2010-06-25
なにげない選択の積み重ねが世界を変えていく原動力になる
目先の損得しか考えない人しかいない世界について想像してみましょう。自分の利益を最大化することは決して悪いことではありませんが、度を過ぎるとその世界を維持することができなくなります。消費者の声が大きくなりすぎると生産する人、販売する人の労働条件は悪化の一途を辿りますし、それは回り回って質の低下を生み、さらに大きな声を張り上げなくてはならなくなります。最後には破綻してどんなに大きな声を出したとしても誰も聞く人はいなくなるのです。
対価を支払うことは維持継続していくための必要条件
対価を支払うことは『評価』することと同義です。適正な評価をすることは、品質の維持には欠かすことのできない要素です。評価が適正でない世界は歪んでしまいますし、得体の知れない閉塞感が漂う陰鬱な空気が流れて当然なのです。恣意性が高まれば公平性は失われます。実は自分たちの利益だけを拡大化させようとする目先の損得しか考えない人がそのようなアンフェアな世界を作り上げているのです。
エコヒイキが世界を捻じ曲げる。
富裕層に倹約家は多いといわれますが、それは正当な評価に徹しているだけです。選球眼が良く、合理的な行動を行えば自然と倹約になるのです。それをケチと非難するなら、無駄遣いして放蕩している方が優れていると言わなければなりません。しかし、それは単なるバラマキに他ならず、アンフェアで適当な評価を下しているだけで誰のためにもならないことは先述の通りなのです。
機会損失や逸失利益を含んだ形で合理的に判断する人が増えてくれば、そういった効率のいい社会が出来上がります。価値ある物に投資をしていくということは、身の回りに価値ある物が溢れるということであり、それらの利子はさらに自らに対して利益をもたらしてくれます。逆に無駄なものに投資していくということは、その無駄を拡散することでありムダが溢れかえる社会が出来上がるのです。
選択が世界を変えていく。
理由もなく買い叩かれるのは評価されていないのと同様です。『生活の糧』も『品質の維持する力』を失うことになります。質の良いサービスを残していくためには手段を意識しなければなりません。世の中は意識的であれ無意識的であれその選択の積み重ねにより作られているのです。自分の思い描く世界は自己都合の恣意的なものであるか、それとも世のため人のためになるものであるかを確認したいときは心に手を当てて聞いてみるといいと思います。
『この選択でいいのか』という問題提起は重要です。
参考文献
- 作者: 長沢朋哉
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参考記事
「他社より安くします」チラシのホントの理由(再掲) - Cahier de Siliqua_alta