2009-06-09
ソーシャルレンディング P2P融資が切り開く相互扶助の精神
お金を借りたい人と貸したい人を結びつける融資仲介サービスの「ソーシャルレンディング」(P2P融資)をご存知でしょうか。P2Pはインターネットを使って、個人に資金などを用立てる短期・少額の融資です。サービスの内訳は、借り手(ボロワー)と貸し手(レンダー)の情報をマッチングさせて、お金を融通します。このマッチングの方法にSNSの手法を利用しています。P2P融資は「相互扶助」を基本としています。
ノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行のムハマドユヌス氏が行う「マイクロファイナンス」をオンライン化したものです。結婚や出産、友人からクルマを買う、ローンの借り換えといった、個人の生活費に近い資金を用立てる金融サービスとして活用されています。借り手、貸し手共に額は小額です。多くても50万円程度の融資が中心です。
借り手が金額や使い道、借入期間、金利をオファーします。貸し手と借り手とが融資条件について交渉して融資実行となる流れです。借り手・貸し手の実名や住所、顔写真などは明かしません。金利オークション形式なので借り手は一番低い金利を提示した貸し手からお金を借りられます。金利は高いもので15%前後まであります。
リスクを極限するためのScoreという投資判断の指標等を用いたり、担保会社を設定したりと色々な取り組みが成されており、さらに年収証明や本人確認など、一般の消費者金融とほとんど変わらない手続きが必要で、さらに個人信用情報機関を通じて多重債務者やその予備軍でないことを確認して貸倒リスクを開示しています。
大手の消費者金融でも10%前後が基本となっているので、この金利設定は借り手貸し手ともに大きな魅力だと思います。
海外では、すでに米国プロスパーや英国Zopa等等、広く利用されています。日本での認知度はまだあまり高くありません。現在、不況で生活費などの小口の借り入れニーズは高まっていると思います。低金利で預金を集めているにも関わらず、貸し倒れリスクを恐れて貸し渋りや貸し剥がしする銀行にいつまでも頼っているのは、不健全な気がしないでもありません。
参考文献
- 作者: 坪井ひろみ
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2006/02
- メディア: 単行本
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