1963年のWGP 250cc は
HONDAのジム・レッドマン と
モトモリーニのタキオ・プロビーニの戦いが
最終戦の日本GPまでも連れ込んだ年でした。
HONDAのマシンはRC164 HONDA得意の4気筒マシン。
HONDA RC164 (1963)
48ps/14,500rpm 乾燥重量130kg対するモトモリーニはビアルベロ(ツインカム)の単気筒マシンでした。
モトモリーニ 250 ビアルベロ グラン プレミオ (1963)
37ps/11,000rpm 乾燥重量105kgこの年は出力の大きい
HONDAが直線でモリーニを引き離しても
コーナーに入ると追いつかれると言う
白熱したレース展開だった様です。
いかに
ツインカムだったとはいえ、旧態ぜんたる
単気筒レーサーが先進の技術で作られた
4気筒マシンに
なぜそこまで
食い下がれたのでしょうか?
モト・モリーニのエンジン DOHC 4バルブ 249.3cc 37.5ps/12,500rpm カム・ギア・トレーン
それは単気筒車ゆえの
軽量さに尽きると思います。
出力を単位重量あたりに直してみると一目両全です。
HONDA RC164 48ps → 0.36ps/kgモト・モリーニ 37.5ps → 0.36ps/kgと、ほとんど同じ出力なのです。
しかし、
重量の重いHONDAは直線で
速度が乗り易く、モリーニを引き離せました。
反対に
重量の軽いモリーニはコーナーが続くと
軽量であるが故の操縦性の良さでHONDAに
追いつけたのです。
最終的な
勝利は
HONDAの上に輝きましたが、
単位重量辺りの出力が殆ど伯仲していた
この2車は正に
名ライバルだったようです。