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ヨルダン空港爆発 毎日記者に実刑

禁固1年6月 特赦申請へ


五味被告

 【アンマン=久保哲也】アンマンの国際空港爆発事件で、爆発物不法所持、過失致死、過失致傷の罪に問われた毎日新聞元写真部記者(編集局付)、五味宏基被告(36)に対する判決公判が1日、ヨルダン国家治安法廷(軍事法廷)で開かれ、ボコール裁判長は「爆発は被告の不注意によるもの」と述べ、過失致死、過失致傷の罪で禁固1年6月の実刑判決を言い渡した。爆発物不法所持については無罪とした。

 毎日新聞社長室は同日、弁護側が「判決を尊重し、控訴はしないこと」、及びアブドラ国王への「特赦申請をヨルダン政府に提出する方針」を明らかにした。

 五味被告は、イラク戦争取材中に拾ったクラスター爆弾の子爆弾を記念品として持ち帰ろうとしたが、5月1日夜(日本時間2日未明)、クイーン・アリア国際空港の手荷物検査所で、この子爆弾が爆発、職員1人が死亡、近くにいた5人が負傷した。検察側は、五味被告が子爆弾を爆発物と認識していたと主張。五味被告側は、爆発物との認識はなかったとして無罪を主張していた。

 ボコール裁判長は、3罪のうち、最も量刑の重い爆発物不法所持(懲役15年―7年6月)については無罪とした理由について「(被告に)爆発の危険性についての認識はなく、使う意思もなかった」と説明した。

 裁判長はまた、五味被告とともに爆発物不法所持の罪に問われていたヨルダン人助手(32)については無罪とした。

 王室筋によると、国王は、五味被告に特赦を与える意向で、早ければ近日中に釈放されるとの観測も出ている。

 毎日新聞社は判決に対し、「判決を厳粛に受け止め、亡くなられた方、負傷者らに深くおわびする。法的責任に加え、記者として、職業人としての倫理上の責任があると考え、死傷者を出した結果の重大性から(五味被告に対し)厳正な処分をする」とのコメントを発表した。

2003年6月2日  読売新聞)
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