現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 国際
  4. ヨーロッパ
  5. 記事

「犯罪移民の仏国籍剥奪」大統領方針 人権団体ら猛反発(1/2ページ)

2010年8月3日9時7分

印刷印刷用画面を開く

このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 【パリ=国末憲人】フランスのサルコジ大統領は7月30日、帰化した後に重大な罪を犯した移民の仏国籍を取り消す方針を打ち出した。ただ国籍剥奪(はくだつ)は、戦中の親ナチス・ドイツ政権がユダヤ人排斥のために利用し、戦後はタブー視された措置。「移民差別を助長する」と、野党や人権団体は猛反発している。

 大統領への支持率は、最近の改革の失敗や側近のスキャンダルで低迷。新方針は、右翼支持層の関心を引き戻し、2012年の大統領選で再選を目指すのが狙いだと受け止められている。

 大統領はこの日、訪問先の仏南東部グルノーブルで演説。当地では7月、強盗団と警官隊との銃撃戦で強盗側の青年(27)が死亡。これを機に、青年の出身地にあたる郊外の移民街で暴動が起き、治安回復が課題となっていた。大統領はその対策として「外国出身者が警察官や憲兵隊員、公権力を委託された人物の命をあえて奪った場合、仏国籍は剥奪される」との方針を表明した。

 オルトフー移民相は31日、国籍剥奪のための法案を9月に議会に提出する方針を確認。「重婚や女性器切除(女子割礼)の実施、重大犯罪にかかわった場合にも、国籍は失効させなければならない」と述べた。

 ただ、この新方針は、等しく権利を持つと見なされてきた仏国籍保有者を、移民出身者とそうでない者に分けることにつながる。また、国籍剥奪は第2次大戦中、対独協力政権(ビシー政権)がユダヤ人に対してとった措置であることから、戦後の歴代政権は手をつけなかった政策だ。リベラシオン紙は「仏の過去で最も恥ずべき対応に立ち返るものだ」と厳しく批判。ルモンド紙も「サルコジ氏はタブーを破った」と論評した。

前ページ

  1. 1
  2. 2

次ページ

PR情報
検索フォーム

おすすめリンク

社会問題を改善し利益も…。そんな「社会的事業」に世界の大手企業が取り組み始めた。

北韓大学院大学の梁茂進教授に、北朝鮮の後継問題など北朝鮮情勢の見通しを聞いた。

ミャンマーで年内に総選挙が実施されれば20年ぶり、その現状はどうなっているのか?


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介
  • 中国特集