュームの操作による手法がまたポールのコリーナ・ボディのシングルコイルのギターに恐ろしくマッチするんだな~!
ショウ前半は『Fuzz Universe』から「Fuzz Universe」や「Olympic」などを演奏。ん~恐るべき集中力! CD収録の演奏と寸分違わぬ鬼気迫るパフォーマンスにビックリ!ギターを演奏するお客さんが多いだけにみな口アングリ…。わかっちゃいるけどやっぱりスゴイ!また無闇やたらと速弾きをしないところがカッコいい!至極音楽的なのだ。
後半はバンドをしたがえてのパフォーマンス。さぁ、ヘッドフォンをつけてと…いざ出陣!
バンドのメンバーは「SHINAPS」の浅野佑亮。
ドラムは「韓流セレブレイト」、「レッサーパンダ」で活躍中の藤田亮。ポールからは終始「フジッ子!」と紹介された。
クリーン、クランチ、リードとプリアンプ15番だけで多彩なサウンドを繰り出したJMD:1も見事だった!
ベースやドラムの掛け合いで大いに盛り上げるポール!
トラッド・ロックの名曲6曲でエキサイト!
ギターの無限の可能性、ストレートなロックの楽しさを存分に見せつけてくれた、いつも通りのポールの愉快なステージだった。
JMD:1の詳しい情報はコチラ⇒Marshall公式ウェブサイト
「秋葉原編」につづく
(敬称略 2010年7月4日 高田馬場ESP学園12号館ホールにて撮影)