『馬券の期待値は上昇する』
【1】”変数”を読み解くテクニック
競馬と他のギャンブルの大きな違いは、圧倒的な「技術介入の可能性」が認められる点にある。宝くじやパチンコといった抽選式のものは「運」に左右され技術介入の余地が認められず、競艇や競輪などは技術介入の対象となる「変数」の存在が稀有であり、組み合わせの少なさからも(これが「出目」崇拝につながるわけだが)サイコロ並みの確率論で語られるのが常。一方の競馬には複雑に絡み合う「変数」が存在し、それがゲームを面白くする最大の要因にもなっている。そして、その「変数」を読み解くテクニックこそが、競馬予想にとっての大きな技術介入の鍵となる。【2】”負け組”の言い訳
控除率(20％〜)25％を考えれば、馬券の期待値はそれほど高くはない。しかし、馬券は試行毎に市場に流れ込んだマネーを奪い合うゼロ・サム・ゲーム(控除率を加味すればマイナス・サム・ゲームだが)であり、リターンされるオッズが毎回イレギュラーであることからも、勝者となれば大きな利益を享受することが可能となる。また、馬券で語られる期待値は75〜80％とされているが、これは控除率を除いただけの確率であり、狭義な意味での期待値とも捉える事ができる。「最大18面体の偏りのあるサイコロが毎回振られ、各々のプレイヤーの技術介入により勝率は高くなる」という変数条件が付けば、その期待値が格段に跳ね上がるのは当然。一般論的な期待値から脱却できてないのは、運や偶然にしか帰着できない「負け組」の言い訳でしかない。『マーケットの実情』
【1】かつては「禁じ手」とされてきたもの
残念な事にJRAの売上げは減少の一途を辿っている。これはマーケットの縮小でもあり、配当の低下へと繋がっている。JRAの売上げが芳しくないのは不況のせいばかりではない。別項でも述べるが、行き詰まりを感じたプレイヤーに「馬券」を学ぶべき適切な場がなかった事も大きな要因として挙げられる。また、売上げに対するJRA自体の無策ぶりも目に余り、調教師や馬主からの不満もくすぶり続けている。近年のファンサービスの低下も著しく、決裁におけるお役所仕事の「失態」も内外に不信感を抱かせている。JRAはここ数年で堰を切ったように「新馬券」を発売させているが、かつては「禁じ手」とされてきたもの。射幸心を煽るだけのやり方には限界があり、これで新たなファンを開拓する事は難しい。【2】優れたプレイヤー
重要なのは「馬券」についての正しい理解だ。「馬券が魅力あるものだ」ということを理解してもらえる事。ファンを競馬へ再び振り向かせるには、これ以外に考えられないように思える。例えば、単勝120円という配当であれば、単勝で勝負した62.5％のプレイヤーが投資額の20％の利益を得る事が出来るという、株投資と比較しても「皆が儲けられる」可能性の容易さ。さらに「優れたプレイヤー」となれば、その確率が格段に跳ね上がることなど、「投機」としても十分に魅力がある事を、認識してもらう事である。『馬券に対するコスト意識』
【1】見えざるコスト
「馬券投機」を行っていくうえで、ひとつの重要なポイントとなるのが必要経費についての考え方である。別に競馬場までの交通費のことを言っているわけではない。ここでいう経費とは、「予想に掛かるコスト」についてである。ひと月あたりに競馬に関してどれだけの経費を掛けているか、実感出来ている人は少ないのではないか。なぜなら、月トータル、年トータルでプラス計上出来ていない人は、キャリアと共に「コストと収益のバランスの悪さ」に気づき、経費の使い方につき改善を図っていくのが当然。しかし、馬券のヘヴィー・ユーザーとなればなるほどに、頑なにそのスタイルを崩さず、やみくもに収益を悪化させているだけにしか見えない。週報や競馬専門紙、スポーツ紙に専門雑誌、JRA‐VANを始めとする有料データ・サービス…。積み上げてみれば、それなりの金額になるはずだ。何よりも「予想に費やす時間」も無視できず、「見えざるコスト」として大きな比重を占めている。【2】「理想の姿」と近づく第一歩
