文科省のスーパーコンピュータ、「地球シミュレータ」が、来年度で運用停止するそうだ。年間50億円も保守経費がかかるためだという。『未来を予測する技術』で佐藤センター長が自慢するように、かつては世界最高速を誇ったスパコンも、今年の世界ランキングでは30位。日本でも、東工大のTSUBAMEに抜かれたが、600億円という建設費はいまだに世界記録だ。
世界的には、TSUBAMEのようにPC用の汎用CPUを並列につないだグリッド・コンピューティングが常識で、地球シミュレータのようなベクトル・プロセッサを使った「大艦巨砲」型のスパコンは、もうつくられていない。ところが文科省は、1150億円もかけて次世代のスパコンを建設する計画で、もう予定地まで決まっているという。
野依良治・理化学研究所長は「国際競争に負けてはならない」などと技術ナショナリズムをあおっているが、問題は何のために計算するのかという目的であり、そのためのソフトウェアの開発である。目的さえ決まれば、汎用CPUをつなげば速度はいくらでも上がる。研究の目的を抜きにして、計算速度だけを競うのは意味がない。時代錯誤の「戦艦大和」をこれ以上つくるのはやめてほしい。
世界的には、TSUBAMEのようにPC用の汎用CPUを並列につないだグリッド・コンピューティングが常識で、地球シミュレータのようなベクトル・プロセッサを使った「大艦巨砲」型のスパコンは、もうつくられていない。ところが文科省は、1150億円もかけて次世代のスパコンを建設する計画で、もう予定地まで決まっているという。
野依良治・理化学研究所長は「国際競争に負けてはならない」などと技術ナショナリズムをあおっているが、問題は何のために計算するのかという目的であり、そのためのソフトウェアの開発である。目的さえ決まれば、汎用CPUをつなげば速度はいくらでも上がる。研究の目的を抜きにして、計算速度だけを競うのは意味がない。時代錯誤の「戦艦大和」をこれ以上つくるのはやめてほしい。
コメント一覧
http://www003.upp.so-net.ne.jp/ikeda/dotpc0709.html より引用
>次世代機をつくる予定はないようだから、地球シミュレータは「大艦巨砲」型スパコンの最後になるだろう。
池田先生の予想が的中という感じですね。
税金のムダ使い
いまどき、超大型スパコン、意味ないですね。
市販のゲーム機でもできてしまいます。
http://news.ncsu.edu/releases/2007/march/041.html
シグマ計画、250億円
第五世代コンピュータ、570億円
地球シュミレータ、600億円
税金のムダ使い、プライスレス。
物よりソフト(笑)
その通りですね。巨大戦艦を作るより一研究室に一台の小型スパコンが置けるよう援助して欲しいです。NECから1200万円でスパコンが発売されましたが、1200億円あればこれが1万台買えます(1万台レベルで生産すれば一台当たりの値段はこれより格段に安くなるでしょう)。これを日本中のめぼしい研究室に置き様々なシミュレーションを行わせれば研究がおおいに進むと思われます。
ごもっとも
さすが池田教授、いつもながら指摘が的確です。
この件に関しましては、土建利権をIT利権に下だけのものだと私は思います。もし新たに研究するのなら、グリッドコンピューティングのさらに先を研究するか、まったく新しい技術を研究しなくては意味がありません。
官僚にしてみれば、「建前」が手にいられたらなんでも利権に利用するだけであって、多分効果も始めから期待していないと思います。マスコミは情報処理技術を毛嫌いしているのか無知なのか知りませんが、こういう話題に本当に弱いですね。
本来ならこんな計画マスコミが亀田よりも大きく報道せねばなりません。多分調べれば、芋づる式に利権が吊るし上げられる事でしょう。
そういうご時世だからこそ、ベクトル型の技術を
保持・発展させていくことに意味があるのでは?
地球シミュレータの時にアメリカがスプートニク・
ショックに例えたのは、単に政治的なものではな
かったのではないですか?
建設中止に一票
文科省さんへ:
その「国際競争」とやらに勝って、どんな良いことがあるというのでしょうか?このご時世、スーパーコンピューターなど税金とエネルギーの無駄使いなだけです。同じ対艦巨砲主義で国際社会にアピールするのでしたら、世界最大の風車かソーラーパネルでも作ってみてはいかがでしょう?エネルギー不足や地球温暖化も少しは緩和できますよ。
役立たないの高価なスパコンは不要
以前,MacG5を並列に構成して,スパコン並みの性能を出した例とか,PS3のセルを多数利用してスパコン並みに使えるのは,我々の業界では常識です。スパコンは,電力が多く消費する超高速Bipolarトランジスタを使っているので,強制水冷が必須です。今のPCは,CMOSデバイスを用いているために消費電力は格段に少ないです。政府のスパコン開発(世界最高速の目標が主目的)にはあきれてしまいます。本来の目的は何をスパコンでシミュレーションするかに依ります。陳腐なコンピュータでも使い方で十分です。大体,シミュレーションする前に 研究者技術者は予測は経験をもとに出来ます。また,物理モデリングに依りシミュレーションの結果は,予測はどうでもなると考えられます。依然,米国の圧力でCrayスパコンを導入されられた事がありましたが,ワークステーションでほとんどの仕事はまかなえます。 以上,私見を述べました。できたら,ブログ作成者に承認を頂いて掲載されることを望みます。
専門と無関係ではないので突っ込みを入れさせてください。
地球シミュレータに代表される巨大ベクトル機でないと効率よく解けない問題から、巨大スカラクラスタ(=東工大TSUBAMEやBLUE/GENE L)に向いた問題まで、世の中にはさまざまな問題があります。
ベクトル機向けの問題の代表が気象に代表される流体系の問題。この手の問題は、東工大TSUBAMEやBLUE/GENE Lのようなスカラ機では効率よくは解けません。つまり、気象予測には地球シミュレータは間違いなく有益だったと考えられます。
日本国内のサイトでは信頼されないでしょうから、北米大気循環センターの報告書あたりが良いポインタでしょうか。
一方、スカラ機でも十分効率良く解けるのがMD(分子動力学=タンパク質の構造解析等のシミュレーション)や、全世界的に汎用スパコンの評価基準として使われているLINPACK。この手の問題は東工大TSUBAMEやBLUE GENE/Lが得意で、地球シミュレータではかなりのハンデがあります。そのハンデを乗り越えてまで(ベクトル機でありながら)2年半にわたり世界一の座を保持し続けた地球シミュレータには、600億円程度の意味はあるのではないでしょうか?
次期スパコンは両方の問題を効率よく解けるアーキテクチャとのことです。それ自体はどうかと思いますが……
……もっとも、MD(や類似の中心力を扱う問題)がターゲットなら、日本にはTSUBAMEやBLUE GENE/Lなど価格・性能比が比較にならないような高性能スパコンがあります。その名はGRAPE。
地球シミュレータとほぼ同時期に軽々と地球シミュレータの計算速度を軽く超えたマシンを「一研究室の体力で」製作。総製作費はたった5億円です。
……ただし、重力多体問題しか解けません(=LINPACKが解けません)のでTOP500には入れません。。そのかわりに、価格性能比が高く評価される国際的な賞「ゴードンベル賞」を**何度も**獲得しました。
戦艦大和
という比喩は、実は某ITゼネコンの技術者から聞いたものです。もう時効だと思いますが、15年ぐらい前に、あるスパコンの専門家が、某社が気象庁に50億円のスパコンを随意契約で納入し、しかも実際の価格はその半分以下だった――という情報を教えてくれ、NHKの社会部がかなり取材したことがあります。
結果的には、決定的証拠がなかったのでニュースにはならなかったのですが、その情報は正しかった。その某社の技術者が「スパコンは、最初から採算なんか考えてないんだから、価格は役所の予算に合わせて決める。世界最高速のスパコンを気象庁に納入したということが大宣伝になるんだから、これは戦艦大和みたなもの」と言っていました。
ハードウェアが赤字でも、その某社製マシンでしか動かないソフトウェアで囲い込めるので、結果的には採算が取れます。ITゼネコンの常套手段です。それに、スパコンには実験的な技術が使われるので、データを取れる意味も大きい。
NEC の最新の SX-9 は銅配線の C-MOS ですよ。
http://www.nec.co.jp/press/ja/0710/2501.html
地球シミュレーターだって C-MOS です。
http://www.jaxa.jp/press/nasda/2002/ear_020308_j.html
一つだけいえるのは、大艦巨砲だからこそ国やるべきなのでは。スカラなら民間だけでもできるでしょう。
戦艦大和とバカにするけど、日本海軍の間違いは、むしろ勿体無くて大和を兵器としてマトモに使えなかったことです。
三大バカ査定
よく大蔵官僚が例えに出す無駄な投資の代表例が戦艦大和。次いで青函トンネル、伊勢湾干拓(または整備新幹線)。
ではPS3並べれば
Blog主も取り巻きももう少し知識をつけてから批判したほうがいいと思いますよ。
当初PS3は2TFlopsだと宣伝してましたが、それをまともに受けるなら、20台で地球シミュレータと同じ能力になるわけです。
どんな素人が考えても実際にはそんなわけないことは分かります。
単純にPCをたくさん集めれば出来る分野は知れています。
ベンチマークだけ優秀でも実際に使いたい分野(気候シミュレーションなど)でさっぱり性能が出なければ全く無意味。
基礎科学が無駄だというなら、お金で研究成果と諸外国の顰蹙を買えばいい。
象徴
戦艦大和はメルクマールとして金字塔ではありますし、日本人に与えた自信と、戦後の発展を支えた技術者の養成としての場所の提供、はたまた宇宙戦艦ヤマトへの展開、呉のヤマトミュージアムなどさまざまな波及効果を残しましたね。
ハード優先のスーパーコンピュータはいったい何を残すんでしょうか。ソフトウエア軽視の象徴として、第五世代コンピュータと同列のような気がします。メーカーへの補助金としての道筋の意味しかないのではないかと。
先進事例
ローレンスリバモア研究所やロスアラモス研究所みたないな、アメリカの核兵器の開発拠点はどんなコンピュータを使っているのかな。
少し前は、Pentiumをたくさん並べた機器を利用していたはずです。本邦メーカーの独自ハードは最初はニコニコ、後でどっさりメンテ費用を取られるから、あまり高い買い物は禁物でしょう。
価格対性能比と存在理由
スパコンを作ってる当事者たちは彼らのロマンで予算という名の税金を浪費しているだけですね
コンピュータの性能がトップスピード重視からフォールトトレラントへ移行したのは十年以上前からの常識です
まさか短時間でもトップスピードが出ればOKだとか本気で考えているのでしょうか
そろそろコンピュータの処理速度も単位時間当たりの総コストで計算するべきだと思います
まあNECや富士通と言った政府とがっちり癒着してる大企業が採算度外視でやりたい事やってるんだから誰にも止められないんでしょう
国内ではほぼ絶滅したと思われるラボ的な企業が未だに残っているかと考えるしか前向きな意見は出なさそうですね
池田先生、お久しぶりです。
計算サーバは短期開発が絶対条件なのに地球シミュレータは稼働までに4年間もかけてしまいました。だから完成した時点で失敗だったのです。
