哨戒艦沈没:「誰かが真実を語るべき」
論文を公開した宋泰鎬教授
「でたらめな主張で国が揺さぶられるのをただ見てはいられなかった」
宋泰鎬(ソン・テホ)韓国科学技術院(KAIST)教授は、哨戒艦「天安」を攻撃した魚雷に残った「1番」という文字が、爆発時に燃えたり溶けたりしなかった原因を科学的に明らかにすると決心した理由について、「専門家の誰かが真実を語らなければならない、と思ったから」と述べた。宋教授は、雑誌『週刊朝鮮』最新号(9日付)のインタビューで、「わたしが魚雷の温度を計算した過程は、一般人の目で見ると、複雑な数式がぎっしり詰まった難しい内容に見えるかもしれないが、機械工学に関する若干の学問的背景さえあれば、簡単に読んでうなずける水準。“1番”の文字は燃えてしまったはずだと主張する人々は、わたしたちの学問水準を考えず、出しゃばり過ぎたのではないかと思う」と語った。
宋教授は、バージニア大のイ・スンホン教授らが「魚雷の爆発時に発生した熱のうち13%さえあれば、魚雷の温度は150度まで上がる」という趣旨の主張を行ったことについて、「でたらめだ」と語った。宋教授は、「13%という数値を提示した根拠も見いだせず、熱伝導を専攻する人なら常識に属する“過度の熱伝導”現象をどう度外視しているのか、理解できない。(魚雷の温度が)150度という結論を導き出すために数式を作り出したとしか思えない」と語った。
宋教授は、「1番」の文字が書かれたディスクの実物を見るため、国防部にも足を運んだという。爆発時の魚雷の温度を解明するため、1カ月間計算に専念したという宋教授は、「計算の結果、いかに極端な条件でも、1番という文字は焼失しないという結論を得た。計算の過程を示した今回の論文を、同じ科の教授らに見せて検討を頼んだところ、26分で“正しいと思う”という答えが返ってきた」と語った。
李竜洙(イ・ヨンス)記者