しかし、よく考えてほしい。本当にそれらは経費を掛けるだけの価値あるものとなっているかを。勝率を正しく計算できないギャンブラーは生き残ってはいけないし、同様に投資コストに鈍感な投資家もいずれ市場から消えていくはめになる。期待値を下げるだけのコストは何も生み出さない。コストを最低限にコントロールする事は、投資戦略の基本である。儲からないものにお金を掛けず、「勝つために必要な経費」に絞り込む。それは「理想の姿」と近づく第一歩でもあるのだ。『プレイヤーにとっての不幸』
【1】プレイヤーにとっての"最大の悲劇"
競馬ファンの多くは、「競馬の知識」と「馬券戦略」を混同しているフシがある。「競馬の知識」を十分備えているはずのキャリアあるプレイヤーが、「利益を出せない」でいるのもそれに起因していると考えられる。「競馬の知識」というのは、馬券に関するノウハウでもリテラシーでもなく、競馬を楽しむための「見方」に過ぎない。穴が開くほどに馬柱を見たところで、どれだけパドックで馬を吟味したところで、部外者のプレイヤーが「レースの核心」に迫る事は出来ないのは当然。多くのプレイヤーは自らの予想に行き詰り、新たな方向性を模索することになるが、それは成功するための条件でもあるのだ。「自分の限界を知ること」は決して悪い事ではない。それよりも問題は、従来のプレイヤーが限界を悟った時に、「馬券」を学ぶべき適切な場がなかったこと。それこそがプレイヤーにとっての「最大の悲劇」だったといえる。【2】売上げに悩むＪＲＡ
その状況を温床としてきたのが、スポーツ紙や競馬雑誌などの広告で大多数を占める「競馬予想会社」である。新聞や雑誌といったメディアは競馬を盛り上げていくには欠かせないものであった為に、JRAはその「広告内容」についても看過してきた。しかしながら、その大半が高額な料金設定とは裏腹に、得られるものが「あてにならない買い目のみ」という事実であった事から、一部の不幸なプレイヤーや、面白みをなくしたプレイヤーが競馬から離れていく一因にもなっている。JRA広報誌である「月間優駿」を見れば分かるが、予想会社の広告は一切ない。一般誌とは立場が違うとはいえ、そこにJRAの本心が見て取れる。競馬人口の減少はマーケット縮小に直結し、売上げに悩むJRAだけでなく、当の競馬ファンにも大きな影響を及ぼす事となっている。『馬券投機における敵』
【1】全く荒唐無稽な話
『勝ち馬をJRAが仕込んでいる』『JRAが勝ち馬のサインを教えている』。このような「都市伝説」ならぬ「競馬伝説」は古くから存在しており、一部の熱狂的(？)競馬ファンを楽しませている。馬券の「楽しみ方」としては否定しないが、馬券で「利益を出そう」としているプレイヤーが信じているとなれば呆れた問題となる。そもそも、JRAが「勝ち馬」を仕込む事に何のメリットがあるというのか。全く荒唐無稽な話であり、そんな世界で馬主になるものなどいるわけがなく、厩舎関係者、生産者だって同じだ。【2】"勝者"への近道
なぜここでそんな話題に触れたかというと、いまだに競馬を「プレイヤーVS胴元JRA」という図式で捉えている人が多いように感じるからだ。控除率を気にするせいなのか、本当の戦う相手が誰なのかが分かっていない。JRAにとって重要なのは「売上げ」であり、「どの馬が勝つか、誰がどれだけ儲けるか」はさほど意味を持たない。JRAは馬券の20〜25％(うち15％が国庫納付金)を「賭場代」としてハネていくだけ。競馬というギャンブルは、各々のプレイヤーが出し合ったお金の80％程度を奪い合うゲームであり、ゲームの本質を理解出来ていないと、先のような「詐欺師の戯言」にはまり込む羽目になる。本当の相手となるのは自分以外のプレイヤーである。自分が「敗者」となれば、他のプレイヤーが「勝者」となる。単純に勝ち負けの世界。優勝劣敗、他より賢くなる事が「勝者」への近道でもある。【3】ギャンブラー的発想から脱却