仮に計算性能が半分でもいいので2年間で稼働できていれば、2年間分の計算ができるわけです。つまり稼働から4年たった時点では、(開発に4年間かかった)地球シミュレータを2年間稼働させたのと同じだけの計算ができることになります。
当たり前ですが、ハイエンドのマシンは数も出ないので高価になりますが、半分の性能のマシンだったら数が出るので、お値段は1/4とか1/8とかになるでしょう。
結局、ランキングの上位を狙うためだけに無駄なお金をつかってしまったようなものでしたね。
もうひとつ補足です。
スパコンはレーシングカーと同じですごく扱いが難しいのです。パソコンとちがって電源をいれれば動き出すというものではなく、起動後、安定稼働するまでには時間がかかるし、安定しないマシンはリブートを繰り返したりします。だから一度安定稼働したスパコンはなるべく止めないのが鉄則で、計算していないときでも電源をきれるわけではありません。というわけで数あるスパコンの中でも、ダントツに電気を食う地球シミュレータは地球に優しくありませんでしたね。
国プロ
一応計算機畑出身ですが、600億円を一部の研究者の知的興味に使うのがいいのか、民間の趣味人が使う方がいいのかと思うと後者のほうがよいように思えてなりません。ベクトル型で精度のよい気象予測と知見にそれだけの価値があるのでしょうか。
費用対効果
技術屋さんの辞書には、コストパフォーマンスという言葉はないんですかね。納税者にとって重要なのは、ベンチマークで世界一になることではなく、意味のある目的を最少の税金で実現することです。「C/Pでは、20年前にベクトル・プロセッサはスカラに負けた」といわれています。
http://grape.mtk.nao.ac.jp/~makino/articles/future_sc/note053.html#rdocsect58
>技術屋さんの辞書には、コストパフォーマンスという言葉はないんですかね。
私、自動車メーカーの社員なのですけど、開発の同期が車バカばっかりです。早くて、丈夫で、カッコよくて、運転しがいのある(乗ってて疲れないという意味の乗り心地ではなく)のが「いい車」だと思っている連中ばかりです。
燃費がよくて、それなりに動いて、安く買える車は連中からすれば「夢がない」そうです。私はバカじゃねーのといつも思っています。
大和より零戦
Googleが短期間に巨大なデータセンターを次々と構築できたのは、安価なPC用の汎用CPUを並列につないだグリッド・コンピューティングの徹底活用のせいでしょう。使用されているCPUが未だにPentiumⅢクラスだと知ったら文科省の官僚はショックを受けるのではないでしょうか?
日本には価格と価値の違いを知らない連中が多すぎます。
昔の日本でいえば戦艦大和より零戦でしょう。しかし当の日本人が気がついていない。むしろ欧米人の方がゼロファイターとか言って評価している。情けない限りです。
気象予測に地球シミュレーターが向いているなら、600億円の価値はあるでしょう。
とてつもなく安いと思います。
ナンバーワンよりオンリーワン
コスト的に問題があっても、オンリーワンの魅力があればそれでよいような気がします。気になるのは(Flopsによる比較ではなく)流体シミュレーションの性能でのランキングです。池田先生はFlopsによる比較に執心されているようですが。そちらで上位に入っているならばベクトル型スーパーコンピュータが終わったと結論づけられないと思います。
本当にベクトル型スーパーコンピュータの役割が終わったというならば以下のいずれかが言う必要があると思います。
・スカラ型でもベクトル型と同等の性能(特に流体計算の性能)をより安く実現できる。
・流体シミュレーションは重要でない。もしくはコストが見合わないので科学者はもっと安いコンピュータで計算を済ませていた。
・実際には地球シミュレータが得意とする流体の計算で使われていなかった。もしくは利用者がおらず、電気とお金を浪費するばかりだった
地球シミュレータが計算速度だけを競うだけのために作られたというのは言い過ぎだと思うのですが。
こんなことするのなら・・・
こんなに予算の無駄遣いするのなら、個人発明家に5
億円ずつあげて、餓死の心配なく研究できるようにすれば幾らでも次世代技術を開発するでしょう。今個人発明家が次世代技術を死蔵しているのは、特許法があまりにも無駄なのと、大企業にただで強奪されるからです。それならば生命の安全さえ保障してもらえれば、次世代時術を出してもよいと思っている技術者は国内にも大勢居ると思います。私達発明家は、お金が欲しいから発明するのではなく、発明がしたいのに餓死するから仕方なく、つまらないものを作って命を繋いでいるのです。
ムーアの法則と減価償却期間
コンピュータではムーアの法則通り、1.5年でコストパーフォーマンスが2倍になります。従い、3年でコストパーフォマンスは1/4程度になるので、止むを得ないところもあります。
ベクトルプロセッサは特注品なので、汎用CPUを使ったスカラプロセッサよりC/Pが悪くなるのもやむを得ません。
汎用CPUを使ったオープンエンドなスカラプロセッサがやはりこれからの主流でしょう。
SONYのCell プロセッサは、IBMの次のスパコンに使われる予定ですが、これを使ったスカラプロセッサがいいのではないかと思います。
PS3は、のCPUとしては過剰品質であったようなので
勿体ないです。一部Gridかしてスパコンサポートをするようにしても良いと思います。
野依良治・理化学研究所長は、自分が名古屋大学長になれなかった(成らせてもらえなかったが正しいか)
私怨でもって、大学、大学院で最先端研究を遣り難く
成るような政策提言をしている御仁ですね。
で、当該研究は、自分の研究所でやるということでしょう。
シミュレーション予測は重要ですが?
友人にいるローレンスリバモア研究所は,主に以下のスーパーコンピューターを使っているそうです。元々,UCバークレーの核融合の研究機関が,国家機関に2年ほど前に改組したそうです。核融合・核開発はロスアラモス研究所と同じですが,新素材の研究にも使われています。たぶん,軍事用の兵器開発の基礎研究でしょうが。
IBM 7030 (Stretch), CDC 1604, CDC 3600s
CDC 6600s. CDC 7600s, CDC STAR 100s
Cray-1s, Cray X-MPs, Cray-2s, Cray Y-MP8s,
BBN Butterfly, Cray C90, Meiko CS-2, Cray T3D, IBM ASCI Blue Pacific, IBM ASCI White, ASC Purple, IBM Blue Gene/L, Peloton
安価なものでしたら勝手におやり
実際には、モデルと理論式を立てパラメーターの初期値を指定した段階で本質的な勝負が終わっているわけであり、予測通りか意外な結果が出るのか、コンピューターでその確認をしているだけのことです。スーパーコンピュータを使えば何でも予測できる、あるいは証明できるかのように、まるで神様にでもなったような、あるいは打ち出の小槌を手にしたかのような気になるのは傲慢というものです。
またよく陥りがちなパターンですが、シミュレーター等のコンピューターによる計算結果が現実をある程度再現したからと言ってその理論が絶対に正しいという結論をだせる論理には決してならないことには注意すべきです。また、気象の長期予測など、人間が知らない絶えず揺らぐ不確定要素が多すぎて、高所からテッシュ1枚を落としたときの落下点を予測するのと同様なことをやっている言われますが、そんな無駄な予測計算に時間と金を投じるべきではありません。短期の気象予測でも、当たっても外れても人間の生活に大した影響はありません。
安価なものでしたら勝手におやり下さいと言うところですが、そうではありません。その分の研究費(税金)を基礎研究を含めたもっと多くの別のテーマに分配することによって科学全体に多大な好影響があり得ると考えないのでしょうか。恐らく、いつも高額の研究費を湯水のごとく使っている先生方はそうは思わないのでしょうね。
技術者の夢
技術界に良い人材を得るには、高い給与より高い夢を与える方が効果的ですし、C/Pを高くできます。ベクトルでもスカラーでも、とにかく世界一速いスパコンを日本のお家芸にする事は、日本の技術者に素晴らしい夢を与えてくれます。月面着陸もF1優勝も、実用価値は乏しいが、プライスレスな価値があるからこそ、素晴らしいのですね。そういう意味で20年前のコンピュータ業界には、夢が沢山ありました。
人間の経済活動は、気候が予測不能な変動しないことが前提になされています。季節変動は既知の変動です。温暖化で各地域がどう変わるかは既知ではありません。変動がある場合、分配関係が相当に変動し、政治的な変化も誘発します。
戦略的な面も含めて重要なデーターですし、本来なら日本の外に出すべきではないと思います。
地球シミュレータの価値
600億円というのはちょうど今年の気象庁予算と同等ですね。
高価な大型機に投資する意味は、物量を投入しておこなった計算が、そうでないときと比べて質的な違いを生むかどうかです。つまり安いスパコンやPCクラスタを使って、精度が低いだけの同等の結果が出てしまうような計算にはあまり意味がありません。地球シュミレータ関連の報告書をいくつか見てみても、例えば
「地球シミュレータ中間評価に対するアクションプラン」:
> 結論:
:
> 地球温暖化等の地球科学分野やカーボンナノチューブ等の先進分野において、
> 地球シュミレータの出現により初めて可能となった高精度シミュレーションに
> より成果を挙げるなど、その存在意義を十分に発揮してきたと言える。
のように書かれています。もちろん精度は重要ですが、精度が上がるだけでは大した意味はなく、それ以上の「地球シュミレータならでは」の価値があったのか、あるいは気象庁予算に等しい投資成果があったのかが僕にはよく分からなかったのです。
RE: 費用対効果
見落としてましたが、
> http://grape.mtk.nao.ac.jp/~makino/articles/future_sc/note053.html#rdocsect58
牧野先生解説なんですね。
僕が言うのもおこがましいですが本物の計算機研究者と思います。
牧野先生も国プロには懐疑的のようですね。
技術者の既得権意識
私の経験では、技術者はコスト意識なしに「いいもの」を追求する傾向が強く、既得権意識が強い。そして今回のように外部から批判されると、「素人が何をいうか」と脊髄反射する。この短い記事にたくさん集まった「はてな」のネットイナゴの反応が、それを典型的に示しています。
中でもお笑いなのは、arakik10というイナゴで、この牧野氏のサイトを引用しながら、「科学計算とWebサーバか何かを同列にイメージしている愚論」と書いている。このarakik10こと荒木圭典は、岡山理科大学の知能機械工学科の助教授で、どうせスパコンがらみの補助金で食ってるんでしょう。匿名のつもりでも、頭隠して尻隠さずで、グーグルで調べれば身元はすぐわかる。文献を引用する前に中身ぐらい読め。
あいかわらず池田さんは意気軒昂ですね、いろんな面で。
ただ、方向性は正しいですが、ちょっとツメが甘くないですか?変にベクトル、スカラーなどと技術論をぶつと話が面倒になるだけです。
一番問題はここでしょ。何のために開発するのか。
日経の記事いわく、
「日本のスパコン開発力を世界に知らしめた。」ですが・・・。
正直、何のためだかまったくわかりません。「世界に知らしめる」と、産業競争力が強化されるんですか?
