高木マニア堂
何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
237:ラジオで聴いた「矢吹丈vs力石徹」の死闘
<2010年2月=東スポ携帯サイトより>
今年は「あしたのジョー」のアニメ(フジテレビ=1970年)放送開始から40年(少年マガジンの連載開始は1967年から)となる。
劇中で死んだジョーのライバル・力石徹の葬儀が実際に行われたり、よど号ハイジャック事件の犯人が「我々は明日のジョー(原文ママ)である」と声明文を出したのも70年の出来事だ。
「よど号事件」の発生は3月31日。そしてアニメ版の「あしたのジョー」が放送開始されたのが翌4月1日。やや不謹慎だが、ものすごい番宣効果だったのでは?。
この1月17日(日曜日)の午後7時からTBSラジオが「矢吹丈vs力石徹・バンタム級8回戦(後楽園ホール)架空実況中継」という面白い試みの番組を放送していた。
つまりジョーと力石の激闘を、本物のスポーツ中継の体裁で実況してしまおうというモノ。実況は、実際にTBSボクシング中継を担当する土井敏之アナ。そして解説は「元WBC世界バンタム級王者・ホーク・カミシゲ」なる架空の元世界王者に扮した薬師寺保栄が務めた(薬師寺は実際に元WBC世界バンタム級王者)。
土井アナの実況は本職だけあってバッチリ。この実況部分だけを聴いたならばAMラジオの音質と相まって、本物のボクシング中継と勘違いする人も多いだろう。今後、BGM音源としても貴重なモノとなりそうだ。
また途中で入るCMも70年当時にヒットしていたピンキーとキラーズの「土曜日はいちばん」、菅原洋一の「今日でお別れ」、BJトーマスの
「雨にぬれても」などのレコード宣伝という懲りようだ。こういう遊び心はうれしい。
だが、試合前の控室風景実況シーンで、ドヤ街のチビ連を追い払ったり、セコンドで怒鳴る丹下段平(藤岡重慶)の声が入るのは良しとしても、試合中のジョー(あおい輝彦)や力石(仲村秀生=この人は「ど根性ガエル」の南先生、「宇宙戦艦ヤマト」の島大介の声でも有名)のモノローグが入るのはちょっと興醒めだ…。
また薬師寺の解説(のセリフ)がドラマ仕立てになり過ぎていたのもリアル感を欠いてしまった。実際のボクシング中継で聞かせている薬師寺の解説そのまんまの調子で良かった気がする。
それでも8R2分47秒の激闘後、握手を求めた力石がリング上で倒れるシーンで、番組本編をバシっと終わらせた点は良かった(その後、ジョーのパチンコの宣伝も込みで、作者・ちばてつやの回想や、アニメのサントラ音源で力石の死を知ったジョーが絶叫するシーンなども放送)。
音のみで番組を構成できるラジオならではの強味。もしかするラジオの金鉱脈発見かも知れない。
まだまだジョーのほかの試合(カーロス・リベラ戦や、金竜飛戦、真っ白な灰となるホセ・メンドーサ戦など)や「巨人の星」「タイガーマスク」など架空実況中継のネタは存分にある。ぜひ、シリーズ化して欲しいものだ。
プロフィル
高木圭介のプロフィル
昭和44(1969)年6月4日、神奈川県川崎市生まれ。かつてジャイアント馬場さんも暮らした新丸子の街
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