同時に、馬券における最大の敵となるのが、「プレイヤー自分自身」であるという認識も忘れてはならない。投資や投機のマーケットでもそうであるように、馬券の買い方や売れ方には、各々のプレイヤーの心理と行動が大きく反映されている。例えば、「オッズ偏重」や「最終レースの売上げが大きい」という事実傾向は、明らかにプレイヤーの「焦り」に起因しているものであり、相場の世界では初心者によく見られる傾向であるものの、馬券においてはプレイヤーの「日常的な悋気行動」としてキャリアに無関係に見られるものである。このリスクマネジメントを無視したギャンブラー的発想から脱却出来ない限りは、勝負に挑む以前に「負け」が見えている。【4】ギャンブルは詰まるところ
重要なことは「自己をコントロールする事」である。スタート時点で既にそれが狂っていれば、勝てるはずがない。「勝負事の罠」とは勝負結果の理不尽さではなく、勝負結果に対して冷静さを失う人間の心理的な問題にある。マグレで大儲けしたところで、その利益を溶かしてしまうのはあっという間だ。ギャンブルは詰まるところ、資金がショートして脱落するか、利益を出しながら賭け続けられる方法を見出せるかになってくる。『自己認識と自己投資』
【1】自己認識の欠如が及ぼす影響
「自らを知らなければ株式投資は高くつく」。これはアダム･スミスが著書『マネーゲーム』で述べた言葉だ。最終的には「相場との戦いは己自身との戦いになる」という事を指しているが、「馬券投機」においても同様の事が言える。それどころか、「馬券投機」に必要な要素の中でも、「自己認識」は最も重要なものでもあるのだ。勝負事は相手あってのものだが、同時に「自分自身」と対峙することを常に迫られている。ところがほとんどのプレイヤーはそれに気がつかず、ただひたすらに勝負熱に浮かされ「自分自身を見失って」いく。自己認識の欠如が及ぼす影響は、ギャンブル的(リスクが高くなる)要素が強くなればなるほど大きくなり、結果的に勝負に勝つことはまず不可能となる。
【2】"欲"をコントロールするのは難しい
投機やギャンブルで勝つことが出来ない人には明確な共通点がある。それは「お金という欲」に駆られると、自分自身を制御できなくなるという点であり、己の精神力の「甘さ」や「弱さ」に大きく起因している。馬券も「タラレバ」の期待感だけで儲け続けられるほど甘くはなく、自己認識が欠けた状態での「マグレ当たり」は続かない。それどころか、将来的にはその儲けの何十倍もの損失を負うことになるだろう。また、過去に有料予想会社に申し込み、酷い目にあった経験者もいるかもしれないが、どれだけの信用があるかも分からず、雑誌や新聞の広告を鵜呑みにしたことと思われる。だが、「広告のないところに出版は存在しない」という事実認識さえ持ち得ていれば、安易に申し込みもしなかったはずだ。元々がその手の広告が多い業界であるうえに、折からの出版不況から「広告主」が激減。出版側には広告主の「質」を問う余裕もない。痛い目にあった側も「誰の利益のために発せられた情報か」を考える暇もないほどに、「楽して儲けたい」という気持ちが先走っていたと考えられる。しかし、それでは幾度となく高額な「人生の授業料」を支払っても、「他力本願」体質から抜け出すことは出来ない。これは他の投資話でも同じで、マルチまがいの詐欺に1000億円以上の出資金が集まる話と根源的レベルは変わらない。それほどに「お金という欲」をコントロールするのは難しい事なのだ。【3】自信の持てる投機環境
投資において「勝ち組」となるには他人よりも優れた戦略が必要となってくるが、いかに優れた戦略やテクニックを駆使しようとも、それを支える「精神力」や「規律」が欠けていれば全く意味のないものとなってしまう。精神力や規律を保つ為には「自己認識」こそが必要不可欠であり、いかに早い段階でその事に気づくかが重要。ただ皮肉な事に、投機やギャンブルは結果でしか「潜在意識を含めた自分自身」を顕在化させない。それを待っていては、自分自身を知る前に散財する事にもなりかねない。同じ忍耐と費用を必要とするのならば、まず自分自身への「自己投資」を行い、自信の持てる投機環境を整えて臨む方が、お金と時間の面からみても高い効率効果が期待できるのは当然だ。『無知の偶然、識者の必然』
