越前蟹佐衛門の放浪日記

　　　　　　　　　　　　越前蟹佐衛門・・・推参！！

　どうも・・・歳を重ねるごとに　口煩く　なって行きまする。

　若い頃は　片町漫遊　に行っても、おねいちゃんたちと色恋抜きで　

　　　　　　　　　　　　ワーワー、キャーキャー　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　と連日騒いでいたものの、最近は　接客態度　に目が行ってしまい・・・

　　　　　　　　　　　　いらっちゃいませぇ～・・・何か飲んでいいですかぁ？

　なんぞ言い出したときには・・・　　日本語も喋れぬのかぁ？

　　　　　　　　　　　　貴様ぁ～！　無礼者、名を名乗れぃ！

　と一蹴し、膨れっ面でもしようものなら

　　　　　　　　　　　　えぇ～い！　目障りじゃ、失せろ！

　　　　　　　　　　　

　などと口に出し・・・　来店の翌日に　サンキュー・コール　がない店には二度と足を向けませぬ。

　昔のおねいちゃん達は、給金の　三倍稼いで当たり前・五倍稼いで一人前　と言われておったが

　昨今は　二倍稼いで当たり前・三倍稼いで一人前　となっておるようじゃ。

　が・・・その　二倍　すら稼がぬ・・・稼げぬおねいちゃん達が横行する片町・・・

　　　　　　　　　　　　安いドレスに安い香水、化け物のような化粧・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　客が離れて行くのも当然の事かと・・・　　　お店に出れば　高額の時給　がもらえると勘違いしておるんじゃろう。

　昔はいい店がたくさんあり、おねいちゃん達も　客の懐　を知って遊ばせてくれたものじゃが・・・　　

　しかし、何もおねいちゃんだけが悪い訳ではない。

　遊び上手な客が少なくなったのも　片町が閑散　としてきた理由に挙げられますかのぅ～・・・

　　　　　　　　　　　一人前の仕事をしたいなら、一人前の遊びを学べ

　と、若い頃には先輩・上司に連れて行ってもらったものじゃった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　狡猾な遊びを学ばず下世話な　下心満載　した客が増え、おねいちゃんの　戯言　を本気にする・・・

　客を引こうと訳の判らぬ　烏合の衆　が通りでたむろし、裏通りには　怪しい夜鷹　が出没・・・

　おねいちゃんもおねいちゃんなら、客も客じゃ。　　　が、景気も良くなれば少しは変わるじゃろうて・・・

　繁華街の行く末を危惧する　福井の探偵　越前でござった。

　　　　　　　　　　　しからば・・・御免！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　片町も、北の庄や南通りのように寂れてゆくのかのぅ～・・・