対北制裁:「厳しすぎても弱すぎても問題」(上)

通常兵器、ぜいたく品などが対象に

強制力のない行政命令のため、第三国に制裁への参加を強要できず

 米国務省のアインホーン不拡散・軍縮担当特別補佐官兼対イラン・北朝鮮制裁担当調整官は2日、ソウル市内で、哨戒艦「天安」沈没に伴う米国による対北制裁の内容と方法について明らかにした。核兵器やミサイルなどの大量破壊兵器(WMD)に関連する北朝鮮の違法行為に対しては、従来の国連決議と米国の国内法を強化して対応する。また通常兵器、ぜいたく品の輸入、偽造紙幣、麻薬などに関しては、新たな行政命令で制裁を行う方針だ。アインホーン調整官は新たな制裁対象となる北朝鮮の企業や個人は名指ししなかったが、米国は数週間以内にこの問題に関する「ブラックリスト」を公式発表する予定だ。

行政命令により通常兵器、ぜいたく品、偽造紙幣を狙う

 米国が新たな行政命令によって制裁措置を行うのは、通常兵器の取引、ぜいたく品の購入、偽造紙幣・麻薬・たばこなどに関する違法行為の三つの分野だ。北朝鮮だけをターゲットとするこの行政命令が、これら3分野に関与する北朝鮮企業や個人を名指しすれば、同時にそれらの米国国内の資産が凍結される。

 米国の従来の行政命令13382号は、核兵器やミサイルなどの大量破壊兵器の取引に関するものだった。13382号は23の北朝鮮政府機関や個人を対象にしているが、新たな行政命令はこれ以外の北朝鮮政府機関や個人も対象となるため、制裁対象は数十にまで広がる見込みだ。アインホーン調整官は、「北朝鮮は違法行為を通じて数十億ドル(10億ドル=約870億円)の外貨を稼ぎ出している」と述べた。北朝鮮と違法行為を行っている第三国に対して米国は、「今後も北朝鮮との取引を続けることは危険だ」という警告のメッセージを伝え、北朝鮮の孤立を誘導したい考えだ。

米国で北朝鮮制裁を担当する二人。ソウル市竜山区の米大使館資料情報センターで2日、米国務省のアインホーン対イラン・北朝鮮制裁担当調整官(右)と、米財務省のクレーザー副次官補が記者会見を行った。/写真=李泰景(イ・テギョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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