【1】「必然」であることも事実
勝負事は「運」について語られることが多く、ギャンブルにおいては「あの人には博才がある」などと表現されることもある。「運」は偶然の産物であり、偶然を計算する事は不可能とするのが一般的な考え方。しかし、時として一見「偶然」と思える結果も、その当人にとっては至って「必然」であることも事実なのだ。
例えば、大洪水や日蝕は未開人にとっては、神の成せる業か偶然にしか過ぎないが、天文学者や気象学者にとっては予知できる必然であろう。ここでの必然と偶然の差というのは、個々の知性や知識のレベルの差であって、素人にとっては「偶然」でも、スペシャリストにとっては「必然」である事が分かる。ギャンブルに挑むプレイヤーの大半は「偶然」や「運」頼りの傾向が強すぎ、たとえ結果が悪かったとしても、全てを運や偶然のせいにして、自分の怠慢や努力不足を省みる事が少ない。勝負事に必要となる「自己規律」とも無縁であり、「精神力」が鍛え上げられることもない。純粋に運のみに左右されるゲームであれば問題ないが、プレイヤーの実力が問われるゲームではまず勝つ事は不可能だろう。実力がないのにスペシャリストと同じ土俵に上がろうとするのは、「無謀」としか言いようがない。
【2】無頓着な典型的ギャンブラー
また、勝負事では「感」や「ひらめき」という言葉も耳にする。「やっぱり、嫌な予感が当たった」というのもひとつの例だ。「感」や「ひらめき」というのは、確率を代表とする数学的見地とは両極に位置するもので、「ギャンブラーの迷信」の代表的愚考と捉えられている。しかし、優れた投資家にも似たような「違和感」は時折起こりえる。
それはトレードに集中することで生み出される刺激が、過去の経験から学び取った記憶を呼び起こそうとしているときに感じるものであり、一概に根拠のないものと片付ける事は出来ない。「違和感」は「リスク回避」の先導役となるものも多く、「ギャンブラーの迷信」の一括りで切り捨ててしまうのは早計。ただ、経験に基づいた「潜在的な知識」を呼び起こす程の自己研鑽には、相応の正しいやり方が必要になってくる。『勝った事は覚えているが、負けた事は覚えていない』という、お金に関して無頓着な典型的ギャンブラーであり続ける限り、自分が思い描く「理想の姿」に近づく事などありえるはずがない。
『高いレベルの信頼度』
【1】馬主にとって競走馬は「サイコロ」なんかではない
競馬における情報を収集していく上で絶対に無視できないのが、複雑に絡み合う主催者側のシステムだ。プレイヤー側からみた話となるが、競馬を「最大18面体の偏りのあるサイコロが振られる」ゲームと例えた場合、「胴元」となるJRAの他、「サイコロ(馬)」に関わる厩舎、馬主、生産者という存在が大きくクローズアップされてくる。そこには馬券の払い戻しとは関係のない「マネー」が深く関与しており、公に認められた賭式行為(宝くじ、サッカーくじ、パチンコ、競艇、競輪、オートレースなど)の中でも異色ともいえる構造である事が分かる。もちろん、馬主にとって競走馬は「サイコロ」なんかではない。
【2】ここに集まる「情報の質」
美しい言い方も存在するかもしれないが、「経済動物」というのが最も適したものだろう。JRAも競走馬なしには事業運営は成り立たず、そのような中で「馬主」は生産者から馬を購入し、預託料を支払って厩舎に馬を委ねるという、恒常的な経済負担を求められる「インサイダー」でもある。投資家の情報管理において「お金に関する情報の流れ」が最重要視されるように、ここに集まる「情報の質」というのは、まず「部外者」では手に入れられないレベルのものである事は言うまでもない。
『長期的な展望』
【1】優れた投資家になる
