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【外信コラム】台湾有情 今こそ「日台FTA」
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7月は日本人の来訪が相次いだが、中国と関係の深い友人、近親が初めて訪れた台湾をほめちぎるのを聞いてうれしかった。
「地下鉄の割り込みはないし、エスカレーターで誰もが右側に立っている。人も車も交通ルールを守り、日本と変わらない。中国がこのレベルになるのにどのくらいの年月がかかるか、気が遠くなるほどです」
一昨年まで3年間、江蘇省南通市で日本語を教えた大学時代の友人は、帰国後こんなメールをくれた。
同省蘇州市で日本企業の工場長を務めている近親は「タクシーの運転手が親切だし夜道も安心して歩ける」とすっかりくつろいだ表情だった。
治安の良さや外国人への心配りなど、台湾は世界の一流国並みだ。ところが中国の妨害で国際社会からは疎外されている。馬英九政権は世界の自由貿易化に乗り遅れまいと6月末、中国との自由貿易協定(FTA)に相当する経済協力枠組み協定(ECFA)に調印した。そうすれば中国は台湾が諸外国とFTAを結ぶことに反対しない、と期待したからだ。
ところが調印後も中国が軟化する気配はない。日本は最良の隣人を助けるためにも、台湾とFTAを結ぶべきではないか。中国の顔色をうかがっているばかりでは、台湾は中国にのみ込まれかねない。(山本勲)