スゲェ高い宣伝費なんですかね、これ。
ちなみに、「開発力を世界に知らしめる」のが目的なら、東京大学の大学院生が、たった1000万円の予算で世界トップ100入り、とかのほうがよほど効果的ですよ・・・。手法は、それこそ、プレイステーションの連結でもいいでしょう。そんなすごい学生を抱える大学を抱える国家は、開発力もすごい、となるんじゃないでしょうか。
まあ、それでも、それがどう産業競争力強化につながるのかは非常に不明ですが(笑い)。
こういう話とは別に、私は57万円でNECのRX2を買った人間なので、NECは信じていません。
また、ある企業にいたときに、NECの社員の尊大さに不快な思いをしたことも、この会社への印象として強く残っています。
個人的な経験を元にすれば、地球シミュレーターは相当に馬鹿げたプロジェクトだと推察することはできます。
ただ、気候変動の予測に先んじることは重要です。
業界の構造問題と技術は別じゃないの?
ベクトル機じゃないと効率的に解けない問題も少なからず有るので、スカラーで代替出来ない問題も有るんですよ。
って言うと、文系の人は、「そんな技術的な話されても」と言うか、スカラーでも充分使えるとか言う文献引っ張り出してくるんですよね。
いやいや、全部代替出来るなら、わざわざベクトル機買う人いないですから。
利権まみれとか言うんでしょうけど、諸外国でSXシリーズ購入してる人もいるわけですし。
そもそも未だに戦略物質扱いで輸出入には制限かかってるんだし。
ベクトルが無意味に高いだけなら、輸出入規制の対象外にすべき、から、議論始めてくれると、色々有りがたいなと思う人もいるかも知れませんねぇ。
もちろん利権の構造が有って不当に高い安いが有るのなら、それはそれで問題ですが、それは技術の問題じゃなくて、政治の問題だと思うんですよね。
技術の話と政治の話。
別の話じゃないのかな?
成果が出たのか?
地球シミュレータで、いったいどんな成果が出たのか?
およそ、報道される限りでは数百億円に見合う成果が出たとは思えない。
野依先生は、世界一になること自体に意義があるとでも思っているようだが、それはほとんどコンピュータ技術者のマスターベーションで、国民には大した関心のないことだ。
むしろ大切なのは、ソフトウェアで安い並列機でも高速に流体計算できるソフトウェアを開発することが重要だし、ハードとちがって良いものは後々資産価値が残る。もちろん、ソフトにもこれまで税金がつぎ込まれてきたが、ほとんど実用に耐えるものは残っていない。これも研究者の自己満足に終わっているからだ。
構造解析で言えば、NASTRANのような海外のソフトが圧倒的に主流で、国産のものはほとんどない。
気候変動予測なんてナンセンス
ここでのテーマと外れますが、一言失礼します。
PKさん
>ただ、気候変動の予測に先んじることは重要です。
ナンセンスなことを言わないでください。そんなことが本当にできるほどに我々の地球に関する知識があるのか、少々考えればわかること。スーパーコンピューターは単なる高級計算機であって、決して万能ではありません。神様でもご本尊様ではありません。それに入れる理論やソフトと本当の知識に基づく情報ことが大切なのです。それらが徹底的に足りない。我々は神様ではない。地球環境なんて大昔から絶えず不規則に揺れ動いて来たことぐらい少しは調べて知るべきです。298度前後のうちの今のわずかな変動でどたばたするのは誠に見苦しい。何より過去のそれらの不規則変動を全て理論的に再現できるのですか。絶えず風向きの変わっている東京タワー上部からティッシュ1枚を落としたときの落下点を確実に予測できるようにから言って下さい。
技術ナショナリズムなら
一人に1台パソコンプロジェクトみたいのやってくれればいいのに。MITが主導している
途上国の子供たひに$100のラップトップを配るというすでに動いているプロジェクト。子供の知的インフラ整備になり、やがては未知の市場開拓を行なうような期待をもたせるもの。GHQが日本の子供にチョコレート配ることで、アメリカへの好感度アップを図ったような戦略だが、技術者の自己満足に使われるくらいなら、子供に日の丸マーク入りのPC配るほうが、人も育つし、やがて新規ビジネスが生まれ、友好的にビジネスを行なえるようになるかもしれない。途上国には間違いなくありがたいし、日本にとってもすぐ国富につながらなくても間違いなく名誉(広告効果ある)なことですよ。
正論でしょうけど
一流の研究者に一流のおもちゃを買ってあげられないほど日本が落ちぶれたとすれば、ちょっと悲しいですね。
海洋気象学の研究者の講演を聴いたとき、とても楽しそうに話していたのが印象的でした。そしてその手の類の研究では日本が外国に先んじていると。
スパコンにしか出来ないことがある以上は、1位を目指す事も必要だと思います。外人とコミュニケーション取るとき、世界一というのは結構はったりが利く話題なんですよ。
外人は日本人以上にそういう事に結構敏感ですから。科学者ぐらい、世界で一番を狙わせてあげましょうよ。
ソフトウェア教育が日本の最優先課題
途上国に貴重な予算をばら撒くくらいなら、日本の子供に安価なマシンをばら撒いた方が国益に直結するでしょう。毎年600億円使えば、全ての子供に6万円のマシンを配布できます。
中身はLinuxがプリインストールされていて、GNOMEかKDE上でポケモンみたいなキャラクタが楽しく懇切丁寧にプログラミングや開発環境の使い方を教えてくれる。サンプルとして子供が喜びそうなゲームのソースコードでも詰め込んでおけばウケはいいでしょう。
主幹事会社?完成年度?
性能面、目的面の評価はさておいても、NEC,富士通、日立と3社が共同開発するみたいですね。
プレス資料が3社並列なのは気になります。この手の大規模プロジェクトは1社が中心になるくらいの気概がないとやばいのではないかな?
完成も5年先とは、少し長い感じです。AMDのCPUをたくさん並べても、開発期間がこんな長ければ同じくらいの時期に、ゴールインできるのでは。
一技術屋としては
>そのためのソフトウェアの開発である。目的さえ決まれば、汎用CPUをつなげば速度はいくらでも上がる。
そんなに簡単に言われても。ケーブルで信号送るにも「時間」がかかるんですよ。
>1150億円もかけて次世代のスパコンを建設する計画で、もう予定地まで決まっているという。
たった1150億でペタフロップスマシンが作れるなら。良いんじゃないですか?