下手なギャンブラー同様に、失敗する投資家の多くは「金儲け」に没頭し、通過点での勝ち負けに一喜一憂しているが、長く続いていく勝負の中で、「ある時点」でどれだけ「儲けた」とか「損をした」とかいうのはたいして意味を持たない。優れた投資家というのは「最終的に勝負をトータルで勝つ」という意思のもとに、「さらに優れた投資家になる」ことに多くの時間とお金を費やしている。優れた投資家になる事こそが、永遠の勝ち組への「近道」である事を知っているのだ。
【2】自らを不幸の淵に立たせる
投資や投機同様に、馬券も技術介入の巧拙に大きく左右される。良い運用先(勝負レース)を見つけ、安定した成果を挙げ続けるには、プレイヤー自身の「優劣」が最大のポイントになる。つまり、「優れたプレイヤーになる」事こそが「勝ち組」への絶対条件となってくる。「展望なき者」というのは、短期間にどれだけ儲かったとしても、最終的にその倍以上の損失を負い、自らを不幸の淵に立たせる事になるだけだ。
『情報の質と価値』
【1】競馬において「情報」と向き合うという事
「内部関係者になれないのなら、ずっと部外者のままだ。勝てるわけがない。とにかく情報を持って来い」。株に絡んだインサイダー取引を描いた映画『ウォール街』での台詞だ。株価同様、馬券においても「情報」が及ぼすマーケットへの影響は計り知れない。これは他のギャンブルと競馬を隔てる大きな要素でもあり、競馬が「情報戦」である以上、プレイヤーの「情報管理能力」が大きく問われるのは当然の事だ。しかしながら、競馬において「情報」と向き合うというのは実に厄介な問題でもあるのだ。
【2】いかにして「質の高い情報」を手に入れるか
まず、情報の多くの発信源となるのが、厩舎という「閉ざされた村社会」である事。次に、情報の流通経路がJRA広報を除けば、競馬専門紙やスポーツ紙に限定されており、客観性に欠ける記事内容が大半である事に加え、それらの情報が「事実上全ての人が入手可能なもの」であるが故に、情報の価値レベルが「極めて低い」ものとなっている現実だ。
このことからも、「部外者」であるプレイヤーが手に出来る情報は限定されているだけでなく、その「情報の質」自体にも大きな問題があることが分かる。質の悪い情報は「人の富」に悪影響を与える。「優れた投資家」がより良い情報を求めるように、プレイヤーもいかにして「質の高い情報」を手に入れるかが大きなポイントとなる。だが、その前に「情報の質」について正しく理解しておかなければ、間違った入り口へと迷い込んでしまう。
【3】多くの競馬ファンが「情報」と認識しているもの
「情報の質」の判断基準としては、「鮮度、信憑性、量、タイミング、現実性」などが挙げられる。「鮮度」は情報のスピード、「信憑性」は情報源の信頼度合い、「量」は取り扱う情報量の多さ、「タイミング」は最も効率を発揮できる時期、「現実性」は実際に起こりえる確率、といったところだろうか。これを踏まえて自らが手にしている「情報の質」を計り知る事が出来る。そこで、多くの競馬ファンが「情報」と認識しているものを再考して欲しい。
【4】的中しない限り
代表的なものとして挙げられるのが、競馬専門紙などに掲載されているものだろう。馬柱の着順、「ぶら下がり取材」で得た厩舎コメント、指数やコンピといった「根拠のない数値」、複数のトラックマンによる適当な予想。これらはお金を出さないと得られないほど「価値あるもの」と言えるだろうか。また、「裏情報」を謳う高額な有料サービスについても、そのあいまいな信憑性からも「情報の質」は競馬新聞のものと大して変わらないのは察するに明らか。情報に対する対価コストという面からも、得る事の出来るものが「単なる買い目」のみであったとすれば、的中しない限りはその「対価」自体に大きな疑問が出てきて当然である。
『ニュースの裏側』
情報会社の社員は馬券で生計を立ててはいない
売り上げ不振から、競馬専門紙が一般スポーツ紙への情報提供を半減させた現在、競馬に関する情報は以前に増して重要視される向きがあるが、「質」的に問題のある情報を盲目的に崇拝するのはあまりにも危険で、「圧倒的人気馬の凡走」というのは、この極みと言える。そもそも、競馬におけるマスコミジャーナリストの立場は弱い。少しでも下手な事を書こうものならば、「取材拒否」で仕事が成り立たなくなる。トラックマンや情報会社の社員は馬券で生計を立てているわけではなく、会社からの給料によって生計を立てているのだ。
