2010-01-18
無制限に選択肢があると何も選べなくなる
生まれた時代や場所により人生は大きく左右されます。その時や場所で使える資源やが異なれば可能性が大きく変わってくるからです。時代が違えば展開の速さも大きく変わります。機械化が進みハイテクノロジーのハードウェアや、便利なソフトウェアが次々と生み出されます。現代は昔に比べて、そのスピードは創造を絶するほどであり、もはや出来ないことはないくらいといっても過言ではありません。
しかし、なぜ閉塞感が漂っているのでしょうか。
昔の日本は現代よりもはるかに貧しかったはずです。書物を見渡してみても蓄積されている質や量も乏しく、広く深く学ぶには留学するしかなかったのですが、海外に行くことが出来る人などほんの一握りでした。それに比べて現代は海外へのアクセスコストが圧倒的に下がっています。それどころか、海外に行かなくても既に大抵の知識は日本語で蓄えられているし、ネットを探ればすぐにアクセス出来る環境が整っています。
個人の選択肢がものすごく広がっている。
英語を学べば、海外のサイトから直接論文なども読むことができるので、知識だけ学ぶなら、そもそも海外で学ぶ意義自体が薄れてきているのかもしれません。しかし、それらの選択肢を選ばず可能性を活かせる人材が少ないのが現状です。というより、あえて活用しない人もいるくらいです。
情報、選択肢は無限にあると人はその選択肢の多さに安住する。
何でも出来る万能感というのでしょうか。昔では費用がかかりすぎて到底出来なかったことが今では低コストで出来てしまいます。簡単なワードやエクセルを使って文書を作成する人達が、昔の手法で文書を作成したらめまいがするほど手間と時間がかかることでしょう。つまり生産性が上がるということはそれだけ時間当たりの価値が上がったということです。
私達の暮らしは想像もつかないほど生産性が上がっています。1日もあれば地球の裏側までいけますし、ネットで外人とチャットしたり、起業するための投資先を探したり、就職するにしても様々な職を選ぶことができます。選択肢が広がりすぎてなにを選んだらいいのか分からなくなるくらいです。
昔は選択肢がそれぞれの人で異なっていました。だから同じ選択肢を巡って過当競争が起こらなかったのです。しかし現代は違います。ある程度、選択肢が見えてしまう。そして、その選択肢に群がる人すら見ることができる。自分の能力と比較し始めます。
そして、妥当なところを探し始める。
現代は全てにおいて自らの責任において選択決定しながら前に進んでいかなければなりません。そして、その選択肢に無理矢理でも自らに納得していかなければならないのです。そのような中では戦略的に選択しなければ失敗します。及び腰になり無制限の大海を前にして選択できないというジレンマに陥るのです。
考えすぎることは無いと思います。経験上、その場でしゃがみ込むよりも、ある程度見渡して突っ走った方が有利です。選択した後は後悔などせず、脇目もふらず走り続けた方が面白いと思います。無責任と思われるかもしれませんが、ぶつかったときまた選択すればいいのです。ぶつかった壁の数が多い人ほど強い人になることは間違いありません。
荘子寓言
1.むやみに競争心を駆り立てないこと
2.自分を自分以上に大きくみせないこと
3.周囲の反応をきにしすぎないこと
4.静かに自己をみつめること
参考文献
- 作者: スティーブン・R.コヴィー,レベッカ・R.メリル,A.ロジャーメリル,Stephen R. Covey,Rebecca R. Merrill,A.Roger Merrill,宮崎伸治
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