あと、ESは「大和」というよりは「ドレッドノート」だと思うな。
冷静にみると
スパコンという箱の価格でコメントしている方。ベクター、スカラーの技術としての違いがわかっている方。コメントとして分かれていますよね。で確かに税金なので価格は重要です。ただし、スパコンを利用するシミュレーション技術自身が日本は遅れており、それでシミュレーション技術開発は進んだことを考えると価値はあったと思います。
名があらわすように地球シミュレータは、地球ワイドの気象を研究するという明確な目的があったわけですよね。
>研究の目的を抜きにして、計算速度だけを競うのは意味がない。時代錯誤の「戦艦大和」をこれ以上つくるのはやめてほしい。
と、さもこれまでも目的も無く作ってたように書くのはミスリーディングでしょうね。
本文をちゃんと読め
私は、次につくる1150億円のスパコンが研究目的のないハコモノだと言っているのです。地球シミュレータにしても、気象と何の関係もない航空宇宙研究所が、仕事がなくなるのを恐れて、当時マスコミ受けのよかった地球温暖化を名目にしてスパコンの予算をとったというだけ。目的はあとからつけたのです(それは佐藤氏も認めている)。
次のスパコンは、それよりもたちが悪い。ITゼネコン3社の共同受注ということになるとすると、技術的に袋小路のベクトル・プロセッサに気象庁の2倍の予算をつぎこんで、日本のIT産業を世界から完全に孤立させることになるでしょう。
池田先生に指摘させていただきますと
>目的さえ決まれば、汎用CPUをつなげば速度はいくらでも上がる。
それはその「目的」次第です。DESクラックやRSAアタック、UDやSETI@homeをやらせるつもりならその通りですし、
シミュレーションにおいても比較的小規模(LINPACKスケール無い)なら大まかに正しいですが、
LINPACKスケールを越えるような大規模シミュレーションするケースにおいてはそうではありません。
ベクタも万能ではないですが、スカラも万能ではありません。そういう意味でなら「なにをどういう規模で計算させるつもりなのか」は重要な話だとは思いますが。
個人的には「地球温暖化傾向の計算」は1000億円程度なら税金を投入するに値する課題だとは思っています。
また「未来を予測する技術」では確かにセンター長の自慢話が沢山ありましたけれど、それらはあくまで「こんな実績を出しつつけてきた」とか
「人類の科学技術の新しい地平を開いた」という類の実績アピールであって、
「Top500世界一」という点についてはむしろ「でもそんなの関係ねぇ!」的な扱いだったように思います。
コメントの皆さんに対してですが、地球シミュレータの実績については、検索をすればいろいろ出てきます。
ここではJAMSTEC本家の報告ページと、IPCCへの貢献に関連するページを張っておきます。
http://www.es.jamstec.go.jp/projects/index.html
http://eco.nikkei.co.jp/column/article.aspx?id=20070830c4000c4
http://eco.nikkei.co.jp/column/article.aspx?id=20070601c4000c4
産業政策は繰り返す
なんで国産にこだわるんですかね。研究目的とソフトウェアが大事なら、ハードウェアは輸入したっていいでしょう。本文でも引用したITmediaの記事でも、インドやスウェーデンの政府はHPのマシンを輸入している。
政府が補助金を出して、民間の共同受注で「国産機開発」なんて、通産省では1980年代に終わった話ですよ。バブルと同じで、産業政策も繰り返すんですね、何回失敗しても。
Unknown (start)さんへ
で、結局どういった成果があったんでしょうか?自画自賛的なものではなく、もっと具体的なもの。
600億円も使ったんですから、われわれでも理解できるような成果が上がってしかるべきですが、わたしはいまのところ知りません。
もちろん、私の不勉強の可能性もありますので、ぜひご教授を。
まだスパコンは
無駄遣いは無駄遣いであっても、マシな部類でしょうね。
一応、方向性には疑問がつくとはいえ最先端技術の開発に繋がるし、金も怪しげな所では無く、大手ITゼネコンに落ちる。
道路建設で地主に落ちる金に比べれば、はるかに安く有意義というものです(道路建設でも純粋にゼネコンや下請業者に落ちる金はまだ有用)。戦後にタナボタで土地をもらった地主が「先祖代代の土地」とか大嘘ついて不義不正に公金を強奪するせいで、10kmも道路作れば次世代スパコンの開発費ぐらいはすぐに死に金になるのですから。
Re:Unknown
> JAMSTEC本家の報告ページと、IPCCへの貢献に関連するページを張っておきます。
この各研究成果の第三者批評が本当に必要なものでないでしょうか。
安価な計算機の計算からどのくらい精度向上した結果なのか、予測としてどのくらい成り立っているのか、逆方向に計算したときに過去の気候変動の精度とどのくらい一致できたのか等の話が部外者にはよく分からないわけです。探せばどこかに発表されているのかもしれないし、そちらが専門の方には明らかなことなのかもしれませんけども。
「一流の研究者の一流のおもちゃ」というコメントもありましたが、例えば GRAPE の牧野先生、TSUBAME の松岡先生他、この分野で一流と認められている研究者の方々には既に十分な予算が付いているはずです。しかし地球シミュレータは明らかにそういう通常研究のレベルを越えている、つまり国プロです。
ですからベクトル型がどうのこうのといったレベルでなくて、国家の威信とか相当な波及効果が本当にかかっているのかどうか、といった方向で説明がなされないといけないでしょう。
人類規模の難問
>国家の威信とか相当な波及効果が本当にかかっているのかどうか、といった方向で説明がなされないといけないでしょう。
二酸化炭素排出が本当に地球環境に影響を及ぼすのか?
って事は人類の問題だと思うんだよね。
そして気象モデルを数値解析できるのか?
っていうのは学問上の関心でもあるわけだ。
この辺り価値を認める認めないって言う水掛け論というか、認めなきゃ成果を矮小化出来るんだから認めないって言う立場の人とは議論しようがないと思う。
数値モデル化に疑念があるならネイチャーに投稿してよって話だし。
lssrtさん
>安価な計算機の計算からどのくらい精度向上した結果なのか、予測としてどのくらい成り立っているのか、逆方向に計算したときに過去の気候変動の精度とどのくらい一致できたのか等の話が部外者にはよく分からないわけです。探せばどこかに発表されているのかもしれないし、そちらが専門の方には明らかなことなのかもしれませんけども。
自分が張った、eco.nikkei.co.jpの2本のリンクに、まさにその一例が記載されてます。
それ以外でも、ESセンター長が著した「未来を予測する技術」という書の中にても、
我々素人にもわかりやすいレベルで「シミュレーション精度向上の成果」が記載されてますし、JAMSTECのサイトでもその手の解説はあります。
>ベクトル型がどうのこうのといったレベルでなくて、国家の威信とか相当な波及効果が本当にかかっているのかどうか、といった方向で説明がなされないといけないでしょう。
それはその通りだと思いますが、結局その「評価」には「本人の価値観」が相当に影響しますからね・・・。
もし本当に京速が完璧なモデルで完璧な計算をして地球温暖化に関する知見を叩き出したとしましょう。
それをもって、
「1000億のカネで、地球の未来が予測できて対策の目安を作れるなら安いものだ」なのか
「1000億のカネを使って、明日の糧にもならないことを研究するのは無駄遣い以外の何者でもない」なのかで
全く評価が正反対になるわけです。
国家の威信とやらにしても「1000億で買えるなら安いものだ」または「国家の威信?下らない!」、そのどちらの立場を取るのかは結局「本人の価値観」なわけですからね。
まあNECのベクトル機であるSX-9が海外の気象機関での引き合いが途切れてないわけなので、いらないと断ずるのはまさに早計
逆にスカラクラスタこそ汎用部品で可能なのであるから公費を使うべきではない。民間需要が有るならなおさら民間メーカーにまかせればいい。
精度の高い気象予測は国策策定に重要であるからこその地球シミュレータだったわけで。それをいらないと断ずる人が環境保護論者に存在しないことを祈る。彼らは成果を生かせるはずの人達だったのだから。
輸入で済ませろ、とはいいますが……米国の国策スパコンは原爆シミュレーション関係で使われますが、IBMだけに任せてますよね。クラスタはHPもSUNも作れるのに。政策とはそういうことなんですな。
汎用で充分というか
性能で劣ってきたと言っても、コンピュータが数年で時代遅れになるのは当たり前でしょう。
確かに、勝ち目も無いのに大金を注ぐのはバカバカしいですが、仮に戦略があるなら1150億ぐらい安いモンです。
ソニー・東芝・IBMのCELLプロセッサは、公称2000億、一説には5000億を投じたと言われています。
ソニー久多良木氏には、PS2のEE+GSの頃から、国産プロセッサの復興、対Intelというナショナリズムがあったように見える。結果的に、ゲーム機としての数千万の生産を利用してコストダウンし小型化したPSPは、当時の世界の半導体で追いつけない性能を発揮した。
もちろん、製品の魅力でDSに完敗し、続くPS3も、CELLの優位が、ゲーム機として不透明なまま、何も出来ないまま終わったわけですが。
結局、CELLは並列化前提の設計でもあり、(通常は、CPUを2つ付ければ倍速になるという物ではありません。)IBMのサーバー、スパコンの高速化に貢献するようです。
日本が再び半導体に食い込むという点では、PS2の成功例と、その後の破綻に繋がる部分を研究するのが良いでしょう。
ITオンチが多すぎて、ソニーの手綱を握れるような知識が、エコノミストも含め、国家全体に無かったのが致命的でした。
こうした環境では、確かに汎用プロセッサにしておくのが無難かも知れませんね。
もう終わった話題と思って見てなかったのですが、結構熱いですね。
たしか200頃、BG/LがESぶち抜いた翌年くらいに、実は濃縮流体の計算でBG/LはESの10分の1くらいの実効効率しか叩き出せなかったという論文が出てたはずです。このとき、BG/L は ES より一桁上のLINPACベンチマークだったはずで、つまりLINPACベンチマークの数値から考えると、濃縮流体の計算ではBG/Lは1%の実効効率しか出せない。
その上、登場間もない頃のBG/LのMTBF(平均故障間隔)は10日よりちょっと多いくらいという話も見たことあります。この数字が本当だとしても、BG/LみたいなスパコンのMTBFというのは、PEのことなのかシステム全体のことなのか判らないのですが、LINPACハリボテの上に、マシンがフルに稼動できないのでは、例えば高温超伝導のときみたいな、国際的開発競争やってるときに、計算解析で先陣切ることが意味を持つような場合、全然あてにならない>BG/L
SX-9 はヨーロッパ方面から100PEくらいのシステムの引き合いがあるというプレスリリースが出てましたが、なんといわれようとベクトル型の価値はまだまだあります。
また、ESがアメリカにショックを与えたのは、ESが出現した当時、アメリカは超伝導単一磁束量子素子によるペタフロップスマシンの開発に失敗していたという技術的背景もあるのです。
アメリカがスカラーにまい進するのは、スカラ派が勝ったというだけでなく、ベクトル派が素子技術持たなくなってベクトルやれなくなってしまったからです。つまり、もうアメリカで本格的なベクトルマシンは作れないのです。
確かに大和的ですが
確かに大和的ではありますが、技術的なリスクヘッジとしてなら、ベクトル型に金を投入するのも意味はあるでしょう。
輸入すれば言いという話も、(特許とか知的所有権という類のものがある現状で)国単位での技術的優位性を保つためには、ある程度国産技術に投資するのは悪いことでもないと思います。
大和だって、兵器としての実績はまるでダメでしたが、技術基盤の向上という意味では戦後の復興に十分貢献したという見方もできます。
実際、コストパフォーマンスだけを考えるなら、兵器だってコンピュータだって全部輸入した方がよっぽど良いに決まってます。
でも、それでは今以上にアメリカの腰ぎんちゃくから抜け出せなくなるのも目に見えています。
とはいえ、まあ単体に600億・1000億は掛けすぎだとも思いますけどね。
ニッチ技術なら基礎技術の維持程度の予算投入で良いってところでもありますから。
資源もなく新興国が急追している中
日本のマスコミと大学・研究所は似ています。世界最高の待遇と世界最低の品質という点で。
1000億以上の予算をスパコンに投資するより、
『2分の1プラス3分の1は5分の2』
などと答える大学生を何とかすることの方が先決でしょう。
本当の革命は予算がいらない
本当の革命は3万円のPCでも出来ます。それがソフトウェアの怖さです。ですが、官僚がそこに目を向けることは無いでしょう。何故ならば、彼らが欲しいのは天下り先と利権だからです。
彼等は技術を開拓しているのではなく、天下り先を開拓し利権を確保しているのです。日本にダメージを与えるのが彼らの生態といえるでしょう。このまま、日本にダメージを与え続けれれば、研究どころではなくなります。
どうせやるのなら、官僚の繁殖とその活動ダメージを誰か算出して欲しいものですね。天気予報よりも役に立つはずです。
海外で地球シミュレーターのことを褒めてないなら成功だよ。
科学予算ではなく建設予算
>600億円という建設費
建物の方が中身より高かったような気がします。要するに科学を出しにしたゼネコン援助です。これをコンピュータととらえるのは間違いかと思います。私はこれを見たとき建築費用(ゼネコンウハウハ)がかかるからOKサインが出来たのだと思いました。純粋に科学予算なら南極観測船の費用が出せるはずです。
(免震構造など地理的要因も加味しなければならないですが)
教育科学予算ではないと思えばわかりやすいです。教育科学予算はGDP比で最低の部類ですから。文教族は金にならない。70年体制批判になってしまいますが、道路、建設に絡めないと教育予算は下りません。笑い話に、バブルの頃、学校の校舎の改修をお願いしたが通らず、バブル崩壊後予算が通ったというのが新聞に載ったことがあります。結局ゼネコン救済だろうという落ちでした。
スパコンの目的に表と裏があって、裏は技術獲得と人材の雇用かもしれません。国産ロケットの場合は技術の裾野が広いので500億使っても見返りがあると考えているようです。表の理由と裏の理由がわかれば面白いのですが。何でも輸入すればいいわけはないのが国際社会ですから。命綱を握られないようにするのが国家の使命です。トウモロコシや原油でやられていますけど。
世界最高の待遇?