「部外者」たちが馬券で大負けした話はよく聞くが、彼らが馬券で家を建てた話など聞いた事がない。「元関係者」というのも同様で、村社会的な現場を離れてしまえば、失ってしまう現実の方が大きい。時々雑誌の広告で見かける「元関係者という名義貸し」に手を染めてしまえば、現場から疎まれる事となり、「良い話」が聞けなくなるのも当然の事。
「インサイダー情報」というのは「ある特定の人のみが入手可能な内部情報」である事を指すが、その質は「インサイド(内部)に近いほど高く、価値がある」という事実認識が不可欠だ。その為にも「部外者」であるプレイヤーは、情報管理には常にフィルターを掛けることを怠らず、不要な情報による混乱を避けなければならない。必然的に、「質の高い情報」をどこから手に入れられるかを知る事が、プレイヤーの使命となる。
『インサイダーの格』
情報を手にするのは大口の投資家
見落としてはならないのは、馬主にも「インサイドに対する格差」が存在する事だ。協会理事クラスの要職を兼ねるような、毎年20頭を超える新馬を投入する大馬主や、20年以上の長期に渡り競馬会に寄与してきたキャリア馬主がいる一方で、既得権やステイタスにしがみついた、共同所有で数年に1頭程度しか馬を持たない「資格」だけの馬主も相当数いる。
所有してきた馬の頭数と質は、厩舎や生産者との関係の深さに直結すると言っていい。相場の世界でも同様の事が言えるが、情報を手にするのは大口の投資家であり、小口投資家が情報を手にする可能性は極めてゼロに近い。同じインサイダーであっても、その「格差」に雲泥の差があるのは当然である。信頼できる「オーソリティ」からは「質の高い情報」を引き出すことが可能であり、質の高い情報にはそれだけの「価値」がある。
『マーケットの正しい理解』
【1】オッズは当たって初めて「配当」
「優れたプレイヤーが増えてしまえば、最終的に自分たちの首を絞めてしまうのではないか」という意見があるとしよう。これを盲目的に肯定するようなタイプは予想会社の「限定情報」に釣られ、高額なコースへと導かれる恐れがある。
「配当が下がる恐れがあるので…」というのは素人相手の戯言だ。馬券発売前にオッズを予測するのは難しく、オッズは当たって初めて「配当」となり、それ以外はただの数字でしかない。相手に気持ちを見透かされ、「当たったつもり」の話に乗せられている。そもそも、オッズを大きく動かせる程の金額を投入できる人間がどれだけいるというのだ。もし、大金を投入できる人が大勢いたとしても、それに伴ってマーケット自体が大きくなっている事に気づかなくてはならない。
【2】魅力的なマーケットが再生される
馬券というのは、株のように「誰かが売らない限りは買うことが出来ない」という世界とは違う。抽選式のように「当たりの本数が決まっている」ものでもない。好きなだけ買うことが出来るし、それで当選者が減る事もない。マーケットは限りなく拡大していくために、馬券が売れれば売れるほどテーブルのお金は増えていくことになる。午前中の売れないレースでは大口投入の影響は受けやすいが、ビッグレースになるほどにその影響は小さくなる。
どんなに売れないG�気任�130億円程度は売れている。数千万でどれだけの影響が出るというのだ。多くの場合、馬券は複数点購買が基本となっている為に、裏を返せば「負ける馬券」も同時に買っていることになる。そうしてマーケットは更に拡大していくのだ。「優れたプレイヤー」が増加する事はマーケットの拡大につながり、全てのプレイヤーにとっても魅力的なマーケットが再生される事に他ならない。
『多角的分析ノウハウ』
【1】自立出来るプロセス
しかし、インサイダー情報だけで「馬券のリテラシー」全てをフォローするというのも現実的には無理がある。それだけで完結する話なら「買い目」だけを提供すればいい。サービスを提供する側から見ても、これ以上楽な話はない。
