晴れた日の夕暮れ時、心地よい風を感じながら音楽を聞きたくなる季節ですよね。
カラフルな旗やポンポンを使って、ブラスバンドの演奏をより華やかにするカラーガード。みなさんもどこかで見たことがあるのではないでしょうか。
今回は、県内で活躍する警察音楽隊のカラーガード隊を訪ねました。
和歌山県警察カラーガード隊のみなさんです。
まるでロボットのようにキリっとした動きと美しい姿勢。
そのヒミツは毎日の練習にあります。
朝はまず、徹底的な筋力トレーニングから始まります。 およそ一時間かけて、上半身の強化をします。 自分のペースで黙々とメニューをこなす姿に、身体作りの重要さが伝わってきました。
次に、歩く練習です。 しなやかな動きは足元から。 かかとからつま先へ足を流れるように動かして歩きます。 腹筋に力を入れて、背筋を伸ばしてまっすぐな姿勢を保ちます。
そして、見せ場となる旗。
旗の持ち方や手の位置、腕や旗を傾ける角度まで、美しさを追求していました。
旗の重さは重いもので800グラムほどあります。外では風圧も加わるので、
旗の重さは何倍にも感じられるそうです。
腕の筋力も必要ですが、リズム感も重要だそうです。
そのために、ダンスレッスンを通して動きを合わせていました。
なんとこの旗、手作りなんです。
配色から完成まですべてメンバーで話し合っています。
お客様に楽しんでもらおうというメンバーの思いが形になっていました。
お客様に楽しんでもらえるような演技を目指して、これからも6人の熱い練習は続きます。
みなさんも、音楽隊の演奏とともに、カラーガード隊の演技を楽しんでみてはいかがですか。
「羊毛アート」ってご存じですか?羊の毛を使って、ぬいぐるみやアクセサリーなどを作る手工芸です。5年ほど前から愛好家が増え始めた比較的新しいものです。
羊毛アートは、ふわふわとした手触りと、カラフルな色合いが特徴。印南町で、7年前から羊毛アートを作る田中直子さんを訪ねました。
田中さんは、これまでに100点以上の作品を作ってきました。
全部羊毛だけで作るのです!
羊毛アートは、複雑そうに見えますが、作り方は超簡単!? 材料は、なんと針と羊毛だけなのです!
針で羊毛をちくちくと刺していくと、あら不思議。羊毛が自然とまとまり、小さくなります。ただ刺すだけで、好きな形を作ることができるのが魅力です。
さらに、田中さんは、月5回、県内各地で羊毛アートを教えています。
羊毛アートを通して母親と子どものコミュニケーションの場を作ろうというのです。
「リラックスしなければ、いい作品は作れない!」と、田中さん。お母さんと子どもたちにリラックスしてもらうため、作品作りの前に必ず「わらべうた」を歌います。
もちろん、羊毛アートが大活躍!歌の内容に合わせて羊毛のぬいぐるみを動かすと、子どもたちは大喜び。お母さんたちの表情も和らいできました。
いよいよ羊毛の文鎮作りのスタート!
ふわふわの羊毛をせっけん水につけると、羊毛が手の中でみるみるうちに小さくなっていくのです!
これなら、針も使わず、子どもたちにも安全に作品作りができますよね。
みんな楽しそう♪
そして、田中さんのもうひとつの目的。それは、お母さんたちの話に耳を傾けることです。
結婚を機に和歌山に引っ越してきた田中さんは、周りに知り合いがいない中、育児をし孤独を感じていたそうです。
そんな折に出会った羊毛アートをきっかけに、お母さん自身が悩みを打ち明ける仲間を作り、心安らげる場を作りたいという思いを話してくれました。
これから先、人が集まる場で羊毛アートを見かける機会も多くなるかもしれませんね。
ジューンブライドといわれる6月。
今回は、結婚式などに花を添える「シュガークラフト」の話題です。
独自のくふうで、シュガークラフトに取り組んでいる、和歌山市の女性を取材しました!
シュガークラフトは、イギリス発祥の砂糖を使ったお菓子のアートです。
あま~いおいしそうな香りがするんですよ。
シュガークラフト作りに取り組む、鎌田千香子さんです。
シュガークラフトを始めて3年というキャリアながら、去年10月、東京で行われた全国規模の大会で、プロの菓子職人を押さえて1位に輝きました。おみごと!
もともとお菓子作りが大好きだった鎌田さん、子育てをしながら、手に職をつけたいと思い、菓子作りの専門学校に通ったのがきっかけだそうです。
シュガークラフトというと、細かいレース模様、そして本物のような花が印象的ですが、鎌田さんのいちばんのこだわりは、人形作りなんです!
