2010-03-28
当たり前でできた息苦しい世界を変える方法
『誰かがやらなければならないこと』はこの世の中には沢山あります。しかもそういった『誰かがやらなければならないこと』はやって当たり前が基本になりやすいです。家政婦、保育士、看護師、介護福祉士、ヘルパー等の仕事は出来て当たり前。しかも、これらの仕事はその上に際限なく「尽くすこと」を求められます。
このような当たり前でできた息苦しい世界を変える方法はあるのでしょうか。
ここで考えるべきは当たり前の世界を『誰が』作っているかです。割に合わないサービスを際限なく享受しようとしているのは『消費者』です。つまり『消費者』が当たり前を作っています。この当たり前が前提になると当たり前は空気のようなもので「出来て当たり前」になりミスした時だけバッシングとともにクローズアップされることになります。たとえその当たり前が理不尽な状況にあったとしても、気付かれない事が多くなるのは、それが「当たり前」だからです。
当たり前で出来た世界は相手が納得するものを常に用意しなければならず、すこしでも逸脱したら文句を言われる世界です。言い換えれば、
当たり前の世界は「褒められる」ことの無い「叱られる」だけの世界
『消費者』はそういう世界でがんばっている人がいるからこそ世界が回っていることを知る必要があります。その世界を支えている人のモチベーションは賃金で支えられているわけではありません。市場価値から見て生産性が低いシャドーワークに多くの賃金を支払えば経済が回りませんから、賃金に換わる『当たり前』の使命感や道徳心に押し付けざるを得ない。だから苦しくなり続けるのです。
当たり前でできた息苦しい世界を変える方法は『消費者』の行動に拠ります。割に合わない使命感や道徳心をサポートするものはそう多くはありません。
まずは「ありがとう」と感謝すること
まず「できて当たり前」に感謝すること、そして「できて当たり前」が少しくらい出来なくとも許容することです。最終的には「できて当たり前」を無くしていくことです。割に合わなくとも求めるサービスを環境を提供してくれる人とそんな関係が築ければ社会がうまく回っていく気がします。
割に合わないことをしてくれる人に『当たり前を押しつける』のと『心から感謝する』のではどちらが報われるでしょうか。そしていつか自分がサービスを提供する側になったとき、どちらを望むでしょうか。世界は個人個人が相互にサービスを提供し合って成り立っています。その世界を際限の無い『当たり前を押し付けあう世界』にしてしまっては息苦しくなるのは当然ではないでしょうか。
貰いっぱなしでいいのは子供だけです。大人は貰う以上に提供しなければなりません。世界を保つために誰もが、自分のために、誰かのために提供していかなければなりません。そして「当たり前」のために時間と労力を費やしていかなければならないのです。そんな『当たり前』のために手間暇を費やしてくれた『誰か』に一言だけ言ってあげてください。
いつも、ありがとう。
参考文献
- 作者: 水野敬也
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2007/08/11
- メディア: 単行本
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参考記事
従順を装い沈黙する若者達 老害の人老益の人 - keitaro-news
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