ダッシュを繰り返す(左から)グライシンガー、内海ら巨人投手陣=ジャイアンツ球場(撮影・園田高夫)
巨人は2日、広島から帰京。初戦には右ヒジを痛め、開幕から離脱していたセス・グライシンガー投手(35)を投入する。
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えらいこっちゃ。この右腕の復活に、虎党のぼやきが聞こえてきそうだ。過去11勝3敗と阪神をカモにしているグライシンガーが、“打倒・阪神”の刺客としてマウンドに帰ってくる。ちなみに昨年の阪神戦の登板成績は、6試合で4勝0敗。「相性がいい?昨年のことは昨年のこと。過去のことだし、意識はないよ」とクールに笑った。
ここまでの道のりは険しかった。春季キャンプで昨年痛めた右ヒジに違和感を覚え、米国に緊急帰国。3月に内視鏡手術を受けた。その後は慎重にリハビリに取り組み、何とか実戦復帰できる状態までこぎつけた。それだけに「復帰初戦でやっとチームに貢献できる楽しみと、ヒジにどういう負担がかかるかという不安がある」と、決して楽観的ではない。
右腕の復帰を待ちわびていた原監督も慎重だ。「球数を意識する必要はある。(球数は)100球くらいかな」。それでも夏場に入り、先発陣が崩壊し、後半戦に入って不振のゴンザレスと藤井が2軍に降格しただけに、グライシンガーへの期待は大きいはずだ。
初戦のグライシンガーに続いて、第2戦に内海、第3戦に東野と、左右のエースを天王山に投入する原巨人。ここまで本拠地東京ドームでは2勝4敗と阪神に負け越しているが、一気に首位浮上を狙う態勢は整った。
(2010年8月2日)