所在不明「１００歳超」新たに１１人　東京、静岡、長野、名古屋…

　所在の確認ができない１００歳を超す高齢者が東京都内の複数の自治体や静岡県、名古屋市、長野市にもいることが３日、分かった。少なくとも新たに１１人に上った。東京都足立区の事件を受け、各自治体で確認作業を進めており、所在不明者はさらに増える可能性が高い。

　東京都では、港区が３日、１０５歳になる男女２人と連絡が取れないことを明らかにした。住民登録上はそれぞれ家族と住んでいるが、平成２０年度から記念品の受け取りを家族が拒否。自宅を訪ねた民生委員も「何年も会っていない」と話しているという。

　荒川区では、１０８歳と１０４歳の２人の男性の所在が確認されていない。いずれも外国籍で、区は３年以上前から登録された住所地にいないことを把握。北区でも１０５歳の男性が所在不明で、家族は「２５年前に家を出たままだ」と話しているという。

　八王子市では、１０２歳の男性の所在が不明。同居していた長男の妻（６２）が１４年に民生委員に「行方不明だ」と伝えていたが、放置されていた。市役所で３日、記者会見した長男の妻は「昭和４７年に長男と結婚したときには既に失跡していた」と話した。

　静岡県内では、熱海市の１０２歳と１００歳、下田市の１０３歳の計３人の女性の所在が不明となっている。県の担当者は「３人とも住民票上の住所地にはいないことが確認された。存命かどうかの確認もできていない」と説明している

　長野県内で最高齢とされる長野市の１１０歳の男性について、市が４年間、所在確認していないことも分かった。男性の家族は「かなり前から伊豆に行っている」と話しているという。

　名古屋市でも北区に住民登録している１０６歳の男性の所在が不明。登録された住所は家屋が撤去されて更地になっている上、親族も男性の所在を把握していなかった。