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2009-01-29

サイゼリヤから学ぶ国産農業のあり方

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メニューの大半が500円以下という安さを武器に快進撃を続けるファミリーレストランサイゼリヤ。その低価格路線を支えているのが直営農場と契約農家のネットワークです。どうして直営農場と契約農家のネットワークがここまで受け入れられるのでしょうか。それは今までの農業流通システムが閉塞感のあるものだったからに他なりません。



 

農業は重労働であり、低賃金であることが問題となっています。この原因は商品である農産物の流通システムが多様化されず、価格競争力を失っていたからに他なりません。企業が買い上げる直接買い取りに応じられるのはごく一部の農家だけです。多くの農家はJAなどの大手流通網に牛耳られています。便利ですがその中間マージンの重さと小売の値下げ圧力に屈した結果が現在の農家の貧窮を引き起こしています。

 

現在、実際に農業をやっている人たちは「厳しい」という声が大半です。厳しくなければ兼業農家より専業農家のほうが多いはずです。日本の農家の9割は兼業と言われています。ここを改善しないかぎり重労働、低賃金に人は集まってきません。実際、直売所を建設したりといった地域で取り組みを行った結果、手取りが改善され裕福な農家もいます。

 

もう一つ問題があります。農業には自身がキャリアアップする機会がありません。一旦農業に就業してしまうと他の職に転職することが難しくなるのです。低賃金で困窮してしまった場合、出稼ぎとして短期工として工場で働くといった選択肢しか取れない可能性も否定できません。

 

いままで規制や流通網が整備されていなかった農業はこれから伸びる可能性がある分野です。日本は食料自給率が低いこともありますし、改良の余地が十分にあるからです。それは農業をビジネスとして行うことが前提です。いままでの農政やJAに依存した体制では価格競争力などつくはずがありません。


いままでの農業から脱却するには自律する必要があります。キャリアアップについても大型の農園経営を行えば企業とやっていることはほとんど同じです。戦略、会計、流通、営業など多岐にわたる仕事ができます。またトマトやレタスなど一種類に特化してコアビジネスにつなげていく戦略もあります。

 

いずれにせよ、伸びるのは農業の周辺ビジネスの環境が整備されることが前提です。農協以外の流通網を構築するべきですし、農耕器具などは農業従事者の増加に伴い、関連会社も開発費用も調達でき、上向いてくると思います。今必要なのは、長期的な展望に基づくロードマップです。その場しのぎや票集めでは本当に産業が死に絶えてしまいます。そのようなことは、誰も望んではいないはずです。みな自らが助かりたいがために、自己の利益を追求したいがために行っている行動なのです。お互いがWIN=WINになる形を模索していくことが求められていることです。


参考文献

儲かる農業 -「ど素人集団」の農業革命-

儲かる農業 -「ど素人集団」の農業革命-



参考記事

サイゼリヤがすげー はてなブックマーク - サイゼリヤがすげーw - teruyastarはかく語りき

一体、この国は農業をどうしたいんでしょうね はてなブックマーク - 一体、この国は農業をどうしたいんでしょうね - pal-9999の日記

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