杉並区や警視庁によると、所在不明になっているのは1897年7月生まれの古谷ふささん。住民登録上は同居している娘(79)は「死んでいるか生きているか分からない」としている。
足立区で111歳の男性都内最高齢者とみられるミイラ化遺体が見つかったことを受け、先月30日、杉並区職員が訪問。娘は「母親とは連絡を取っていない。ここに住んでいない」と話した。
娘によると、古谷さんは1984年ごろまで千葉県船橋市で娘や次男らと生活していたが、同県市川市に転居。娘は86年に1人で杉並区に引っ越したが、住民票では古谷さんと2人暮らしになっていた。娘は「千葉で弟と一緒に住んでいると思っていた」などとと話したという。古谷さんと最後に会ったのは85年ごろで、それ以降は連絡を取っていないという。
杉並区には古谷さんが年金を受給した記録はなく、介護保険の支払いは娘の口座から引き落とされているが、使われてなかった。医療保険も娘が支払っているが、少なくとも過去5年間、使われた形跡はなかった。
また、古谷さんが100歳を超えてから、区職員が複数回、お祝いの品を贈るために古谷さんに通知したが、娘から受け取りを拒まれた。区は直接本人に会ったことはなかったとしている。
娘は、「なぜ住民票を一緒に移したかはよく分からない。医療保険は母が生きていてくれればいいと思って払い続けた」と説明。お祝い品の受け取りを拒んだことについては、「同居していないのに、虫が良すぎると考えた」と語った。
杉並区は3日以降、古谷さんの息子らと接触を試み、所在確認を進める。