ただ、それではプレイヤー本人は一向に成長することなく、延々と他力本願に頼り続けなければならない。先にも述べたように「自己投資」とは、自らの「価値」を高め、「理想の姿」となる為のものである。その為には、各々のプレイヤーが最終的に自立出来るプロセスが必要となってくる。
【2】70〜80％が「負ける」という事実データ
それを補うのに必要になるのが「分析テクニック」や「馬券のスキル」であり、その引き出しが多いほどに「情報への裏付け」が取れる事になり、「馬券の精度」は高まっていく。重要なのは、どのような視点から競馬を見ているかという事だ。
例えば、競馬ファンの間では、騎手や調教師といったカテゴリーでの勝率や連対率データを重視した予想が主流になっているようだが、誰もが容易く手に入れられるようなやり方で勝てるようなら苦労はしないし、たいして役に立たないものが「分析テクニック」と呼べる程のものかを考え直す必要がある。最高勝率賞を受賞した騎手の実績が2割あったとしても8割は負け、連対率が3割近い優秀な厩舎でも7割は連を外すのだ。70〜80％が「負ける」という事実データを知ってどうしようというのか。
【3】どのようなスタイルで馬券に臨むか
当サービスでは独自の視点からレース分析を行い、無理なく少しずつ「分析テクニック」や「馬券のスキル」の理解を深め、最終的にはプレイヤーが「馬券のリテラシー」を獲得できる事を目標に支援を行っていく。実戦の馬券においても、少額資金(2000〜3000円から)でも十分対応できるように配慮してあるが、最終的にどのようなスタイルで馬券に臨むかはプレイヤーの意思に一任している。
『挑戦する意思』
【1】「楽して儲けられる」話などない
このサイトには外部へのリンクが張られていないし、外部からのリンクも認めていない。現状を打破しようと自らに向上心を課し、情報を探し求めた者でなければ、このサイトに辿り着く事はない。もちろん、ひと通り目を通してみて、納得できないのであれば去っていく事も自由だ。しかし、どこに行ったとしても「楽して儲けられる」話などない事も肝に銘じておく必要がある。
【2】「価値」について熟考する
雑誌や新聞、予想サイトにおいて大々的に展開されている「儲け話」が真実かどうかは考えれば分かる。証券マンがいい例えで、「投資に興味がありませんか。良い情報があるんです。絶対損はさせません」。その結果はどうだ。「本当に儲け話があるのなら、自分で買ったらどうだ」と考えるのは、どの世界でも同じだろう。
また、書店やコンビニには「○○日で○○億円稼ぐ方法」、「短期間で数億円儲ける方法」などキャッチコピーの本が数多く並んでいるが、誰もが再現可能な「常勝の運用法」がそんなところで手に入れられるわけがない。そもそも市場のパイが変化しないのに皆が同じ事をやれば、寡占により儲かるものも儲からなくなるは当然の話だ。まず、サービス内容や料金の明示がない、曖昧な内容しか書かれていないというケースなら、近寄らない方が賢明である。サービス内容と対価のバランスは重要だ。自らが受けられるサービスを確りと認識し、その「価値」について熟考する必要がある。
【3】良いニュースは小さな声で語られる
ビジネスやトレードに限らず、「成功者」に共通しているのは「努力」と「忍耐力」。しかし、間違ったやり方にいくら力を注いだところで、「負けるための投資」を続けているのと同じ事。冷静になって自分に問いかけてみるべきだ。「今までのやり方は間違ってなかったのか、自分はどうなりたいのか」と。自らを成長させるためにどこで何を学ぶのか、それが他にあると思えばとことんまで探し続ければいい。しかし、忘れてはならないのは「良いニュースは小さな声で語られる」という真実だ。
『自らを進化させる』
【1】馬券における勝負というのは「結果が全て」
失敗した投資というのは「投資対象」に原因があるのではなく、「投資家自身」そのものに原因があるケースがほとんどである。しかしながら、多くの「敗者」は「自分自身に責任はない」と憤り、責任を他に求めようとする。
