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元大嶽親方暴露予告…協会に不満?

 二階席から愛息・幸之介君を見守る元大嶽親方=両国国技館(撮影・西岡 正)
 二階席から愛息・幸之介君を見守る元大嶽親方=両国国技館(撮影・西岡 正)

 野球賭博に関与したため7月4日に日本相撲協会を解雇された元大嶽親方(元関脇貴闘力)の鎌苅忠茂氏(42)が1日、野球賭博問題の全容暴露を予告した。三男が出場した、わんぱく相撲全国大会を観戦するため東京・両国国技館を訪れ、解雇以来初めて公の場に姿を見せた。取材に対して「1年か2年したら全部話す」と答え、明るみに出ていない疑惑の存在を示唆。再生へ歩み始めた協会を揺るがす“爆弾”となる可能性が出てきた。

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 角界に再び激震が走るのだろうか。元大嶽親方は不敵に野球賭博問題の暴露を予告した。「あと1年ぐらいしたら、全部わかるから」。警察の捜査が進みつつある野球賭博問題において、明らかになっていない関与者の存在をにおわせた。

 警察の捜査を受けている立場ということもあり、具体的な名前は挙げなかった。ただ、当事者の一人だっただけに深い情報を持っているとみられる。警察の事情聴取などで、上申書を提出していない協会員について、何らかの情報を提供した可能性もある。

 発言の根底には、偏った処分が下されたという協会への疑念がある。「おれは仕方がないけど、琴光喜ばかりひどい目(=解雇)になったのはおかしい」、「(関与が軽いとして)何で嘉風は相撲に出られたのか!!」とまくしたてた。また、「自分たちと上がアホやから、だめだった」と振り返り、角界の今後について「貴乃花親方に引っ張ってもらいたい」とした。

 7月5日に、元横綱大鵬の納谷幸喜さんとの養子縁組を解消し、納谷さんの三女・美絵子さんと離婚した。本名は納谷忠茂から鎌苅忠茂に戻り「もう普通の人」と言ってはばからない。協会を相手どった訴訟こそ否定したが、自伝などの出版について「それはまあ…」と否定しなかった。しがらみがなくなった今、情報発信しやすい立場になったことは確かだ。

 髪の毛をこげ茶色に染め、「体重は100キロぐらいになった。(やせて)シャツがビラビラ」とおどけた元大嶽親方。問題が落ち着くまで「静かにしている」と言うが、協会は重大な“不発弾”を抱えてしまったのかもしれない。

(2010年8月1日)
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