というのも、鎌田さんが目指すのは「人のぬくもりや感情が伝わるような作品づくり」。その思いを伝えるため、人形の表情やしぐさなど、納得がいくまで試行錯誤を重ねるそうです。
鎌田さん、これだけ作品づくりに打ち込めるのは、家族のサポートがあってのことだといいます。ごはんの支度や掃除洗濯を、皆さん進んで手伝ってくれるそうです。
お宅に伺った日も、お母さんと息子さんが台所に立っていました。
「こんなに協力してくれるのだから、もっともっと腕を磨いてがんばるぞ!」と、鎌田さんは、未来の作品づくりにも意欲的。
身近な家族のメンバーが、作品のモデルになることも多いそうです。
こちらは、息子さんと愛犬を描いた作品。
そして、将来、娘さんが結婚することを想像して作ったウエディングケーキ。
鎌田さんの作る人形、どこか心をほっとさせてくれるような温かさがあると思いませんか?家族の支えがあって生まれる作品の数々は、幸せの甘い香りに包まれたアートでした。
現在、プロを目指して奮闘中の鎌田さん、これからもオリジナリティーあふれる作品の数々、楽しみにしています!
まぶしい太陽の光を受けて緑が色濃くなる季節。
植物を鮮やかに記録していこうというアートがあります。「ボタニカルアート」といいます。
人の手で描き出される繊細で立体的な絵画の世界を和歌山市に訪ねました。
植物図鑑や教科書などに描かれた植物の絵で見たことがある人も多いと思います。
いきいきと咲く花の模様や葉っぱの虫食いと葉脈まで正確に描かれています。
そのため、「ボタニカルアート」は「植物の肖像画」ともいわれています。
写真が普及していないころのヨーロッパで植物を正しく記録して残すために、植物学者と画家が協力して描いたのが始まりといわれています。
画家の迫間(はざま)あやみさんは、ボタニカルアートを描いて40年。
自然豊かな古座川町出身で、いつも身近にあった植物を描く仕事をしようと、デザインの基本といわれるボタニカルアートに出会いました。
描く工程は、下絵→色塗り。
中でも、立体的に見せるコツは
1. 植物を細かく観察すること
2. 花や葉の位置関係を正確にとらえること
3. 光をうまく写し取ること(薄い色から濃い色へと足していきます。)
迫間さんから教わったコツを踏まえてわたしも描きましたが、細かく描いたつもりでも、見過ごしてしまっていた部分があり、ありのままを描くことの難しさを実感しました。
写真よりも植物のほんとうの姿を描くボタニカルアート。
皆さんもゆっくりと植物を観察しながら、絵に残してみてはいかがでしょうか?
「わかやまニュースウェーブ」では、5月31日から5日間に渡って、各コーナーで「太地町のくじら」をテーマにお送りしました。
「紀の国みてある記」では、「くじらの食文化」!太地町の人たちの日常に根づく、くじらの食文化を訪ねました。
およそ400年の捕鯨の歴史を持つ太地町。その歴史といっしょに、くじらを食べる文化もはぐくまれてきました。
まず向かったのは、太地町の太地漁協直営のスーパー。
精肉売り場には、くじらの生肉や腸をゆでた「うでもの」がずらり。くじらが水揚げされたときにしか入らない生の肉は、地元の人でもなかなか手に入れることができないのだそうです。
スーパーにお買い物に来ていたのは、地元で民宿を営む磯田喜代子さん。磯田さんは、生肉があると必ずと言っていいほど買って帰るほど。
この日も昼食にくじら料理をするということで、お宅にお邪魔しました。頂いたのは、「くじらの刺身」。
新鮮なくじらのおいしさを知っている太地の人たちは、くじらを刺身で食べるのが一般的だといいます。
赤身を皮といっしょに食べるとおいしいよ、と磯田さん。
皮だけだと、脂肪の甘さと口の中でとろけるような食感なのですが、赤身をいっしょに食べると、味がさらに濃厚になり、くじらのうまみを感じました。
そして、磯田さんが見せてくれたのは「くじらの歯で作られたパイプ」。
くじら漁をしていた磯田さんの父親の形見の品だそうです。
メニューは、「くじらのピーナツ揚げ」。
くじらの苦手な子にも食べやすいように、ピーナツで香ばしさを出すなどのくふうがされています。
みんなおいしそうに食べてますね♪
くじらの食文化を次世代につないでいこうという動きはほかにもあります。
太地町の国民宿舎で16年間くじら料理を作り続けている南幸男さんは、「くじらバーガー」を開発。若い人たちにもくじらの味のすばらしさを伝えていこうと、意気込んでいます。
太地の食を通して、くじらの町として生きてきた歴史と、太地の人たちのくじらに対する思いをしっかりと感じました。