これではいつまで経っても自分を成長させる事など不可能。「都合の良い」ターゲットにされるのがオチだ。自らの資金運用について自己責任を持てない者は、最初から勝負の土俵にすら上がっていないと言ってもいい。馬券における勝負というのは「結果が全て」であり、その「結果」のみが正しい事を認識すべき。「勝つか負けるか」であり、言い訳がましい講釈が入り込む余地など微塵もない。
【2】「学ぶ」努力
多くの競馬ファンが「自分自身を成長させる」という点において、時間と費用を掛けてきたかは甚だ疑問である。競馬新聞や情報紙、有料予想会社に至るまで、長年に渡り多大なコストを掛け、その「対価」として何を手に入れたかを省みれば答えはすぐに分かるはずだ。
それが単なる「掛け捨て」になっていたのであれば何の意味もない。時間と共に「お金をドブに捨てていた」のと同じだ。レースの単勝オッズを眺めていると溜息が出ることがよくある。
「このレースは素人ばかりが参加しているのか」。馬券購入者の大半はある程度のキャリアあるプレイヤーで占められているにもかかわらず、「常識」では勝てるはずのない馬が「圧倒的人気」に推されていたりする。「いったい何を学んできたんだ」。市場で「大儲け」するのは簡単な事ではない。人より「抜け出よう」と思えば、「学ぶ」努力は必要になる。技術介入の差が結果を大きく左右するのならば尚更である。
【3】「勝ち組」へ
競馬ファンはあまりにも「自己投資」に無関心すぎた。競馬のゲーム特性を考えれば、もっと効果的に自らを成長させられる方法があるはずなのだ。「自己投資」は成長の速度を加速度的にアップさせる。まず、「何が得られて、何が身につけられるのか」を認識し、もっとその「価値」に注目すべきだ。娯楽に使ったお金は消えていくだけだが、自分の将来に投資したお金は「自らの価値」を高め、「勝ち組」へと導いてくれる必要資金となるはずだ。
『自らに託す未来』
【1】自分の将来を自分で守る
折からの世界不況や脆弱な年金システムにより、日本人が痛感させられたのは「国や会社に依存しているだけでは、自らの将来は保障されない」という現実である。元々日本はOECD(経済協力開発機構)加盟国の中でも、GDP比に対する社会保障レベルが下から数えたほうが早い国。加えて、日本国内のマーケットに見切りをつけてしまった各業界の有力企業が、中国やインドへの事業展開を急拡大。状況は更に加速度を増した。悪化した失業率には回復する要因が見当たらず、深刻な社会問題となっている今、「自分の将来を自分で守る事」は現代社会において、避けては通れない最重要課題である事は間違いない。
【2】レバレッジの効いた運用
そのような中で、個人の資産運用も大きな転機を迎えようとしている。ギャンブル的要素の強い金融商品に注目が集まる中、政府は金融教育を持って自己管理に努めるように指導。「甘い汁」に誘われた素人投資家に対し、警鐘を鳴らし続けている。運用対象が何であれ、「術なき者は得るに足らず」であり、「自らの価値」が問われていると言っていい。
「価値」に気づいているものは自らを成長させ、「目標」へと邁進していく。今ある資金の大小など関係ない。どんなに資金が少なくても、レバレッジの効いた運用が可能であれば、資金は容易く増大しえるし、逆にどんなに資金が豊富であったとしても、自らが「愚か」であれば最終的に全てを失うことになる。
砂時計の砂粒は静かに、それでも確実に落ち続けている
今まで競馬を含めて、上手く資産を運用できなかった人も多いだろう。しかし、歴史上の偉人たちの例に漏れず、多くの間違い、失敗、屈辱、孤独を克服してきた者のみに差し出される勝利の美酒もある。「ダイヤは荒砂によって、人は逆境によって磨かれる」。
限りある資金を全て使い果たしてしまう前に、チャンスを逃さない為に、そして何よりも「自分の将来を自分で守る」為にも、岐路に立つ自分が身に付けられる「術」について考え、取り組まなければならない。こうしている今でも、砂時計の砂粒は静かに、それでも確実に落ち続けているのである。