2010-01-08
人の価値は相場で決まる エンゼルバンクの言いたいこと
2050年には40%以上が65歳以上になります。投票権は過半数がリタイアした老人たちが握ることになります。そのような老人達が利己的な政策を選択した場合、国の老化は急速に進み、老衰にむけて一直線に進んでいきます。何故このような状況が引き起こされているのでしょうか。
現在、日本においては基本的に若い人の給与が低く、中高年などの経験が長い人の給与が高くなっています。この年功序列はシステム安定を維持するためには若年世代から中高年世代へ利益誘導を行い調整をする必要があります。つまり実力以上の給与をもらっているおじさんたちであっても、実力以下の給与しかもらっていない若者達が補填しなければならないのです。
実力相応かそれ以下の年収を貰っているおじさんなら何も問題は起こりません。しかし、実力を伴わないおじさんがイスにしがみついている場合が問題になります。このおじさんは、会社を離れるというのは、非合理的です。絶対に辞めません。会社の意思決定を行っている人が実力より年収が高い人たちだったら、この年功序列システムは絶対に変わりません。
おじさんを守るために未来のある若者が割りを食うという構造は、雇用だけでなく、年金、保険、国債など、日本の政治経済のあらゆるシステムに適応されています。なぜこのような年功システムがあちこちでとられているのでしょうか。それは人口増加と経済発展を当たり前とした社会構造を前提として生まれているからです。
年功システムは、人口が増加しているとき維持可能です。
いずれのシステムにおいても少数の老人ならば多数の若者で支える事ができるからです。ところが、人口増がマイナスになると、若者を級数的に負担が増します。少人数の若者で、多数のおじさんの権益を支えなければならないからです。繰り返しになりますが、おじさんが自らの権益を手放して、フラットに若者と張り合うならこの問題は起こりません。このような世代間に争いが起こりそうな事態に対して私たちが採りえる選択肢は2つあります。
おじさん達に海外に流れてもらうか。移民政策で新しい若者を増やすかです。
いずれにせよ、マイノリティになりつつある若者がおとなしくしている以上、『報われる』日など永遠に来ません。保守経済構造自体を破壊するイノベーションを目指して行かなければ、食べることすらままならなくなる可能性もあります。きつい言葉になりますが老人政権、老人企業を若返らせ、旧世代が作った枠組みをフラットに作り直す必要があるのではないでしょうか。
いまの苦境を打破するには「世代間格差是正」だと思います。既存の物差しを破壊して自由競争を取り入れて再構築されることで、新たな合理的な均衡点を迎えることだと思います。能力のある憂国のオジサンたちは賛成してくれると思います。そしてその世代間格差はまもなく修正されていくことだと思います。団塊の世代の大量退職がそのブレイクポイントです。
参考文献
- 作者: 海老原嗣生
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参考記事
http://d.hatena.ne.jp/potato_gnocchi/20100125/p1