「ラジオで君が代斉唱拒否」に菅首相が強く反論 放送したラジオ日本「歌わなかった」
ねじれ国会第2ラウンドで、早くも「イラ菅」が復活した。激論の一方で3日、議員の特権と指摘されてきた歳費の日割り問題が、与野党で合意に至った。
3日の衆院予算委で、菅首相は「多くの皆さんから元気よくやれと言われまして、決して元気がないわけではないんですが。活発にさせていただきたい」と述べた。
その菅首相が、首相就任以来見られなかった「イラ菅」状態。
自民党の平沢衆院議員の「総理は日の丸、君が代、賛成ですか、反対ですか?」の質問に、菅首相が強く反論した。
平沢議員は、2002年に、故・ミッキー安川さんが司会を務めたラジオ番組に菅首相が出演した際の話を持ち出し、「この番組の冒頭、みんなが立って、君が代を歌って、それから番組に入るんです。総理はその時に、『わたしは君が代を歌いたくない』と言われました」と述べた。
菅首相は、この質問を遮り、「そんなこと言わない、うそだ! うそです、それは!」などと反論した。
また、菅首相は「私だけ座って、あるいは斉唱しない。そういう行動を取るはずがない、自分の中で。そこまで言うのであれば、きちんと証拠を上げていただきたい」と述べた。
この放送をしたラジオ日本は、スーパーニュースの取材に「この時、総理は、ミッキー氏に促され、起立はしたものの、君が代は歌わず、ミッキー氏の『君が代は嫌いか?』との問いかけに、『そうだ』と言った」と回答した。
一方、注目の消費税について、自民党の田村憲久議員が質問した。
民主党の党内世論に配慮してか、今後の対応について、明言を避ける菅首相に対し、田村議員は「与党の総理ですよ。それが選挙前に『消費税上げる』。かっこいいと思ったんですよ、わたし」と、消費税発言をした首相はかっこいいと持ち上げた。
そのうえで、「菅さん、引きずり下ろされることありませんから大丈夫ですよ。代表選あっても。だってそりゃそうでしょ。1年で3人も総理大臣を民主党が変えられるわけがないと。だから胸張って持論をおっしゃっていただきたい。消費税は上げる方向で早急に議論すると」と述べた。
この発言に、口の堅かった菅首相も「消費税に関して、引き上げを含めての議論ということは当然」と述べ、選挙後初めて明確に、超党派で協議を進めたい意向を明らかにした。
一方、新人議員らの議員歳費を日割りにする問題で3日、議員の自主返納を可能にする公職選挙法改正案を今国会で成立させることで与野党が合意した。
自民党の三原 じゅん子議員は「もちろん、自主返納という形をとらせていただきます。どう考えても、当たり前な話だと思います」と述べた。
しかし、法案を提出したみんなの党が、民主党が主導すべきだったと攻撃した。
みんなの党の江田幹事長は「民主党がマニフェストに明示しているんですよ。みんなの党なんて当たり前だから、マニフェストにも書いていないんですよ、こんな当然のことは。本当に(民主党は)こんなことすらできない」と述べた。
これに対し、菅首相は「何か、与党が出さなければ何も進まないというのは、その逆のことを選挙で言われたんじゃないですか?」と述べた。
この反論を聞いた江田幹事長は「まあね〜、盗っ人たけだけしいとはこういうことなんですよ。われわれは、現に日割り法案を出しているんですよ」と述べた。
菅首相は「何が盗っ人たけだけしいことでしょうか」と述べた。
政策実現に向け、与野党の協調が求められるが、その前途は多難な様子。
(08/03 19:12)