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朝鮮学校も無償化へ調整 文科省方針、政権内になお異論

2010年8月4日3時32分

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 今年度始まった「高校無償化」制度をめぐり、文部科学省は、全国の朝鮮学校の除外措置を解除する方向で最終調整に入った。文科省は教育の専門家による会議を設置して制度適用の可否を議論してきたが、「日本の高校に類する教育をしており、区別することなく助成すべきだ」との判断を固めたという。

 文科省は月内にも会議の検討結果を公表する予定で、4月にさかのぼって適用し、私立高生と同じく年約12万円、低所得層は倍の約24万円を上限に助成したい考えだ。ただし、朝鮮学校への適用は、中井洽・拉致問題担当相の反対論などでいったん見送られた経緯がある。今回も首相官邸には「政府全体でどう判断するかは別問題」と党内情勢を見極めた上で最終判断すべきだとの声が上がっている。

 高校無償化は昨夏の総選挙での民主党マニフェストの柱で、「幅広く高校段階の学びを支援すべきだ」という考え方に立っている。文科省は一般の高校や他の外国人学校と同様、全国に10校ある朝鮮学校の高校段階(高級学校)の生徒約1900人にも適用する前提で予算を組んでいた。

 反対論を受け、4月時点での適用は見送ったが、政務三役は「無償化は純粋に教育制度として考えるべきで、朝鮮学校の教育内容を検証して改めて判断する」として5月に専門家による会議を設置。学校制度や教員養成の専門家、大学の学長経験者ら6人の委員を集めて議論してきた。

 会議は委員名や日程などすべてが非公開で進められているが、関係者によると、事務局の文科省職員がすべての朝鮮学校を訪ね、カリキュラムや教科書などに関する資料の提供を受けた。授業風景や施設などもビデオで撮影し、検証材料にしたという。

 会議では「朝鮮学校は社会に向けてさらに情報をオープンにすべきだ」との意見が出たといい、文科省は制度適用に合わせ、カリキュラムや財務情報、学校法人の役員名など一般の高校並みの情報開示を求める方向で検討している。仮に今回も適用方針に異論が出た場合は、文科省の政務三役は「専門家が検証した結論だ」として反論するとみられる。(青池学)

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