>日本のマスコミと大学・研究所は似ています。世界最高の待遇と世界最低の品質という点で。
日本の大学に関して「世界最低の品質」かどうかは知りませんが、「世界最高の待遇」というのはごく一部の大学・研究所の更にごく一部の研究室だけに当て余るのではないでしょうか。
その他は、国際的に見ても非常に酷い設備・環境の中で、なおかつ非常に乏しい研究予算の中で細々とやらざるを得ない寂しい状況です。その割にはよくやっていると言えるかも知れません。
その中で、地球シミュレーター優遇のような予算配分は何だと、言いたい。
日本の科学の裾野が崩壊するように感じます。
予算公開は妥当か?
この様なプロジェクトでいつも疑問に思うのは、プロジェクト予算を事前に世間に完全に公開することの妥当性です。
受注する業者は予算上限が分かっている訳ですから上限額で入札される事が容易に予想されます。
もう一点は計算機を入れ替えるために何故土地建物まで新たに調達する必要があるのか甚だ疑問です。
ハード調達自体も既にNEC-SX9と決まっているのでしょうね。同社がらみのこの様なプロジェクトは多いですね。
国費ですからね
問われているのは、「地球シミュレータに600億円の国費を投じた価値はあったのか?」「次世代のスパコンに1150億円の国費を投じる価値はあるのか?」ということです。
池田教授と同じく、私は、そこまでの価値を見出すことはできません。1000億円といえば莫大な額です。他に回せば、いくつかの問題が解決できるかもしれません。
「いいや、価値がある!」というのであれば、そう考える皆さんで資金を出し合い、財団か株式会社として次世代のスパコンを建設してはいかがでしょう? 自腹を切るなら何も異論はありません。ベクトル型でもスカラー型でも、お好きなものをどうぞ。
おっしゃるように「精度の高い気象予測」に本当に価値があるのなら、きっと高い値段で売れますよ。
技術の分野では費用対効果なんてそう簡単には図れない気がするんですが。
エサキダイオードだって開発当初は無意味なもの扱いされてたような。
地球シミュレータは技術的にアメリカを驚かせただけでも価値があると思います。
それに汎用プロセッサ並列接続の規模重視の物量スパコンじゃアメリカにはかなわないし、ソフトウェア開発は最終的にインドにはかなわないでしょう。
世界の後追いでは、安いとこにはかないませんよ。
それはその通りだと思いますが、結局その「評価」には「本人の価値観」が相当に影響しますからね・・・。
駒さん
>ベクトル型でもスカラー型でも、お好きなものをどうぞ。
>おっしゃるように「精度の高い気象予測」に本当に価値があるのなら、きっと高い値段で売れますよ。
民間企業のNECが作った技術を、他の民間企業は価値を見出さなかった、だが日本国は価値を見出した、
だから政府がカネを出して買った or 作らせた、って事でしょう。
勿論「俺はその成果や価値を認めない」とおっしゃるのはご自由ですけれども、
少なくとも日本国政府から見た話の筋は通ってると思いますよ。IPCCへの貢献度や科学的知見への貢献は非常に高いわけでしょうし。
民間企業の株主が発言するなら「カネを産まないものにカネをだすな」というのはある意味筋が通ってますけれども。
Unknown (Unknown)2007-11-16 21:52:04さん
>この書き込み、多分ギョーカイのひと。インサイダー、とまではいわないけど、すくなくとも一般人じゃない人の手によるものだと思います。
IT土方なのは確かですけど、少なくとも一般人の領域出てないですよ。
自分の書き込みを見てどこから「インサイダー」とまで自信を持って断言してるのか知りたいものです。
現在世界で完成したシステムとして、スーパーコンピュータを作れるのは、日本と米国だけです。
システムというのは、ハードウェアの他に、オペレーティングシステムやコンパイラ、ライブラリなどのソフトウェアを含めた、全体としての完成体を指します。
米国のほかには日本しか作れないのですから、多様性の一環として独自のものを作るのは、人類全体への貢献であり、多少金額が高くても、能力を持つ者の義務だと思って推進すべきだと思います。
ちなみに、米国は多様性を保つために、色々な形式のスパコンをたくさんの会社にお金をばら撒いて作っています。
もう少し、大きな視野で物事を見るべきではないでしょうか?
国庫の中身は無限じゃないんです
「技術の分野では費用対効果なんてそう簡単には図れない」としても、なんとかしてそれを測り、適正であるかどうかを判断するのが政府と納税者の義務でしょう。私企業の支出ではなく国費なのですよ。「できないから」と思考を停止してどうしますか?
「アメリカを驚かせただけでも価値がある」などという寝言を言っていると、「次々世代は5000億円だ」「今度は1兆円だ」と際限がなくなるだけです。
繰り返しますが、「1000億円の価値がある」「1000億円なら安いもの」というのであれば、そう思う人たちで資金を集めて作ればよいのです。
技術者の夢やら威信のために国費を使わせろというのであれば、それはただのワガママです。国庫の中身は無限ではないのです。
start さんへ
コメントありがとうございます。ご指摘の記事も読ませていただきました。本の方も見てみます。他に自分で探した中では JAMSTEC の時岡氏の以下の記事が一番ピンときました。
「地球シミュレータによる高精度・高解像度の地球温暖化シミュレーション」
http://www.oecc.or.jp/kaiho/no49/49p8.pdf
「気象シミュレーションの意義と役割」
http://wwwsoc.nii.ac.jp/msj/kyoikuhukyu/reference/Tokioka_1.pdf
価値感ということを指摘されましたが、ES を好意的にみる方との価値感の差がどこからくるのか自分なりに考えてみますと理由は2点あります。一つはコンピュータサイエンス上の意味がさほどでないように思われること。これは牧野先生のトレンド解説にある通りです。もう一つは国策としての気象シミュレーション(ES)が、地球環境の保護という大目標の下にあるものとして突出しているように見えること。例えば熱帯雨林の保全なり途上国の人口抑制などのプロジェクトがあってそこに横並びの位置付けであれば理解しやすいのですが。
もちろん国家財政が極めて悪い状態でないなら、予算取れたところが使えばいいだろう、という程度の話であることも確かだとも思います。
lssrtさん
コメントありがとうございます。
牧野先生の「技術トレンド面からの分析」に関しては、京速の話の事前評価としては大変参考になりますが、ESに対する評価に関してはあまり参考にならないと考えます。
なぜならESは牧野先生が分析されている技術トレンドに対する反例そのものであり、その時代のトレンドの最高峰(ASCI White)の性能の実に5倍の性能を叩き出したわけですから。
ESに対する評価の分かれ目は、「地球温暖化傾向の分析」に価値を見出すかどうか、かと思っています。
単純に「価値の有り無し」じゃなく、価値の査定でも評価が分かれるでしょうね。
「せいぜい100億円程度がいいところ」「600億ならトントンだ」「いやいや、1000億どころか1兆円出しても惜しくないだろう」など。
>例えば熱帯雨林の保全なり途上国の人口抑制などのプロジェクトがあってそこに横並びの位置付けであれば理解しやすいのですが。
この辺に関しては確かに同意するところはあります。人類が地球に住むという事について重要な他の課題はどうなってるだんだ、ということですよね。
ここいらの課題を、それこそアメリカなりEUなりが分担してくれると日本の立ち位置がわかりやすいのでしょうね。「温暖化研究は日本、人口対策はEU、熱帯雨林対策はアメリカ」、といったように。
「なんで俺たち日本だけが」という感情があるのは自分も否定できないところではあります。
ご参考
http://japan.cnet.com/blog/petaflops
Re: ご参考
この記事のいう通りだと思いますね。
http://japan.cnet.com/blog/petaflops/2007/11/14/entry_25001629/
<要するに、日本のスパコン総演算能力が乏しいのは、予算が足りないからではなく、調達の仕方が悪いのである。調達の過程で、国税の円の価値が3分の1、4分の1に目減りしているのである>
こういう話では、技術屋さんはすぐ「素人が何をいうか」と叫ぶけど、私はいつもこれを「私には経済性の評価はできない」と翻訳して読んでいます。政府調達は、第一義的に経済問題であり、逆に「技術屋が経済問題に口を出すのはおこがましい」といいたいですね。
池田先生
技術屋の言う「素人がなにをいうか」というのは、池田先生の考えているような「経済問題として具体的金額で評価できない」という意味ではないと思います。
技術に疎い方の、あまりにも突拍子も無い思い込みを前提にした批判を指しているんじゃないでしょうかね。
例えば「目的が決まれば、あとはCPUの数を増やせばいくらでも性能は上がる」とか、
「LINPACK性能の良いマシンは、どんな計算でも高い性能を発揮できる」というような、そういう考えを前提に
議論や主張をするようなことに対して反応しているんじゃないですかね。
ESの話にしても、計算科学や地球環境に対する知見やそれまでの技術予測からの進歩、そういう実績や実証結果の存在を前提にして、
「じゃあそれが600億の価値はあるのか」という話ならまだいいんですけれど、
「ESは600億もかけて、世界一を2年半キープした」っていう程度の認識で「税金の無駄」だ、という流れとかも少なくありません。
例えていうなら、マルクス経済学でしたか、そういう時代遅れで古臭い経済学を論拠に現代の世界経済を語ったりしたら
池田先生は「素人は黙れ」とおっしゃると思います。それと同じ事ではないかと。
スパコンも国がやる以上、
あくまで公共事業の一類型でしかないですからね。
日本の公共事業として行う限り、普通にやっていると日本の公共事業なりの金銭的な効率性しか得られない、というのが事実であって、そこから先ってというのやはり、技術屋さんマターではないですね。
ダム問題と本質は同じです。
(私の地元である和光市と埼玉県はまさにその次世代のスパコンの研究施設を必死で獲得しようと動きましたが、結果的に神戸市に持っていかれました。そのときの議論は、地域への経済効果の話など、まさに公共事業でした。)
Re: ご参考
>>池田信夫さん
>政府調達は、第一義的に経済問題であり、逆に「技術屋が経済問題に口を出すのはおこがましい」といいたいですね。
それを言いますと、「ベクトル型のスーパーコンピュータを選定したのは技術問題であり経済屋が技術問題に口を出すのはおこがましい」となりますね。日本の公共事業が高コスト体質な話はスーパーコンピュータ調達に限った話ではありませんね。あえてスーパーコンピュータを話題に採り上げられたのは、何故だったのでしょうか?
