日本が朝鮮半島を支配した韓国併合から今月で100年を迎えることを受け、金沢市の市民団体が1日、金沢市西念1の労済会館で「韓国併合100年・歴史の責任と市民の連帯」と題する集会を開いた。大学教授や労働、教職員組合でつくる「『大東亜聖戦大碑』撤去の会」が主催、約100人が参加した。
集会では、日本の支配にほんろうされた朝鮮人BC級戦犯の人生をたどった「キムはなぜ裁かれたのか」など、日本の戦後補償や戦争犯罪の著作で知られる早稲田大大学院の内海愛子客員教授が講演した。「日本の戦争犯罪を裁いた東京裁判では、朝鮮支配の責任は不問にされた」と述べ、朝鮮半島での過去清算の一環として、一刻も早い日朝間の国交回復などを求めた。
内海客員教授は、連合軍の捕虜監視員の任についた朝鮮人129人が、BC級戦犯裁判で有罪になった史実を紹介。「東京裁判では朝鮮総督に対する植民地支配責任が不問にされた一方で、朝鮮人は“日本人”の一員という理由で裁かれた」と語った。
続いて講演した恵泉女学園大の李泳采(イヨンチェ)専任講師は「日朝国交正常化を進めるなど、100年が過ぎた今こそ具体的な行動が求められている」と訴えた。【松井豊】
毎日新聞 2010年8月2日 地方版