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【聖香さん虐待死】「納得はできない」遺族
このニュースのトピックス:暴行・虐待・監禁
小学4年だった松本聖香さん=当時(9)=が自宅マンションのベランダで死亡してから約1年4カ月。2日、虐待を主導したとして保護責任者遺棄致死と死体遺棄の罪に問われた母親の内縁の夫、小林康浩被告(40)に対し、大阪地裁が下した判決は懲役12年だった。遺族は「法律に従ってこの刑が妥当といわれると反対できないが、納得はできない」とやりきれない表情を見せた。
小林被告はこの日、短髪に黒色スーツ姿。これまでの公判と同様に淡々とした表情で法廷に現れた。判決を言い渡されるとわずかに首をかしげ、後は特に姿勢を変えない。言い渡し後、ぶぜんとした様子で、裁判長への一礼もしなかった。
これまでの公判では「聖香が食事の時に来なかっただけで、食事を与えなかったわけではない」「聖香はあざができやすい体質で、強くたたいていない」などと虐待を否認し続けた小林被告。しかし、判決は「弁解の信用性は著しく低い」と退け、「責任の軽減を図ろうとし、真摯(しんし)な反省は一切うかがえない。再犯の可能性も否定できない」と断罪した。
閉廷後、取材に応じた聖香さんの父、佐光哲也さん(39)は「判決で『酌量の余地はない』と言ってもらった言葉は救いだった」とし、元妻で聖香さんの母、松本美奈被告(35)を含む2人に対して「人並みに『悔い改めてほしい』と言いたいが、本音では殺したい気持ち」と怒りをあらわにした。
また、子供に対する虐待事件が相次いでいることに「虐待なんて他人事だったが、今は身近になってしまった」とつぶやき、大阪市西区のマンションで幼い姉弟が母親に置き去りにされ遺体で見つかった事件について「現場に行って手を合わせたい」と話した。