リンク先の記事もFlopsのみで性能を比較していましたが、アーキテクチャの異なるコンピュータ同士の比較でFlopsを指標を用いることの妥当性が気になりました。
Re: くまさん
おかしなことをおっしゃる方ですね。
コンピュータの「性能」をどの様にして「アーキテクチャー」つまり「方式」で測るのですかね。
ガソリンエンジンの車と、ジーゼルエンジンの車、あるいはハイブリッドの車など「方式」の異なるエンジンの車の最高速度を比較するのに、どうやって「方式」で比較するんでしょうかね。
ぜひ、ご教示いただきたいものです。
個人的には、土建国家の日本が科学技術予算の浪費をうんぬんするのはおかしいと思っています。
世界の先進国にとって、日本が予算を土木に使い続けるのは好ましいことだと思います。
宇宙予算も、防衛予算も、なにもかも牽制されて、特に日本国内ではマスコミが片棒を担いで予算の削減や法的規制をして封じ込めてしまいます。
日本の財政は、民生や土木には湯水のように資金を注ぎ、その他にはほとんど使われない仕組みになっています。土木とは桁が一つも二つも違います
RE:はっつぁん
まず自己レスです。
>リンク先の記事もFlopsのみで性能を比較していましたが、アーキテクチャの異なるコンピュータ同士の比較でFlopsを指標を用いることの妥当性が気になりました。
ですが以下のようにします。「を」→「として」に置き換えます。
>リンク先の記事もFlopsのみで性能を比較していましたが、アーキテクチャの異なるコンピュータ同士の比較で、Flopsを指標として用いることの妥当性が気になりました。
このミスが原因かもしれませんが…
私は、「アーキテクチャー」つまり「方式」の異なるコンピュータの「性能」をどんな「指標」で測るのが適切かを気にしています。
車で例えると、スポーツカーと軽自動車を「燃費」で比較して、スポーツカーの方が劣るからと言って、スポーツカーの価格はぼったくりだと結論づけるのと同じことをしているかもしれないということです。この例えの「燃費」を「Flops」に読み替えてください。
>日本の財政は、民生や土木には湯水のように資金を注ぎ、その他にはほとんど使われない仕組みになっています。土木とは桁が一つも二つも違います
日本の公共土木事業は完全な死に金ですから、それに比べれば1000億のスパコンくらい安いものだという気がするのは自然です。目立って派手なスパコンを叩いても、はるかに巨額の金が、獣しかとおらないような地方の道路建設という自然破壊事業に投入されている。
ここらは、メディアの報道バイアスというところでしょうか。
しかし結局全ての公共事業は有害なだけなわけで、無駄なことをしないで予算凍結すれば財政赤字もあっという間になくなることでしょう。
ITゼネコン
この欄などでスパコンを擁護する人々の話を聞いて、ITゼネコンがなぜ延命されるのか、よくわかりました。こういうわけのわからない(本当かどうかも確かめようのない)専門用語で武装すれば、法学しか知らない文科省の官僚なんてイチコロですね。
「1000億のスパコンぐらい安いものだ」というのは大きな間違いです。1150億円というのは、公共事業としても決して安くない。文科省の科学技術関係費は約8000億円だから、これ一つでその1/8です。科研費を申請した人ならわかると思うけど、これは研究プロジェクトとしては桁外れですよ。しかも研究的な意味はほとんどないハコモノです。こういうところからつぶしていかないと、もっと大きな無駄づかいも追及できない。
Re: くまさん
燃費はリッター何キロ、つまりKm/lとかでしょうけれど、ガソリンと軽油では比較の意味が無いので、Km/円などはどうでしょうかね。
しかし「速度」はKm/hとかm/s で固定ですよね。
スパコンの演算速度を測る単位って、TFLOPSとかGFLOPS、MFLOPSとかは聞きますが、ほかに、新しい単位でもあるんですかね???
今、話しているのは「演算速度」「速さ」ですよね?
何で「燃費」がでてくるのか理解できませんけど。
もう少し、論理的に話していただけないでしょうか?
>「1000億のスパコンぐらい安いものだ」というのは大きな間違いです。1150億円というのは、公共事業としても決して安くない。
「公共事業として高い/安い」というのは効果を見ずに個々の事業を予算順に並べた場合の話ですよね。
しかし、本質的には費用と効果のバランスが問題なのでしょう?
そして、池田先生は効果を見積もることができていないように見えます。
(もちろん、そうでないということは実際に見積もりを出せば証明できると思います。)
技術的に、ベクトル型でもっと費用対効果を改善しつつ絶対額も抑える方法があるとか、経済的にその効果は費用に対して見合わないという議論を期待したいところです。
何言ってるの
なぜ「国税」で「国産開発」するのか、ということが問われているんでしょ。仮に効果が出ていたとしても、この疑問に答えられなければ意味ないの。国際的な枠組みを作って、研究してもいいわけでしょ。
費用対効果でいくと維持費用の問題もあります。当たり前ですが、構成部品の数が多ければそれだけ消費電力は増える。
構成部品の数が増せば、稼働率も下がる。MTBFは重要です。大学や会社で100台程度のPCを揃えてみるだけで実感できるんですが、どれか壊れてます。そのへんは大規模クラスタの事例が多いアメリカでも問題になってます。
コストを問題にするならトータルでみないといけないですよね。イニシャルコストだけ削って改善を行わないのでは話にならないのも戦争が教えてくれた教訓です。
> なぜ「国税」で「国産開発」するのか、ということが問われているんでしょ。仮に効果が出ていたとしても、この疑問に答えられなければ意味ないの。国際的な枠組みを作って、研究してもいいわけでしょ。
本文のどこにそんな問いがあるのか見えません。
> 世界的には、TSUBAMEのようにPC用の汎用CPUを並列につないだグリッド・コンピューティングが常識で、地球シミュレータのようなベクトル・プロセッサを使った「大艦巨砲」型のスパコンは、もうつくられていない。ところが文科省は、1150億円もかけて次世代のスパコンを建設する計画で、もう予定地まで決まっているという。
>研究の目的を抜きにして、計算速度だけを競うのは意味がない。時代錯誤の「戦艦大和」をこれ以上つくるのはやめてほしい。
「研究の目的」が何で、それがどの程度達成されるか/されたか、が”効果”に相当すると思いますよ。あるいは本来目的に掲げていなかった副次効果もあるかもしれませんが。
そもそもなぜ、計算能力が競われているのか?諸外国もただ競争に勝って自慢したいがゆえに巨費を投じているのでしょうか。
おそらく理由(効果への期待)があり、競争が継続されているからには期待はある程度結果を得ているのではないかと。
そして、投じたコストは予算やランニングコストの形で見えているのだから、あとはその結果を定量的に評価することこそ肝要でしょう。
RE:はっつぁん
結局は私の用語の使い方が悪かったのですが…
「(地球シミュレータの得意分野である)流体計算の速度で性能を評価したい」
ということです。つまり、正確には、単位のことでなくて比較に用いるベンチマークプログラムのことを言ってます。つまり、適切なベンチマークプログラムがあったとして、それの出力形式がFlopsでも構いません。ちなみに私がFlopsと書いていた従来のベンチマークプログラムは、行列計算の速度を評価基準にしていますね。
適宜解釈して欲しかったですね…
個人的には、土木事業で壮大な無駄をする日本よりも、宇宙開発や海洋開発で壮大な無駄をやって批判される日本であってほしいと思います。
池田信夫による名誉毀損になるかもしれな実例証拠保全
池田信夫による名誉毀損になるかもしれな実例証拠保全
http://www.cm.kj.yamagata-u.ac.jp/blog/index.php?logid=6918
お茶の水女子大学を神戸地裁に提訴しました
http://www.minusionwater.com/ochaacjp.htm
被告=お茶の水女子大学へ
http://d.hatena.ne.jp/muroikensuke/20071118
天羽優子先生を応援しよう!
