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【聖香さん虐待死】母親の内縁夫に懲役12年判決 大阪地裁
このニュースのトピックス:刑事裁判
大阪市西淀川区で昨年4月、松本聖香さん=当時(9)=を虐待し衰弱死させたとして、保護責任者遺棄致死と死体遺棄の罪に問われた母親の内縁の夫、小林康浩被告(40)の裁判員裁判の判決公判が2日、大阪地裁であった。樋口裕晃裁判長は「苛烈な虐待を受けた肉体的苦痛に加え、聖香さんの孤独感や絶望感も察するに余りある」として懲役12年(求刑懲役17年)を言い渡した。
弁護側は小林被告の暴力はしつけだったとし、聖香さんの死因が持病のてんかんの可能性があるとして保護責任者遺棄致死について無罪を主張していた。
判決理由で樋口裁判長は、解剖医らの証言から「衰弱死したと認めるのが相当で、原因が被告らの不保護にあることも優に推認できる」と認定。また、暴力を「しつけの範囲から明らかに逸脱し、虐待と評価するべきだ」とし、「虐待を主導した役割は母親と比べても相当重要で、身勝手な動機に酌量の余地はない」と非難した。
一方で「同種事件の抑止のためには、児童虐待を早期に発見し、激化するのを防ぐ社会的施策を確立することも重要」と指摘し、求刑を下回る量刑を選択した理由について「相当重い求刑の説得的な説明が尽くされなかった」とした。
判決によると、小林被告と聖香さんの母、松本美奈被告(35)=保護責任者遺棄致死と死体遺棄の罪で1審懲役8年6月=らは共謀し、殴打や十分な食事を与えない虐待で衰弱した聖香さんをベランダで寝具を使わせずに寝かせて昨年4月5日午後、衰弱死させ、6日夜、遺体を奈良市の共同墓地に埋めて遺棄した。