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西淀川虐待死、内縁夫に懲役12年…「一貫して虐待主導」大阪地裁判決、求刑7年「重過ぎる」、実父「納得できない」大阪市西淀川区で昨年4月、内妻の子だった小学4年・松本聖香さん(当時9歳)を衰弱死させたなどとして、保護責任者遺棄致死と死体遺棄の罪に問われた無職小林康浩被告(40)の裁判員裁判で、大阪地裁は2日、小林被告に懲役12年(求刑・懲役17年)の実刑判決を言い渡した。樋口裕晃裁判長は「聖香さんが受けた苦痛や絶望感は察するに余りあり、一貫して虐待を主導した」と述べた。 この事件で量刑の上限は懲役23年。それでも樋口裁判長は求刑について「重過ぎる」と指摘。1人を虐待死させたが殺意までは認められなかった他の事件と比較、「どのような点を重視し求刑に至ったのか説明が尽くされていない」とした。 判決によると、小林被告は内妻、松本美奈被告(35)(懲役8年6月の実刑判決)と共謀。昨年4月5日、虐待で弱った聖香さんを自宅ベランダで衰弱死させるなどした。公判で、小林被告は「たたいたりしたが、しつけの範囲」などと保護責任者遺棄致死罪について無罪を主張していたが、樋口裁判長は、「しつけを逸脱している」と認定した。 一方、検察側は求刑の際、「同様の悲劇を繰り返させないためにも断固とした処罰が必要」と主張。弁護側は同罪による過去12件のデータを基に、「最高でも量刑は懲役6年。求刑は重すぎる」と反論していた。 量刑に関する双方の主張について、裁判長は「弁護側の主張も重要視できないが、再発防止には、適切な刑罰だけでなく、早期発見と、その激化を防ぐ社会的施策の確立も重要」と述べた。 裁判員らの記者会見は、出席希望者がおらず、開かれなかった。傍聴した聖香さんの実父(39)は判決後、「求刑とは開きがあり、納得できない」と語った。 (2010年8月3日 読売新聞)
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