http://d.hatena.ne.jp/apj_yamagata/20070523
そもそも公共事業には、costはあってもbenefitがないのでcost-benefitという考えがもともとありません。
なんとなくみんなが納得する大義みたいなものがあればいいわけです。
これは土木でもスパコンでも同じで、その線での経済学的?な批判はあまり効果的ではないと思います。
次世代機
なんか自称技術にくわしい人が多い割に、次に建設される1150億円のスパコンは何のためにつくられるのか、さっぱりわからない。「素人は云々」という説教はいいから、次世代機にどういう目的があり、どういう効果があるのか、具体的に書いてよ。
RE:次世代機
2007/9/17 の産経新聞にて理化学研究所・次世代スーパーコンピュータ開発実施本部の渡辺卓(ただし)プロジェクトリーダーへのインタビュー記事があったそうです。記事そのものは見つけられませんでしたが、以下のキーワードでググれば、それを引用しているブログにヒットすると思います。
産経 理化学研究所 渡辺卓
池田先生の持たれている疑問がすべて解決されるとは思えませんが、「とりあえず番付に載ればOK」というような近視眼的な話では無さそうです。
とりあえず、わからないものは、「わからない」で良いのではないでしょうか。
日本を情報立国にするには
本当に日本を情報立国にしたければ、この様なIT土建をせずに、大まかに言うと次の事をすればよいかと思います。
1・情報処理技術に関する洋書を翻訳し、それを公開、もしくは出版会社に販売を託す。
2・個人発明家の発明を直接買い付け、それを全てオープンソースにする。
3・OS、コンパイラ、プロトコル、デバイスドラバなどシステムソフトウェアの理解を優先として実装したもの(Linuxなどは処理効率が考慮されていて読みにくい)を、を国内で配布する。そうすれば日本人技術力は飛躍的にアップします。
これらの行為はあまり予算が要らなくて、よほど日本のためになると思うのですが・・・多分日本では実現しないでしょうね。
次世代スパコンの必要性についてと池田先生の発言に対する解答を、私に書ける範囲でブログの方に書いてみました。
トラックバックがうまく動いてくれないみたいなので、こちらにリンク置かさせてもらいますね。
http://d.hatena.ne.jp/m-bird/20071117
コメント読め
>なんで国産にこだわるんですかね。研究目的とソフトウェアが大事なら、ハードウェアは輸入したっていいでしょう。(池田信夫)
ってコメントにあるでしょ。
そもそも地球シミュレータも次世代のスパコン(1150億円)も国税じゃないとでも言うの?話の前提だろ。
次世代スパコンは汎用を謳っていて、SPring-8的な運用をするそうです
http://www.spring8.or.jp/ja/
壮大な無駄
>個人的には、土木事業で壮大な無駄をする日本よりも、宇宙開発や海洋開発で壮大な無駄をやって批判される日本であってほしいと思います。
私も同感です。アポロ計画のように、大きな夢を与えてくれるのであれば、壮大な無駄でも許せます。
池田先生
>次世代機にどういう目的があり、どういう効果があるのか、具体的に書いてよ。
池田先生のおっしゃる「効果」が、「どういう分野における効果」の事を指してるのかによりますが、
少なくとも学術系の目的と効果に関してはWikipedia「汎用京速計算機」のエントリに整理されて書かれていると思います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%8E%E7%94%A8%E4%BA%AC%E9%80%9F%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%A9%9F
ソフトウェア部門の
「Phase3 グランドチャレンジアプリケーション(NAREGI)」
「Phase4 マルチスケール・マルチフィジックス系全体のシミュレーション」
この二つの項が非常に重要で、恐らく京速のグランドデザインは、Phase3/Phase4を主眼とすることを目的としてデザインされています。
池田先生の最初のエントリから言葉を借りさせていただくなら、まさに「何のために計算するのかという目的」「そのためのソフトウェアの開発」がPhase3/Phase4ということであり、
少なくとも「研究の目的を抜きにして、計算速度だけを競」っているわけではないのではないでしょうか。
定量的評価なんて無理なのでは
たとえばESでは原子力発電に関するシミュレーションも行われていますが、原発の安全性が向上したとして、それによりどれだけのベネフィットを私たちが得られたのか定量的に判断できるんでしょうか。
公共投資がうまくいくと、堰が切れて大きな流れが生まれ、経済成長・所得拡大につながる。
田舎の道路工事は、既知の技術で利用されることの無いものを造るので、失業対策でやっているに等しい。しかも、既知であるがゆえに未来も無い。完全な分配政策に留まる。
それだったら、オーバードクター問題とかで遊休している人的資源を雇用した方がマシ。その失業対策で何かの堰が切れれば、フローが生まれ、所得拡大が起きて別の雇用が生まれる。
startさんへ2
> なぜならESは牧野先生が分析されている技術トレンドに対する反例その
> ものであり、その時代のトレンドの最高峰(ASCI White)の性能の実に
> 5倍の性能を叩き出したわけですから。
牧野先生は「速度が出せない」とは言っているのでなくて「今の半導体技術に向いていない」と書いています。ES はベクトルの限界を長大なクロスバーで解決し、発熱・価格・サイズといった不利はそのまま拡大しているわけで、反例になっているわけではないと思います。
地球環境保護についてももう少し補足しますと、温暖化問題のターニングポイントになったのは、おそらく15~20年前で、当時生態とか気候の研究者を中心として多数の指摘が続いていたと記憶しています。「このままだとアマゾンの75%が失われる」とか「ここ10年の熱帯雨林の消失でCO2が10ppmが上昇した」といったもので、以降そのままのペースで森林破壊と温暖化は進行しつづけてきていると思います。
現在の各方面からの指摘は「今後20年はどういう策をもっても温暖化にブレーキはかけられない」というレベルのものですよね。そういう状況で、「10km水平メッシュで妥当な結果が出せるようになった気象シミュレーション」というのは、IPCCに提出される多数の研究の一つ以上のものではないように見えてしまうわけです。(それもまた「価値観の違い」なのかもしれませんが)
もちろん研究基盤として国内に突出して速い計算機が一つあっていいんじゃないか、という意見も分かるし、それらも含めて通常研究として貢献があることは十分分かります。
無駄な投資
次期戦闘機に一機一兆円近い戦闘機を購入しようとしているが、これに比べれば安い。
しかしながら、ESはベクトル型というよりは、メモリバスが高速なためベクトル向きということなんでしょう。
メモリバスを高速化しようとしたら、DRAMをSRAMに変えればメモリーコストは10倍程度になるが可能でしょう。
現在はCPU速度は上がっているが、メモリーバスはそれほど向上していないので、キャッシュ容量が増えたとしてトータル性能は向上していない。
あえてベクトルにこだわる必要性はないと思います。
>次期戦闘機に一機一兆円近い戦闘機を購入しようとしているが、これに比べれば安い。
一機一兆円近い戦闘機というのは、なんという戦闘機なんですか? 桁を間違えていません?
lssrtさん
牧野先生の主張に対する指摘ありがとうございます。
lssrtさんの主張が「性能に対する技術」という所にポイントを置いているかと誤解していました。申し訳ありません。
ESの存在意義(成果の評価)については、気象シミュレーションや各種シミュレーション成果をもって「そんなものを計算して何の得になる」という論理以前の問題で、
「そんなもの」の存在すら一般にはあまり知られていないという現状が問題なのかも知れませんね。
門外漢で失礼しますが、モータースポーツを例えにしたら判りやすいかと思います。最高峰のモータースポーツの世界はコストパフォーマンスは関係ありません。F1のトップコンテンダーの年間コストは500億円と言われています(出典はwiki)。特にF1やmotoGPはコストは無制限です。同じ処を無駄にただグルグル回るだけのためにですよ。その中で何か生まれたり、する訳です。
だから最高のコンピューターに数百億の金は高くはないと思うんだけど。世の中コストxで考えれるものと、そうではないものとあるはずだと思っています。
基本的に、公共事業にコスト/ベネフィットという概念はありません。
収益という意味でのベネフィットもなければ、予想収益から逆算される必要資金という意味でのコストもありません。
あるのは予算だけで、誰のものでもない税金を役人が適当に分配しているだけのものです。
建築費用が赤字で、収益もなく維持費が膨大でも、それら赤字は全て分配政策として正当化される理屈です。
だから、私は公共事業の批判にコスト/ベネフィットを持ち出しても全くダメだと思いますね。
良い公共事業と悪い公共事業といった分類は無意味です。批判するのであればあらゆる公共事業を対象にする必要があります。
それらは同じ社会主義論理で運用されているわけです。もとよりコスト/ベネフィットといった合理性の前提として、投資家の所有権があるわけで、どこにも所有権のない公共事業にはそのような合理性は求めようがない。
むしろ蕩尽そのものが目的といってもいい。
ちなみにF1のようなショービジネスであっても、必ずコスト/ベネフィットはあります。企業が道楽や公共事業としてやっているわけではありません。
汎用京速計算機
きょう神戸の関係者の話を聞きました。彼によれば、経緯は次の通り:
もともと、このプロジェクトは富士通が受注したが、日立とNECが政治家を使って割り込み、3社の共同受注ということになった。随意契約なので、1150億円という予算は、地球シミュレータの「倍」という大ざっぱな基準で決まり、さしたる根拠はない。
目的は「ベンチマークで世界一を取り返すこと」。それ以外の目的はないし、あっても文科省の官僚には理解できないので、「国際競争力」という呪文を繰り返した。しかし、これから3年以上かかっているうちに、IBMに抜き返されるおそれが強い。まぁ関係者はもう予算をぶんどったから、どうでもいいのだが。
経営危機に瀕しているITゼネコン3社にとっては、世界市場での競争にはもう負けたので、こういう「官公需」で役所を食い物にするしか生きる道がない。役所も科学技術予算は「重点項目」として増額されているが、使い道がなくて困っているので、一発で大きな予算の使えるスパコンはもってこいだった。
ポートアイランドも、空き地がいっぱいで困っていたので、格安で用地を提供した。「交通の便」が売り物のポートアイランドに、交通とは無関係なスパコンを誘致することには、地元でも疑問の声があったが、「何もこないよりましだ」という地元ゼネコンの運動で決まった。
ここにコメントしてくる人々のいう「ベクトルプロセッサの必要性」については、「ベクトルって何それ?」ということでした。問題は箱と金。中身も目的も、どうでもいいようです。
これしか
話を聞けば聞くほど、小さな政府しかないですね。
F1との比較
>バイク乗りさん
>門外漢で失礼しますが、モータースポーツを例えにしたら判りやすいかと思います。
モータースポーツを例に出すのであれば、スーパーコンピューターも、世界最高速を競う姿を派手に公開する必要があるでしょう。
日本のスパコンが世界で闘う姿がエンターテイメントとして成立し、毎戦何万人もの観客を動員し、世界中のテレビで生中継されるのであれば、開発に1000億円かかろうと、スポンサーがつく可能性があります。
どっちにしろ、税金をつぎ込むのはお門違いでは。
次期戦闘機の価格
kyuuriさんへ
>一機一兆円近い戦闘機というのは、なんという戦闘機なんですか? 桁を間違えていません?
