ブラジルを含めて、中国は政府首脳によるトップセールスなど国家あげての融資などで受注獲得に貪欲(どんよく)だ。経済協力開発機構(OECD)非加盟で国際ルールの縛りを受けにくいことも営業活動の自由度を高めている。前原誠司国交相も米国やベトナムに直接出向いてトップセールスを重ねているが、国交省幹部は「中国の影は常につきまとう。対抗手段を真剣に考えないといけない」と危機感を募らせている。(澄川卓也、サンパウロ=平山亜理)
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〈中国の高速鉄道〉 2020年までに1万6千キロの高速鉄道網を整備する計画。日本の新幹線網(2千キロ強)の8倍近い。08年8月の北京五輪開催直前には北京―天津(約115キロ)を最高時速350キロで結ぶ高速鉄道の運転を開始。09年12月には武漢―広州(1069キロ)が開業した。12年には北京―上海(1318キロ)が開業予定。日本やドイツなど外国企業が技術移転している。