日テレ記者２人は水死だった　「バンキシャ！」取材で滝つぼ落下か

日本テレビ記者らが遭難死した事故現場に向かう、埼玉県警の山岳救助隊員らを乗せた車両

　埼玉県秩父市の山中で、ヘリコプター墜落事故を取材しようとして遭難死した日本テレビ記者・北優路さん（３０）とカメラマン・川上順さん（４３）の死因は、いずれも水死だったことが２日、秩父署の司法解剖で判明した。埼玉県警山岳救助隊が山中の滝近くで２人を発見した際に同行した地元の男性（５８）は「どちらかが滝をよじ登ろうとして失敗し、滝つぼに落ちたのではないか」と話した。

　男性によると、山岳救助隊は１日午前９時すぎに高さ３メートルの滝付近で２人を発見。２人は胸まで水に漬かり、約１メートル離れて並ぶようにあおむけに倒れていた。北さんは発見時に両方の靴が脱げた状態で頭には複数の外傷があった。川上さんは靴を履いた状態で目立った外傷はなかった。

　熊谷地方気象台によると、２人が遭難したとみられる時間帯の現場付近は、ところにより１時間に２０ミリの強い雨が降ったという。男性は「一人がおぼれ、助けようとして２人ともおぼれた可能性もある」と話した。

　現場に詳しい山岳渓流ガイドの深瀬信夫さん（６２）は「沢の中は冷蔵庫の中にいるのと同じで、保温性のあるウールなどの服装が必要」と装備が不十分だった可能性を指摘した。

　２人は「真相報道バンキシャ！」の番組取材のため来ていたという。北さんは、さいたま支局から７月に本社社会部に異動したばかりだった。山岳救助隊などは３日以降、２日に悪天候で断念した現場の確認作業を進める。

（2010年8月3日06時02分  スポーツ報知）

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