ご指摘の通り間違えていました。すみません。
F22通称ラプタという機種ですが、1機240億円で、桁違いでした。
これも用途によりモデルがいくつかあるようでばらつきはあるようです。
これでも現用F16の2倍で高いことに変わりありません。
余談ですが、防衛専用の用途であれば、レーザ高射砲かレーザ迎撃機のが安上がりで効率的だと思いますが。
>余談ですが、防衛専用の用途であれば、レーザ高射砲かレーザ迎撃機のが安上がりで効率的だと思いますが。
予断に突っ込むのもあれなんですが、金食い虫の空軍を保有できない国は、各高度に対応する数種類の地対空ミサイルと対空機関砲の重層配備による対空コンプレックス陣地を構築するのが基本となっております。ソ連式な方法なんですが、ベトナムや第三次中東戦争でそれなりの実績がございます。
対空レーザーなど近未来な武器はMD予算を防衛予算外で満額承認するような太っ腹予算を組めるようになってからのお話にしておきましょう。
Re:くまさん
ホー
>適宜解釈して欲しかったですね…
デチュカ。
ウーン ヤッパリ くまさんは独りよがりの甘えん坊チャンでチタカ。
ナルホド、だから
>「(地球シミュレータの得意分野である)流体計算の速度で性能を評価したい」
んでちゅか。。。。
自分のつごうの良いものだけ性能を測るんでちゅか?
坊や、自己中の○○病じゃないの!
そもそも事のおこりの、地球シミュレータが来年で運用停止するのは、地球シミュレータを使って 坊やの好きな流体何たらを計算している人達が「クラスターの価格性能比が大変高くなってきているので、価格性能比が低くて電気を食うベクターはいらない」っていったからでしょ。
なんか論理がハチャメチャじゃない!
横丁のご隠居さんのところでもいって、頭冷やしてよくかんがえなさいよ、くまさん坊やチャン。
ところで、ここでコメントしている皆さん、用語を間違って使ってませんかね。
一応コンピュータ業界ではクラスタとグリッドは違うものなんですけど。
クラスタは同じ部屋など近くにコンピュータを並べるやつで、グリッドは西海岸と東海岸みたいにかなり離れたところにおいてあるコンピュータを回線を使って結ぶやつ。
グリッドは回線使うから色々大変で性能もいまいち、そのうえ他人のコンピュータだからいつも使えるわけではないのでスケジュールも大変。トラブル発生時はもっと大変。
コンピュータが安くなると、遠くのやつをつかうより、同じ部屋に入れて、超高速接続するほうが高速で安上がりかも。
ということで、皆様、誤解を避けるため、用語の再確認をしたほうが良いのではないでしょうか。
では おあとがよろしいようで
RE:はっつあん
話を混同していたところがあるので言い直します。分かってくれないので真面目にコメントします。
本コメント欄では、従来のベンチマークプログラムを使ってスパコンの性能を比較することで、地球シミュレータが不当な評価を受けることが、指摘されています。使っているベンチマークプログラムが1種類しかないことが根本原因です。つまり、複数のベンチマークプログラムで評価したほうが良いとなります。何種類のベンチマークプログラムが必要かどうかは分かりませんが、その中には(ベクトル型が得意とする)流体計算を意識したものを含める必要があるでしょうということです。「流体計算なんて不要だ!」とおっしゃるならば、そんなベンチマークプログラムや、そもそも地球シミュレータは不要だでファイナルアンサーですが。で、不要ですか?
要するに、AとBの2種類のスパコンを、あるベンチマークプログラムで比較して、Aの方が優秀だとしても、あらゆる面でAが優れているとは言い切れないということです。例として自動車の場合で考えます。軽自動車とスポーツカーを比較すると、運動性能を重視する人にとっては、トルクや馬力が重要であり、その面で優れたスポーツカーを選択するでしょう。逆に経済性を優先する人にとっては価格や燃費が重要であり、その面で優れた軽自動車を選択するでしょう。以前、自動車の例を挙げたのはこのことを言いたかっただけです。
>そもそも事のおこりの、地球シミュレータが来年で運用停止するのは、地球シミュレータを使って 坊やの好きな流体何たらを計算している人達が「クラスターの価格性能比が大変高くなってきているので、価格性能比が低くて電気を食うベクターはいらない」っていったからでしょ。
誰がそんなことを言ったのですか? ソースは? 次機種はスカラとベクトルのハイブリッドということでベクトル型から手を引かないと思いますが。
グリッド・コンピューティング
Cluster computerもgrid computerに含まれます。
http://en.wikipedia.org/wiki/Grid_computing
なお、あらき氏の件は終わり。彼が削除しないかぎり、いくら議論しても無駄です。
「愚論」という記述は削除されたようですよ。
http://b.hatena.ne.jp/arakik10/20071114#bookmark-6489320
カミオカンデもたまたま、超新星爆発が起こったからノーベル賞につながったものの、それがなければ、ただ4億円もかけて巨大な水バケツ作っただけです。初めの目的の陽子崩壊は結局未だ観測されていません。
超新星爆発がものすごい確率でたまたま起きなければ、これも壮大な無駄!と叩かれてたんだろうなーと。
技術屋は「夢だロマンだ」と言ってコストパフォーマンスを考えないと上記で言われていましたが、まさにその通りです。まったく考えません。周りを見てもみんな好き勝手に作りたいものを作ってるだけです。
でも、給料以上にそういうことのできる環境こそが研究者の理想であり、研究者をつなぎとめておくためには、それなりに無駄金も必要だと思います。
記事およびコメント見てる限り、何となくもはや日本からの研究者の流出は止まらないんだろうなと思えて、さみしい限りです。
研究のコストパフォーマンス
教育も医療もそうなんですが、研究の「パフォーマンス」ってのは何なんだ、どうやって測定するんだっていう問題があります。
金銭化できるものを「パフォーマンス」として要求されたら、特に基礎研究者や教育関係者や医療関係者は沈黙せざるを得ません(医療も「年寄り/障害者を長生きさせるのは無駄」という優生学的攻撃を受ける)。
このエントリーが天羽さんを初めとする大学関係者から注目されているのも、一つにはそれがあるからですよ。
結局は、お国が貧乏になったからもう基礎研究なんて飯の種にもならないものはやんなくていいんだ、というのが結論のようですね。既に日本の研究レベルの低下は指摘されているのですが、研究者の流出に加えて、次の世代==研究者を目指す人も激減するんじゃないかな。
>2007-11-14 13:48:17
>SONYのCell プロセッサは~これを使ったスカラプロセッサがいいのではないかと思います。
Cellはスカラプロセッサと単純には言えません。
スカラプロセッサなのは主に制御、OS実行を担当するPPE側だけです。
SPE側はSIMD命令によるベクトルプロセッサです。
>2007-11-15 11:37:12
>製品の魅力でDSに完敗し、続くPS3も、CELLの優位が、ゲーム機として不透明なまま、何も出来ないまま終わったわけですが。
任天堂信者がよくそんな事を言ったりしますが、
(DSに対する製品の魅力ならPSPの方がよっぽどある。画面も綺麗で音も良くて機能豊富)
まだまだ1年に過ぎないPS3は終わってませんし、所詮GC1.5に過ぎないWiiも子供と信者に行き渡れば前回のように失速でしょう。
Cellのゲームにおける優位が判らないというのは、PCしか知らないのかそもそもコンピュータの知識が無いのか、或いは何が何でもSCEを叩きたい人なのでしょう。
そもそも、PCのCPUにMMXだのAltivecだのが載るに至ったのは何故か知っていれば、
Cellのゲームにおける優位が判らないなんて事は有り得ません。
単純に言えばCellのSPEはMMXだのAltivecだののお化けみたいなものですから。
それでも意味が無いというならWiiや360のCPUからAltivecを外しても一切問題ないのか考えてみるといい。
ちなみに360のCPUはAltivecを強化している。
安いものは浪費される
政府がただで使える計算機システムを建設して
しまうものだから、研究者にはコスト意識が
芽生えず、計算方法を改良して安いシステムや
手段で計算を可能にしようとする動機が
生じない。研究の「成果」を出すべく、
なるべくコードはそのままで「成果」が出せる
機械を、ユーザである「研究者」は望む。
コスト意識の問題ではないでしょう。
コストを重視するために機関銃の代わりに竹やりをたくさん用意しよう、なんて理論が通用しない訳ですから。
戦い方を工夫すれば竹やりで機関銃に勝てるんですというのは一面の真理かもしれませんが、研究の大部分をコード最適化のためだけに費やすことになったとして果たして効率的といえるものか。