06/05/30 | |||||
去る平成十八年五月二十一日、阿武松部屋において、東京後援会の主催により五月場所千秋楽打ち上げ、並びに梓弓の断髪式が執り行われた。 まず、打ち上げに先だって六時半より、先に引退した大名氏の司会により、梓弓の断髪式が行われた。 稽古場中央にしつらえられた椅子に梓弓が大銀杏姿で座り、そのまわりに囲むように列席者が座り、司会の進行に随って、阿武松部屋顧問荒木勇市長、佐藤正巳氏、鈴木喜代秋氏、東京後援会会長黒須弘道氏、埼玉後援会会長近藤哲可氏以下、約40名の方々が次々にハサミを入れ、力士代表片山関、同期代表古市、梓弓の父である山本忠男氏と進み、最後に親方がとめばさみを入れて断髪の義は終了した。 この後おかみさんより花束が贈呈され、花束を抱えた梓弓と並んで、親方が挨拶に立った。親方はご列席していただいた皆様へ感謝の意を表するとともに「梓弓は怪我が多く、関取になることは出来ませんでしたが、人の痛みがわかる男なので、引退した後も、力強く人生を歩んでくれるものと信じます。」(要旨)と、梓弓へはなむけの言葉を贈られた。 梓弓はこの後整髪のために一旦中座し、会場は五月場所千秋楽打ち上げへと移った。司会は東京後援会の溝口尚史氏に替わり、先ず主催された東京後援会の黒須弘道会長より挨拶があり、続いて来賓の習志野市長荒木勇氏、大阪古市道場主催の古市盛人氏、専修大学相撲部監督大野孝弘氏が挨拶並びに激励の言葉を述べられた。続いて千葉後援会副会長中山貢氏の発声で乾杯、その後各テーブルにしつらえられたちゃんこ鍋に舌鼓を打ちながら、なごやかな会食となった。 食事をしながらの余興では、歌のゲストとして阿武松部屋名誉顧問である故中山大三郎氏の最後のお弟子さん、暁恵(あかつきめぐみ)さんが、持ち歌である「悲しき豆満江」などを披露し、八木ケ谷とのデュエットでも息のあったところを見せた。親方も飛び入りで「居酒屋」をデュエットし、会場は大いに盛り上がった。 そうこうする内に整髪を終えた山本氏がスーツ姿で颯爽と再登場。なかなかのいい男である。各後援会からご祝儀をいただいた後、「これからは人生の横綱を目指して頑張ります。」と力強く御礼の言葉を述べた。 山本氏にとって、本日の後援会の皆様の心温まる門出の宴は、生涯の宝となるであろう。この日の阿武松部屋は、いつまでも華やかな笑い声が続いた。 |
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先ずは阿武松部屋顧問の荒木習志野市長にハサミを入れていただく | 故田久保千葉後援会長の奥様田久保しずえさま | ||||
大阪場所宿舎を提供していただいている山田正雄氏夫人悦子さま | 古市道場主催、古市の父君である古市盛人さま | ||||
同期代表古市 | 部屋代表片山関 | ||||
梓弓の父君山本忠男さま | 最後に親方がとめバサミを入れる | ||||
親方はご列席に皆さまに感謝の意を表し、山本君に「人生の横綱に」とねぎらいと激励の言葉を贈った。 | |||||
おかみさんより花束贈呈 | 千葉後援会副会長中山貢氏の発声で乾杯 | ||||
専修大学相撲部監督大野氏他OBの方々、埼玉後援会長近藤哲可氏等とちゃんこを囲む片山関 | 多くの方々が、梓弓の断髪に駆けつけてくださった | ||||
ちゃんこの出来も上々のようです | 歌手暁恵さんとうれしそうにデュエットする八木ケ谷 | ||||
親方も弟子には負けていられません。居酒屋を熱唱 | 先場所断髪をした大名氏が山本氏のプロフィールを紹介 | ||||
千葉後援会長黒須弘道氏が最後に激励の言葉を贈る | 黒須ご夫妻と。山本氏のスーツ姿がなかなか堂に入ってます | ||||
梓弓プロフィール | |||||
梓弓俊作 奈良県吉野郡吉野町出身 昭和50年7月20日生れ。小学校・中学校時代は野球部に所属、平安高校・帝京大学でアメリカンフットボールの選手として活躍した。大学卒業後の平成10年3月場所、阿武松部屋に入門。平成15年3月場所で、自己最高位の幕下31枚目まで番付を上げたが、平成16年1月場所で左膝を大怪我し、一年半の休場を余儀なくされた。その間番付外に落ちたが懸命にリハビリに努め、平成17年9月場所で復活を遂げ、みごと序ノ口優勝し、その後番付を三段目まで戻したが、平成18年3月場所前に肉離れを起こし、引退を決意した。 |
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梓弓大銀杏 | |||||
これまで阿武松部屋大阪場所の宿舎は、大阪後援会の山田正雄氏のご厚意で、大阪市住之江区平林に所在する、山田氏の経営する会社の倉庫を改良し使わせていただいていたが、この度同氏のさらなるご厚意で、同地に四階建ての宿舎を建設していただき、本年三月の大阪場所から使わせていただくことになった。一階は倉庫、二階が稽古場、三階がチャンコ部屋、四階が応接室と個室などになっている。 三月場所前の三月五日には、大阪府交野市にある古市道場(古市の父古市盛人氏が主催する相撲道場)のチビッコたち九名が稽古に参加し、力士たちの胸を借りて、楽しい中にも充実した稽古をすることができた。 この素晴らしい環境が功を奏したのであろう、三月場所は片山関はじめ十二人の力士が勝ち越した(負け越しは八名)。今後も山田氏のご厚意に報いるべく、力士たちのさらなる精進に期待したい。 |
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真ん中の建物が新築された阿武松部屋大阪宿舎 | 大男達の大集団だけに、基礎がしっかりしています | ||||
二階の土俵、壁板が芸術的です | 三階のちゃんこ場。広く使い勝手もよさそう | ||||
大阪場所前、古市道場のちびっ子たちと合同稽古。片山関に元気にぶつかっていく | 古市道場の大先輩、あこがれの古市を前に、少し緊張気味? |