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最終更新:2010年8月3日(火) 20時28分

高齢者所在不明のケース、続々と判明

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 100歳を超える高齢者の所在が確認できない問題。新たに長野でも発覚しました。

 「113歳の女性が住民登録地に住んでいないということが判明して」(杉並区の会見)
 「生存が確認できない高齢者について、ご説明申し上げます」(八王子市の会見)

 「100歳を超えるお年寄りが、住んでいるはずの場所にいない」。そうした高齢者の所在不明のケースが続々と判明しています。

 3日、長野県でも県内最高齢とされていた110歳の男性が、少なくとも4年前から安否が分からなくなっていることが判明しました。長野市に住むこの男性は、去年9月に県内の最高齢者となりましたが、本人と家族の希望で名前は公表されていません。現在、長野市が所在の確認を急いでいるといいます。一方・・・。

 (お母さんは今、誰とお住まいですか?)
 「弟だと思いますけど・・・」(所在がわからなくなっている女性の長女)
 (会わなくなって、もう何年になりますか?)
 「20何年になります」

 2日に発覚した、都内最高齢とされていた113歳の女性の所在が分からなくなっているケースでも新たな事実が判明しました。113歳の女性の長女は、母親の居所について、千葉県市川市にあったアパートに弟とともに住んでいるはずと証言していますが、現在、工事現場になっています。

 「生きているはずのお年寄りがいない」。そんなケースが続々と明るみに出ています。きっかけは、先週、足立区で生きていれば111歳になる加藤宗現さんが自宅でミイラ化した遺体で見つかった事件です。各自治体が最高齢者の確認を始めたところ、所在不明のケースが続々と判明しているのです。

 「113歳の都内最高齢者の方の安否確認が長期間にわたってできていなかった」(杉並区 田中良区長)

 杉並区では、113歳と都内最高齢、明治30年生まれの古谷ふささんの所在が分からなくなっています。

 (最後に会ったのは?)
 「昭和63年か64年くらい。それからずっと会っていない」!JF15o$7$F$$$?$O$:$ND9=w!K
 (一緒に住んでいたのは?)
 「弟だと思うんですよ」

 同居していることになっていた長女は、2日、こう話しましたが、弟が住んでいるはずの千葉県市川市の住居を訪ねてみると・・・。去年までアパートがあったそうなのですが、今は大きなフェンスで囲まれています。工事現場になっています。

 (アパートが取り壊されたのは?)
 「去年の1月。道路がかかるので」(近所の人)
 (住んでいた人は?)
 「お年寄りはいなかった」

 71歳の弟は行方が分からなくなっていましたが、警視庁がこの弟から現在、事情を聴いていることがわかりました。弟は2年前、千葉県警に対し「母親は死んでいる」と話していたこともわかり、警視庁で詳しく説明を求めているとみられます。

 一方、東京・八王子市。明治41年生まれ、102歳の男性の所在が分からなくなっています。

 「民生委員が訪問した際に、(義理の娘から)行方不明という話があった」(八王子市の会見)

 八王子市によりますと、2002年4月、民生委員が自宅を訪問した際に、同居しているはずの義理の娘から「行方がわからなくなっている」と話があったといいます。市は警察に連絡するよう勧めましたが、結局、娘は警察に連絡しないまま8年が経過しました。年金については、受け取っていないといいます。

 また、港区内に住む105歳の男性も、数年前から行方が分からなくなっている事がわかりました。こうした事態に厚生労働省は・・・。

 「実態を把握するような方法、どういう方法が考えられるか。厚労省内でよく議論をして、必要な対策を今後、打ち出していきたい」(長妻昭厚労相)

 厚生労働省によりますと、100歳以上のお年寄りは現在、4万人以上。年金受給の状況を含め、全員の所在確認が出来るかどうかは不透明です。住んでいるはずの場所にお年寄りがいないという異常事態。急速に進む高齢化社会の落とし穴なのでしょうか。不明となっているお年寄りの安否確認が急がれます。(03日17:51)

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